第5話 許されざる世界の横暴者たち エッセイ

文字数 3,568文字

九十歳過ぎた母親が、最近急に元気になった。テレビを見ては「プーチンを殺せ。必殺仕置き人をロシアに派遣し、専制者を抹殺してくれ」と大声で叫ぶ。自分たちの戦争経験と、ウクライナへのロシアの不法侵略とダブらせ心配する。コロナが世界中に感染拡大し、もう三年目にもなるが、衰える気配がない。生活は制限され、旅行はできず、うんざりしている。インフルエンザと同じで、冬辛抱すれば治まるかもと、のんびり構えた。中国武漢で野生の生肉から、コロナが伝染とか、生物化学兵器を研究中、市中に伝染したという噂もある。中国という国は、厄介なな国だ。共産主義では貧乏だからと、経済は民主主義国家と同調すると鄧小平が、政策を変更した。最初は、諸外国から仕事を習い、素直に製造をし、先進国から重宝がられた。とこどっこい、中国人は、頭が良く、ずる賢い民族である。孔子、孟子、や三国志など、過去の栄光を持ち漢民族はプライドがある。日本の漢字も中国からの輸入である。中国が世界からの下請け会社を発展させ、いつの間にか、特許権技術を無料公開しなければ、仕事をさせないという泥棒行為を行った。西洋技術を習得し、徐々に利益を上げていった。私が外国旅行し、土産に二千円ほどの帽子を買い集めたが、世界中全て、メイドイン チャイナだった。あらゆる品物でも中国製品が席捲している。GDPで世界第二位と躍進、成金が誕生し、世界中を旅行している。甲高い声で、私の頭越しに、会話するなど、無礼な人種である。子熊のプーさんに似た習近平が、権力を手中に収めた。独裁政治を行い、反抗する者は、逮捕させ、排除していく。昔、シルクロードで繁栄した時代を復活させ、世界を制覇する野望を持っている。一路一帯で、世界を中国色に染める準備している。香港も民主的地域から、共産思想への洗脳を暴力的に強制させた。反旗を翻すウイグル族に対しては、弾圧し、拘束し、集団殺害までしているという。アメリカは、「中国は泥棒まがいのことをして、成長した。共産主義という自国に有利な体制を固守し、民主的ルールに従わない。自分の都合のいいことを基準に商売をする」と断言し、「民主的に同じ土俵で勝負しろ」と主張する。儲かるのは、当たり前であり、正々堂々さが全くない。自国が全て正しく、外国の非難は、全て内政干渉だと、落印を押す。身勝手な閉鎖的な国である。コロナ下で、夏のオリンピックを日本が開催した。アスリート達は、四年に一度の大会でメダルを獲ることに、選手生命を掛け、日々練習に励む。コロナ感染の最大の敵は、集団で人が集まることであり、オリンピックは、中止すべきと新聞やマスコミは、開催に反対の声明をだした。しかし菅首相は開催に踏み切った。本来、居るはずの観客席には無人である。紙で作ったダミー観客があるスタジアムで、各国の代表選手は競技に集中した。世界中は、テレビで五輪を観戦し、自国選手の健闘に感動し声援を送る。メダル獲得で、感動を味わうことが出来た。翌年の冬に、北京オリンピックが始まった。中国がしたウルグアイの民族独立への集団殺害を、各国の元首は批判した。開会式出席をボイコットし、中国政府の考えを非難した。中国は内政干渉だと反論した。開会式にロシアのプーチン大統領だけが出席し、習近平とにこやかに対話していた。ロシアは選手に禁止薬物を飲ませた罪で、五輪に国代表で、参加できず、同好会として特別出場である。スポーツ界でも違反し、その元首が開会式に出席、この男も鉄面皮な奴である。五輪開催中、フイギュアのエレノワが薬物違反だと検査機関が発表した。金メダル確実の彼女が、マスコミのバッシングに十六歳の乙女心が揺れ動き、競技中、転倒し4位で終わった。金髪美人のコーチは、エレノワを何故、全力で演技しなかったのかと責めた。エレノワは無言で涙を流していた。五輪開催中、ロシアはウクライナ国境付近で、軍事演習をしていた。十五万人の兵隊に戦車に装甲車にミサイルや戦闘機も出動し、戦争さながらの訓練である。私達は、ロシアがウクライナ侵略をしないだろうと、信じていた。プーチンは北京五輪が終了した後、令和四年二月二十四日、軍隊をウクライナに進撃させた。親ロシア派の人々が弾圧されているので、助けに行くという目的である。ウクライナにとり、何のいわれもない攻撃である。プーチンがソ連時代の自国の領土だったウクライナを取り戻すのに、適当な理由をでっち上げ、仕掛けた戦争の始まりだった。八年前、ウクライのクリミアにロシア軍が突然侵攻制圧し、ロシア領だと宣言した。他国を略奪しても、国際法は無力だった。世界の警察だったアメリカは、オバマ大統領が世界警察の役目を放棄した。ロシアの暴挙が、そのまま許されてしまった。現在、アメリカはバイデン大統領だ。軍事力での解決は、行使できない状況にある。経済的制裁と、武器の供与という手段で解決を図った。EUの元首に働きかけ、ウクライナをロシアから守る行動を起こした。プーチンの陰謀は、「侵攻し4日間で首都キーウを陥落させ、政権を転覆させる」予定だった。圧倒的な武力を持ち、天然ガス等の地下資源で富を得ている。ソ連崩壊から国を再建したプーチンは人気があり、独裁的権力を握っている。ウクライナは、八年前のクリミア戦争後、軍備拡張や軍事訓練にも力を注いだ。加えてゼレンスキー大統領が若くて勇敢で才知あるリダーである。「領土と自由は手放さない、絶対死守する」と宣言した。俳優経験があり、表現能力や弁論はずば抜けている。彼は、スマホの自撮りで、国の存亡の危機をネット配信した。不法な男により国が侵略されている実情を訴えた。男達は銃を取り、攻めて来るロシア軍を迎え撃ち始めた。欧米諸国もロシアの戦争を、犯罪であると、断定した。各民主国家は団結し、物資援助や武器の供与を積極的に実施した。ゼレンスキー大統領は欧米の元首と、ネットを通じ、会談し、各国の招集された国会で演説し、ロシアの不法行為を訴え続けた。ネット社会だからこそ出来るスピーディで有効な技である。バイデン大統領はプーチンを犯罪者と断言し、悪者をやっつけなければならないと、私達が思っていることを代弁し実行してくれる。必殺仕置き人の登場だ。破壊されたビルや公共施設や殺された民間人がテレビにうつる。戦争はこんな悲惨な情況なのだと、目の当たりに見た。中国は、ロシアに親しく、ずる賢く、穏便に解決しろと言い、援助をしない。NATOが軍事介入すれば、第三次世界大戦となり核戦争の可能性がある。欧米諸国は、ロシア要人の海外資産や銀行口座の凍結。スイフトという金融決済機関からロシアを閉め出した。ロシアは天然資源を輸出しても世界通貨のドルで使えない環境になる。デフォルトになれば、破産宣告である。ロシアは自給自足で生きねばならない。北朝鮮と同じ体制になる。プーチンは、戦争を続ける。破滅するまで続けるつもりだろう。ミサイルで国境の地域を廃墟にし、軍隊は殺人、強盗、強姦など悪行の限りを尽くしていく。誰も止める事が出来ない。プーチンが生き残れるか、自殺か他殺かされるまで、この戦争は終らない気がする。G7も救援物質や食料や武器をウクライナの要望に応じて、送り込む。戦車、ミサイル、爆薬、などを送り込み、ウクライナ兵はそれを使い、ロシアの戦車やヘリを破壊し、ロシア軍に反撃していく。ウクライナは何万人も死亡し、建物は破棄されつくし、甚大な被害を被っている。ロシアも相当な被害を被って、将軍や多くの兵隊たちが亡くなっている。補給も戦術も後手に回っている。プーチンは情報を遮断し、国民は実態を知らずに、プーチンのプロパガンダが正しいと思い、応援する。経済制裁や武器の供給は、無法国ロシアにとっても損害が大きい。自由諸国がこれほど応援し敵になるとは思ってもいなかっただろう。戦争に悲惨のシーンや戦争が始まったいきさつは、永遠に記憶しなければならない。殺人者は法治国家では死刑になる。何万人もの民間人を殺し、戦争だからしょうがないでは済まない。このままだとウクライナの殺された人々はたまらない。国際刑事裁判所があれども、手出し出来ないらしい。戦犯のロシアは、徹底的に懲らしめ、損害賠償をして貰わなければならない。アメリカがイスラム原理主義のテロ組織アルカイダから、世界貿易センタービルを撃破され、三千人が殺された。オサマ・ビン・ラディンが首謀者であった。アメリカ軍はパキスタンにいたラディンを殺害した。十年の期間を要したが、徹底的に追及捜査し外国で始末した。プーチンは、これ位の追及が必要だと思う。なんとか戦争が終り、プーチンが責任追及され、奴の息の根を止め処罰されることを、みんな望んでいる。
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