第18話 布団にバッタ 廊下に鬨の声 坊ちゃん4

文字数 1,089文字

□学校の宿直の番が来た。狸に赤シャツは免除されるのは不公平だと山嵐にいうと強者の権利だという。夜具は自分のでないと寝付けない。宿直部屋は西日が当たり暑い。※情景描写が引きつけられる。
□寄宿舎の生徒の賄い食べたが不味い。あんな不味いもの食べてあれだけあばれられるものだ。※面白い表現次に来る事件の前ぶりか。
□退屈なので小使に温泉に行くと言った。帰り道、狸に逢い、宿直では?と訊くので、分かりきった事を聞く。腹立ち、だから今から泊まりますという。※上司にもヘコヘコせず笑う。
□寝間着に着替え蚊帳を巻くって布団にはいる。バッタが60匹飛び上がった。※そのバッタ退治の行動表現が面白く笑った。
□退治してた後、小使いがきたので、バッタを床に飼っておく奴が何処の国にある。間抜けめ。※笑う。落語じゃないだろうか。
□存じませんと言うので、寄宿生3人を呼び出した。「なんでバッタをおれの床に入れた」「バッタた何ぞな」※遣り取りが面白い
□「大きな図体をしてこれを知らないのか」とバッタを見せた。「イナゴぞな。もし」※実に描写が面白い方言と江戸弁
□「先生を捕まえてなもした何だ。菜飯は田楽の時に食うもんだ」※先生の屁理屈で真剣なのか滑稽なのか分からない描写
□「誰も入れやせんがな」けちな奴らだ。自分のしたいたずらが言えないなら、てんでしないほうがいい。※この遣り取りもいい。
□腐った了見の奴と談判は胸糞わるいから、1時間説教して追い払った。※今の先生はこれ位のことができるのだろうか。
□寝ていると、頭の上で、床板を大勢で踏みならし鬨の声が起こった。二階へ駆け上がるが、暗くて人気が無い。※この様子の描写が上手い。
□東端と西端で鬨の声が上がる。部屋を検査するが、開かない。卑怯な豚どもだ。※大笑いの描写、自分は勇敢だが智恵がないのでどうしていいか分からない
□廊下の真ん中でアグラをかき夜明けを待った。目が覚めた時はえつ糞しまったと飛び上がった。戸が半分開いている。※これも面白い。情景が浮ぶ
□生徒が二人前に居る。足を引っ張り倒し、一人に飛びかかり小突き回した。宿直室に引き立て、詰問した。豚は打っても叩いても豚だ。白状しない。※此処も大笑い楽しい小説。
□その内50人生徒が来て押し問答。校長も来て事情を聞き、生徒に追って処分すると放免した。※新人の先生には、この洗礼をするのだろう。
□こんな悠長なことをするから生徒が宿直員を馬鹿にするのだ。校長は今日は授業には及ばんというので、一晩寝なくても授業は出来るといった。※次が何だろうと楽しい
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