第40話

文字数 7,422文字

 「…今度の土曜日か、日曜日のどっちがいいか、なんて…」

 私が、戸惑うと、

 「…だったら、どっちでもいいのね…」

 諏訪野マミが、電話の向こうから、言ってきた…

 たしかに、諏訪野マミの言う通り…

 土曜日でも、日曜日でも、構わない…

 病院から、退院したばかりの私は、日柄一日、家の中で、ブラブラ過ごしているだけ…

 寝ることもあれば、起きていることもある…

 はっきり言えば、病院に入院していたときと、やることは、あまり変わらない…

 ただ、入院していたときは、大げさに言えば、刑務所に入っているのと同じ…

 自由がなかった…

 病院の中にいるだけで、外へ行くことができなかった…

 それが、今は、違う…

 自由がある…

 だから、どこへも、自分の好きなところへ、行ける…

 ただ、現実は、体力が追い付かず、自宅に籠りっきりだった…

 だから、ひきこもりと、いっしょ…

 だが、それでも、自分の意志で、ひきこもるだけで、行きたければ、自由に、外へ行けるのが、病院に入院していたときとの違いだった…

 「…じゃ、土曜日…善は急げって、言うしね…」

 そう一方的に言って、諏訪野マミは、電話を切った…

 私は、唖然として、つい、

 「…マミさん…」

 と、続けたが、後の祭りだった…

 すでに、電話は切られていたからだ…

 私は、一瞬、腹立たしくもなったが、それが、諏訪野マミだと気付いた…

 ある意味、諏訪野マミらしい…

 私にとって、諏訪野マミは、つむじ風のような存在だった…

 いきなり、前触れもなく、やって来たと思えば、唐突にいなくなる…

 だが、決して嫌な存在ではなかった…

 むしろ、私は、彼女に好感を持っていた…

 しかし、

 しかし、だ…

 ここまで、考えて、思った…

 同居する、藤原ナオキが、諏訪野マミに、好感を持っているか、どうか、は、怪しい(笑)…

 なぜなら、諏訪野マミは、最初、雑誌の対談で、藤原ナオキと知り合い、一方的に、ナオキと交際したいと、宣言した…

 小柄な諏訪野マミが、長身で、イケメンの藤原ナオキに一目惚れしたからだ…

 が、

 実は、それは、隠れ蓑だった…

 本当は、父、建造の依頼で、私、寿綾乃を探るのが、目的だった…

 建造は、私が、実の娘かもしれないと、疑っていたのだ…

 それゆえ、藤原ナオキに近付き、一方的に、交際を宣言して、交際に持ち込み、ナオキの秘書の私の身辺を探ろうとした…

 私が、ナオキのただの秘書ではなく、公私、共に、ナオキのパートナーであることを、事前に掴んでいたのだ…

 それを、考えると、藤原ナオキが、どう言うか、心配だった…

 土曜日は、会社は、休み…

 当然、ナオキもまた、家にいるだろう…

 そこで、ナオキが、諏訪野マミと顔を会わせるとなると、一体、ナオキは、どう言うだろう?

 「…彼女は苦手…」

 「…それは、参ったな…」

 予想される、藤原ナオキのセリフは、そんなところだろうか?

 …一体、今度の土曜日に、諏訪野マミが、家にやって来るといえば、ナオキが、どう反応するか?…

 それを、考えると、些か、憂鬱になった…


 会社から、帰って来た、藤原ナオキの反応は、予想通りだった…

 私が、今度の土曜日に、諏訪野マミが、自宅に、私の退院祝いにやって来ると、告げると、

 「…参ったな…彼女は、苦手だ…」

 と、頭を掻いた…

 さもありなん…

 当然のセリフだった…

 藤原ナオキは、以前、メディアを通じて、諏訪野マミから、一方的に、付き合いたいと、言われ、困惑した、苦い思い出がある…

 すでに説明したように、諏訪野マミは、父の建造から、頼まれて、藤原ナオキのそばにいる、私、寿綾乃の身辺を探ることが、目的だったのだが、それでも、強引にアプローチをかけてくる、諏訪野マミが、苦手だった…

 元々は、藤原ナオキは、オタクだった…

 コンピュータが好きな、オタクに過ぎなかった…

 それが、高じて、自分の会社を立ち上げ、うまくITバブルの波に乗り、成功した…

 が、

 基本は、オタク…

 だから、性格も内気だ…

 内気だから、男女関係に限らず、グイグイと、強引に、来る、人間が苦手だった…

 当たり前のことだ…

 性格が、内気な人間は、派手だったり、強引だったりする人間は、苦手に決まっている…

 「…だったら、今度の土曜日は、どうするの? ひとりで、どっかに出かけてくる?…」

 私が、笑って、提案すると、目の前の藤原ナオキが、考え込んだ…

 「…諏訪野マミさんが、この家にやって来る目的は、なんだろう?…」

 「…それは、私の退院祝いでしょ?…」

 「…それは、名目かもしれない…」

 「…どういうこと?…」

 「…だって、綾乃さんが、退院して、ボクといっしょに暮していることは、病院の関係者の誰にも言ってないだろ…」

 言われてみれば、その通りだった…

 私は、諏訪野伸明と結婚するかもしれないことは、長谷川センセイも、佐藤ナナも知っている…

 だから、退院に当たって、この藤原ナオキと、一時的にせよ、同居する事実は、黙っていた…

 人の口に戸は立てられない…

 なにより、これから、諏訪野伸明と結婚するかもしれない女が、別の男と同居するのは、誰が考えてもおかしい…

 同居する男が、父親や、兄、弟といった身内の者なら、いざしらず、それ以外の他人と同居するのは、誰が考えても普通ではない…

 恋人か、夫に決まっているからだ…

 すでに、私とナオキは、恋人時代が、とうに過ぎ、男女の関係は、なくなっていたが、そんなことを、説明しても、世間のひとは、信じるかどうかは、難しい…

 ハッキリ言えば、ナオキは、病院を退院したばかりの、私が、一人で暮らすのを、見るに見かねて、善意で、いっしょに暮してくれているのだが、それを説明しても、信じない人間が大半だろう…

 ならば、誰にも、言わないのが、正しい…

 李下に冠を正さずではないが、本当は、世間から、怪しまれるような行為は、しないに、越したことはないが、私には、身近な親族は、誰もいなかった…

 だから、病院を退院しても、一人暮らしをするしかなかった…

 本当ならば、ジュン君がいたが、ジュン君は、私をクルマで、はねて、今は、拘置所の中にいる…

 それを、知っている、ナオキが、いわば、男気を発揮して、私の面倒を見てくれているのだ…

 私は、そんなことを、考えた…

 「…つまり、マミさんは、私の家に偵察にやって来るってこと?…」

 「…その通り…」

 「…だったら、土曜日は、当然、家にいられないわね…」

 「…いや、土曜日だけじゃない…」

 ナオキが、即答した…

 「…どういうこと?…」

 「…今度の土日と言ったのは、フェイクの可能性も高い…わざと、土日と指定して、実際は、その他の曜日…例えば、金曜日にやって来ても、おかしくはない…特定の曜日を指定すれば、その日だけは、ボクは、この家には、いないが、普段は、いる…それを狙っているのかもしれない…」

 「…じゃ、どうすればいい?…」

 「…当面は、ボクが、この家に近付かないのが、一番だろう…なにしろ、綾乃さんが、病み上がりで、家から、一歩も出ないことは、マミさんも、わかっていると思う…だから、土曜日に限らず、いつ、やって来ても、おかしくない…」

 「…」

 「…マミさんは、諏訪野伸明さんの腹違いの妹…腹違いとはいえ、兄と結婚するかもしれない女が、別の男と同居している事実がわかれば、いい気分なわけはない…」

 「…」

 「…でも、もしかしたら、それが、目的かもしれない…」

 「…どういうこと?…」

 「…すでに、綾乃さんとボクが、同居しているのを知って、わざと、今度、自宅に、退院祝いに伺うといったかもしれない…そうすることで、自分が、綾乃さんが、ひとり暮らしをしていることを、疑っていると、匂わすことができる…」

 「…そんなこと…いくらなんでも、深読みのし過ぎじゃ…」

 「…たしかに、深読みのし過ぎかもしれない…ただ、大げさにいえば、綾乃さんは、五井家に監視されてるかもしれない…」

 「…どうして、監視されてるの?…」

 「…諏訪野伸明さんと結婚するかもしれないことは、混乱する五井家にとって、綾乃さんは、嫌でも注目せざるを得ない…」

 「…」

 「…反目する五井家の中にあって、敵、味方、双方が、注目せざるを得ない…」

 当たり前のことだった…


 そして、ナオキは、次の日から、私の家にやって来なくなった…

 元々、ナオキは、別に家を持っている…

 だから、そこへ、帰ればいいだけの話だった…

 ただ、ナオキの家と、私の家は、距離が遠い…

 離れている…

 だから、私になにか、あっても、すぐにナオキがやって来ることはできない…

 この点が、不安だった…

 だから、なにか、あったときは、すぐに、スマホで、連絡して欲しいと、ナオキが、私に念を押した…

 そして、別れた…

 また、ナオキの勘は、当たった…

 諏訪野マミがやって来たのは、約束の土曜日ではなく、前日の金曜日だった…

 しかも、事前の連絡はなし…

 いきなり、電話あって、

 「…今、近くまで、来ているんだけど、これから、伺っていい…」

 と、聞かれた…

 私は、驚いたが、同時に、笑いだしそうになった…

 まさか、ナオキが言ったことが、現実になるとは、思わなかった…

 ナオキの予想が、面白いように当たった…

 私は、笑いを必死に噛み殺しながら、

 「…いいですよ…いつも家にいますから…」

 と、答えた…

 「…寿さん、一人?…」

 「…当たり前じゃないですか? 他に誰がいると思ってるんですか?…」

 「…そうよね…」

 諏訪野マミが、言った…

 が、

 どうにも、奥歯に物が挟まったように、ぎこちない…

 あるいは、

 私に、そう聞こえただけかもしれない…

 諏訪野マミが、いきなりやって来ることが、予想できなかった場合は、違ったが、やはりというか、藤原ナオキの予想通り、事前に、指定した日と、違う日にやって来たことで、彼女の目的というか、事前に、私が、本当に、一人暮らしなのか、探りに、来たと思ったのだ…

 だから、彼女の言葉が素直に取れなかった…

 と、そこまで、考えて、どうして、諏訪野マミが、私の住所を知っているか、疑問に思った…

 「…マミさん…私の住所、わかるんですか?…」

 「…当たり前よ…伸明さんに、聞いてるから…スマホで、調べれば、すぐにわかった…」

 これも、当たり前だった…

 「…じゃ、ちょっと、待ってて…すぐに、伺うから…」

 電話が切れた…

 そして、ほどなく、マンションの一階にある、モニターに、諏訪野マミの姿が映った…
 
 すると目の前に、モニター越しに、諏訪野マミの小柄なカラダが現れたが、その横に、長身の男の姿があった…

 これは、驚いた…

 当然、諏訪野マミが、一人で、やって来ていると、思ったからだ…

 私は、その長身の男に顔に見覚えがあった…

 それは、冬馬…

 菊池冬馬の顔だった…

 私は、文字通り、仰天した…

 まさか、菊池冬馬が、やって来るとは、思わなかった…

 「…マミさん…これは?…」

 と、モニター越しに、絶句して、告げた…

 「…ゴメン…冬馬が、どうしても、寿さんに、会いたいって…」

 「…私に?…」

 言いながら、ちょっと、考え込んだ…

 慌てて、

 「…マミさん…家の中に、男とのひとを入れるのは、嫌なので、外で、会いましょう…」

 と、告げた…

 「…外?…」

 と、モニターの向こうから、諏訪野マミの声…

 「…近くのファミレスでも、なんでもいいから、外の店で…」

 私の言葉に、

 「…」

 と、反応は、なかった…

 少し間があった…

 「…それは、そうね…独身の女の家に、見知らぬ男を入れるわけには、いかないわね…そこまで、考えなくて、申し訳ない…」

 諏訪野マミが、謝った…

 「…ちょっと、待ってください…身支度を整えて、下に降ります…」

 私は、諏訪野マミに告げた…

 そして、その通りにした…

 身支度もそうだが、まさか、いきなり、部屋を留守にするとは、思わなかったので、とりあえず、部屋を点検して、下に降りた…

 下には、モニターで、見た通り、諏訪野マミと菊池冬馬が待っていた…

 「…マミさん…お久しぶりです…冬馬さん、こんにちは…」

 私が、二人に挨拶した…

 そして、二人に、挨拶しながら、こんなことなら、ナオキに家にいてもらっても、よかったと、思い直した…

 相手は、諏訪野マミ一人だけじゃない…

 冬馬を連れている…

 だから、家に入れない…

 それが、最初から、わかっていれば、わざわざ、ナオキに家を出て行ってもらうことはなかった…

 そして、むしろ、諏訪野マミが、菊池冬馬を連れてきてくれたことに、感謝した…

 諏訪野マミ一人なら、家に入れた可能性が高い…

 いや、

 可能性どころか、間違いなく、入れただろう…

 すると、どうしても、女はあら捜しをする(苦笑)…

 男の場合は、あまりないが、どんな家に住み、どんな家具を揃え、どんな電気製品が置いてあるか、など、調査するというか…

 観察するというか(苦笑)…

 また一番は、男の影…

 ちょっとしたことで、同居する男がいないか、どうか、調べる…

 たとえば、男性用化粧品は置いてないかとか…

 男性用の髭剃りはないかとか?

 そういったものを見つけることで、女は、同居する男の影を見つけるものだ(苦笑)…

 
 いわば、身近な身辺調査(笑)…

私は、諏訪野マミは好きだが、それとこれとは、話が別…

 いかに、親しくとも、知られたくないことは、誰でもある…

 まして、諏訪野マミは、知り合って、どれほど、経たない…

 また、本当は、どんな人間かも知らない…

 互いに話せば、話しやすく、五井家の人間の中で、一番気が合うが、それだけだった…

 辛辣な言い方をすれば、どこまで信用していいか、わからない存在だった…

 それが、私にとっての諏訪野マミの評価だった…

 藤原ナオキとは、違う…

 男と女との違いがあるとはいえ、藤原ナオキとは、違った…

 私にとって、藤原ナオキは、以前は、公私ともに人生のパートナーであり、もっとも、信頼できる人間だった…

 現実に、藤原ナオキは、私の病院の入院費も出してくれ、そして、今、私が一人暮らしをすることを心配してくれている…

 藤原ナオキも諏訪野マミも、正直、私とウマが合ったが、根本的には、雲泥の差だった…

 それは、二人への信頼の差だった

 私は、思った…

 そして、同時に、むしろ、諏訪野マミが、菊池冬馬を連れてきたのは、好都合だと気付いた…

 なにしろ、部屋に入れない口実ができたのだ…

 冷静に考えれば、好都合だった…

 「…どこか、近くのお店で、話しましょう…」

 私は、言って、三人で、歩き出した…


 「…寿さん…ゴメン…」

 店の席に着くなり、諏訪野マミが、私に向かって、頭を下げた…

 「…冬馬をいきなり連れてきちゃって…」

 「…いいんですよ…頭を上げて下さい…」

 私は、言った…

 それでも、諏訪野マミは、頭を上げなかった…

 「…本当に、ごめんなさい…」

 そう言ってから、頭を上げた…

 私としては、むしろ、諏訪野マミを家に入れない口実ができて、正解だった…

 良かったと、思った…

 が、

 さすがに、それを口にすることはできない…
 
 だから、

 「…マミさんが、冬馬さんと親しいと以前、おっしゃってたことを、忘れてました…」

 と、言った…

 「…だから、冬馬さんといっしょにいても、今は、驚きません…」

 当たり前のことだった…

 冬馬は、私と諏訪野マミとのやりとりを隣で、見ているだけで、仏頂面だった…

 いつもの険のある目で、冷ややかに、私と、諏訪野マミのやり取りと、見ていた…
 
 すると、諏訪野マミが、

 「…冬馬…アンタも、寿さんに、謝りなさい…わざわざ、寿さんが、会ってくれたんだから…」
 
 と、冬馬に告げた…

 だから、冬馬は、渋々、

 「…今日は、申し訳ありませんでした…」

 と、言って、私に頭を下げた…

 形だけ…

 誰が見ても、形だけ、頭を下げただけだった…

 まったくもって、心がこもっていない…

 しかし、それが、この菊池冬馬という人間だと思っているから、怒りもなかった…

 私にとっては、最低の人間…

 箸にも棒にも掛からぬ人間の典型だった…

 ただの金持ちのお坊ちゃまに過ぎなかった…

 だから、私も、冬馬に、ウンともスンとも、答えなかった…

 あえて、なにも、言わなかった…

 とにかく、冬馬が気にいらないのだ…

 あえて、無視したいが、私もすでに32歳の大人だ…

 だから、さすがに、それは、できなかった…

 「…それで、今日は…」

 私が、口を開いた…

 諏訪野マミは、私の退院祝いという名目がある…

 しかしながら、冬馬には、なにもない…

 一体、私に、どんな用事が、あるのだろう?

 疑問だった…

 そんなことを、考えていると、諏訪野マミが、

 「…ハイ…これ、退院祝い…」

 と、封筒を、目の前に、出した…

 …封筒?…

 …なんで、退院祝いが、封筒なんだろ?…

 訝った…

 一体、なにが、入っているんだろ?

 私が、考えていると、

 「…中に、入っているのは、小切手…」

 と、いきなり、諏訪野マミが、言った…

 「…小切手?…ですか?…」

 思わず、私は、間の抜けた返事をした…

 小切手をもらうなんて、まったくもって、想定外だったからだ…

 …小切手というのは、お金?…

 …一体、いくらなんだろう?…

 しかし、いくらなんでも、退院祝いが、小切手とは?

 ちょっと、驚いた…

 お金持ちの退院祝いというのは、こういうものなんだろうか?

 考えた…

 すると、

 「…中身は、一億…」

 と、いきなり、諏訪野マミが言った…

 「…一億?…」

 思わず、声を上げた…

 ウソォ?

 そんな大金?

 まさか、退院祝いが、一億円なんて?

 ぶっ飛びすぎてる!

 これが、本物のお金持ちなんだろうか?

 私は、思った…

 「…冗談? 冗談…ですよね?…」

 私は、念を押して、確かめた…

 当たり前のことだ…

 いくらなんでも、退院祝いが一億円なんて、正気の沙汰じゃない…

 が、

 諏訪野マミは、無言で、首を横に振った…

 「…冗談じゃないわ…」

 真剣な表情だった…

 「…ただし、これは、退院祝いじゃない…」

 「…退院祝いじゃない? だったら、なんなんですか?…」

 「…手切れ金…この一億円で、伸明さんと、別れて欲しいの…」

 諏訪野マミが、真剣な表情で、続けた…

                

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