第7話 蜘蛛の糸 芥川

文字数 703文字

□お釈迦様が蓮の花咲く池を眺められていた。池の底は深く、底は地獄であり、多くの罪人が
蠢いていた。針の山に血の海、ある男が、御釈迦様の目にとまった。彼は強盗や多くの犯罪を犯していたが、虫が地面を這っていたのを、可哀相だと思ったのか、踏みつけずに通り過ぎた。良い所もあるのだと、釈迦は思われ、助けてあげようと、池へ蜘蛛の糸を垂らされた。男は糸を見付け極楽へいけるかもしれないと、たぐり寄せ昇っていった。長い糸の中間まで来て、下を見ると、他の罪人も多く昇ってくる。男は「昇ってくるな」と下に向かって、怒鳴った途端に糸は切れてしまった。男もろとも地獄の底へ落ちていった。
※という内容である。自分だけ助かれば良いと思う気持ちを、釈迦は許さなかったのだろうか。
文章は丁寧で、声を出して読んでも滑らかで、読みやすく理解しやすいことを感じた。誰かに語りかけるように、お釈迦様が話されるのを聴くかのような感じだった。多く説教をされ、聞く人を納得させる力をお持ちだったのだろ。岸壁を上るアルピニストの一人が足を滑らせ落下宙ずりとなる。命綱で繋がれた、相方の気持ちを考えた。このままの状態では、共に死んでしまう。ザイルを切り離し友人を落下させるか、共に死ぬまで頑張るか。その決断は難しい。自分がその立場だったらどうするか。鉄道に落ちた盲目の人を助け上げようとして、入ってきた電車に轢かれ死んだ人がいた。美談だけの話しなのか。いずれ人は死ぬ。どの場面で死ぬのか、自然死が普通だろうが、突然の事故の場合、その時の判断は、生きている時は本能に任せるしかないと思う。冷静な判断か、勇気を持った判断か、その人の運命にかかっている。
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