第61話

文字数 7,425文字

 それから、三日…

 私は、寝込んだ…

 微熱が続いていたのだ…

 ナオキは、

 「…鬼の霍乱(かくらん)だ…」

 と、私を、冷やかした…

 本当は、私が、癌で、体調が、悪く、無理をして、五井記念病院に菊池冬馬を見舞いに行った結果、こうなったのは、わかっているが、わざと、

 「…鬼の霍乱(かくらん)…」

 と、言って、冷やかしたのだ…

 あくまで、私を、普通の体調の人間のように、扱う…

 ナオキの優しさだった…

 が、

 ことによると、そんなナオキの行動は、他人に、誤解される…

 私が、病人にも、かかわらず、なんてことを言うひと、と、誤解される…

 デリカシーのかけらもない男と、非難されるかもしれない…

 そして、その非難は、当然だが、それは、ナオキを知らないひとだから、そう思うのだ…

 私のように、長年、ナオキと知り合っていれば、それは、ナオキの優しさだと気付く…

 ナオキが、私を病人扱いしないことで、私から、病気を忘れさせる狙いだと、気付く…

 だから、言葉は、凄く、難しいと思う…

 いや、

 言葉だけではない…

 行動は、凄く難しいと、思う…

 私とナオキだから、互いにわかりあえる言葉というものがある…

 他人が聞けば、なんていうひと!と、眉をひそめる言動も、私とナオキの間では、別の意味に取れる…

 そういうことだ…

 そして、こんなことは、私とナオキの間だけではない…

 長年、付き合っている、カップルや、夫婦の間でも、同じだろう…

 第三者である、他人が聞けば、なんてことを! と、怒ることも、カップルや、夫婦の間では、別の意味に取る…

 そういうことだ…

 が、

 それを、考えれば、私とナオキの間は、つくづく、熟年夫婦に近いものがあると、思う…

 仮に、ナオキに、新しく、好きなひとができたと、聞けば、

 「…私も応援する…」

 と、私も、言い出しかねない(笑)…

 それは、もはや、カップルではなく、家族になっているから…

 好きなひとがいれば、応援するから、頑張りなさい、と、尻を押しかねない…

 エールを送りかねない…

 それは、すでに、恋人ではなく、家族になっているから…

 自分の家族である、兄や妹が、恋をしていると、聞けば、家族として、応援する…

 もはや、そんな感覚だ…

 また、それは、すでに、ナオキと私が、セックスレスの関係になっていることも、大きいだろう…

 私とナオキに限らず、十年以上、いっしょにいるカップルで、定期的に、セックスをするカップルは、もはや、日本には、いないのではないか?

 ときどき、ネットで、パートナーとのセックスの頻度という調査を見ると、それを強く感じる…

 誰もが、出会って、最初のうちは、そんなことを続けるが、じきに飽きる…

 それは、ゲームでも、セックスでも同じだろう…

 どんなことでも、同じことを、やり続けるのは、飽きる…

 そして、ゲームでも、違うゲーム…

 セックスでも、違う相手となれば、やり続けることはできる…

 が、

 それも、つかの間というか…

 いずれ、飽きる…

 それが、大多数の普通の人間だろう…

 どんなことでも、同じことを続けるのは、飽きる…

 私とナオキの関係でいえば、恋人でいる時間は、とうの昔に終わった…

 今は、熟年夫婦…

 家族として、寄り添っている…

 だから、ナオキは、私が、諏訪野伸明と結婚するとしても、見守ってくれる…

 姉や妹が、結婚するように、見守ってくれる…

 そういうことだろう…

 私は、微熱に悩まされ、ベッドの上で、うたた寝をしながら、つくづく、そんなことを、考えた…

 いや、

 過去に何度も、考え続けたことだ…

 それが、今になって、微熱と共に、何度も蘇ったというか…

 ことによると、それは、私が、ナオキに抱く罪悪感かもしれないと、気付いた…

 藤原ナオキは、私の恩人…

 間違いなく、恩人…

 大恩人だった…

 当初は、赤貧の私、寿綾乃が、まだ無名の藤原ナオキといっしょに、FK興産を立ち上げたときに、苦労をした仲間だった…

 同志だった…

 が、

 それを恩着せがましく、ナオキに言うことはできない…

 なぜなら、私は、十分に、ナオキから、報酬は、もらっているからだ…

 いや、

 十分どころではなく、もらっているからだ…

 だから、大恩人だった…

 月々の給与も秘書として、異例だったし、なにより、この億ションに、ただで、住まわせてもらっている…

 つまりは、藤原ナオキと出会わければ、今の私はない…

 すでに、何度も説明したことだが、私は、無名時代の藤原ナオキと知り合い、男女の関係になり、ほどなく、妻のユリコが、家を出て行った…

 結果、私は、ユリコと入れ替わりに、ナオキの家に入った…

 が、

 それは、ユリコの息子、ジュン君の面倒をみることも、含まれていた…

 仕事で、忙しいナオキに子育ては無理…

 できない…

 私は、ユリコの代わりに、公私に渡って、藤原ナオキの面倒を見た…

 公とは、会社で、ナオキを助け、私とは、家庭で、ナオキや、ジュン君の面倒をみたということだ…

 最初は、貧しかったナオキだが、まるで、階段を駆け上がるように、瞬く間に、出世した…

 会社が、飛躍的に、大きくなったからだ…

 それにつれて、住む家が、格段に向上した…
 
 安アパートから、洒落たマンションになり、最後は、今の億ションとなった…

 まるで、絵に描いたような成功物語…

 私は絵に描いたような藤原ナオキの成功物語に、寄り添ったわけだ…

 その間、ナオキは、プライベートで、あっちの女、こっちの女と、渡り歩き、そのたびに、食い物にされてきた…

 ナオキ自身、女好きであり、あっちの女、こっちの女と、さまざまな女と関係したし、それをまた、女たちに見抜かれ、食い物にされた…

 ある意味、どっちもどっちの結末だった(笑)…

 ただ、その間に、ナオキは、家を出て行き、私は、ジュン君と二人だけで、暮らす羽目になった…

 だから、今、ナオキと二人だけで、暮らすのは、初めての経験だった…

 知り合って、十数年、初めて、ナオキと二人だけで、暮らした…

 ジュン君が、拘置所にいるからだ…

 しかしながら、もはや、トキメキはない(苦笑)…

 実態は、まるで、熟年夫婦…

 酸いも甘いも嚙み分けた、熟年夫婦に近かった…

 だから、私は、ナオキが、他に女を作っても、納得できるし、ナオキも、私が、諏訪野伸明と結婚しても納得できる…

 私は、心の底から、そう思っているし、それは、ナオキもまた、同じだと思っていた…

 が、

 もしかしたら、それは、違うかもしれない…

 私の一方的な思い込み…

 願望に過ぎないのかもしれない…

 それに、気付いた…

 自分でも無意識のうちに、そう信じ込んでいただけなのかもしれない…

 それは、ある意味、罪悪感…

 藤原ナオキに、こんなにまで、世話になっているにも、かかわらず、ナオキを裏切るのか?

 そんな罪悪感が、心のどこかにあり、それを無意識のうちに、回避するために、自分でも、知らず、知らず、

 …私とナオキは、熟年夫婦と、同じ…

 と、自分自身に信じ込ませようとしていたのかもしれない…

 それが、この三日、微熱が、続いて、ベッドの上で、うたた寝していて、もしかしたら、それは、一方的な私の思い込み…

 私が無意識のうちに、ナオキを裏切っている…

 そう思いたくない心が、無意識のうちに、自分を守るように、ナオキと、私は、熟年夫婦と、信じ込んでいたのかもしれない…

 本当に、私と同じように、ナオキが、考えているかどうかは、わからない…

 ナオキに直接聞いても、わからないだろう…

 なぜなら、ナオキが、本当のことを言うか、どうかは、わからないからだ…

 私に気を使って、ウソを言うかもしれないし、またナオキ自身、私が、諏訪野伸明と結婚して、気付くこともある…

 ナオキもまた、私と同じように、熟年夫婦と思い込んでいたが、私がナオキの元を去り、いなくなって、初めて、私の存在の大きさに気付くこともある…

 そういうことだ…

 自己評価が、大きすぎると思うかもしれないが、そういった例は、世間にありふれている…

 結婚はしないで、恋人同士のまま、数年過ぎ、男女とも、別の異性と結婚する…

 そうなって、初めて、

 …こんなはずじゃなかった…

 …あっちの方が、良かった…

 と、悔やむ人間は、あまたいるだろう…

 それと似ている…

 要するに、いなくなって、初めて、その価値に気付くということだ…

 誰でも、なくなって、初めて、気付くことがある…

 子供の頃で、いえば、学校を、転校や、進学をして、友達が変わることで、以前の友達に会えなくなり、その価値に気付くことがある…

 学校が変わって、以前のように、親しい友達が、できなければ、当たり前だが、以前が、懐かしくなる…

 そういうことだ…

 大切なおもちゃでも、本でも、フィギュアでも同じ…

 なくして、初めて、その価値に気付く…

 二度と手に入らないからだ…

 容易に手に入るようならば、金さえあれば、買える…

 金で、買えないから、困るのだ…

 金で、買えないから、価値があるのだ…

 私は、そんなことを、考えた…


 諏訪野和子から、連絡があったのは、それから、まもなくだった…

 私が、ようやく、体調が、回復して、なんとか、なってきた…

 そう自覚したときに、連絡があった…

 私のスマホのベルが鳴り、私が、出ると、
高齢の女性の落ち着いた声が、聞こえてきた…

 「…寿さんですか?…」

 「…ハイ…そうですが…」

 「…諏訪野…諏訪野和子と申します…菊池リンの祖母の…お久しぶりです…」

 私は、驚いた…

 まさか、諏訪野和子から、連絡が来るとは、思わなかった…

 諏訪野和子は、五井家当主、伸明の母、昭子の一卵性双生児の妹…

 一度、菊池リンの家で、以前、会っただけだが、まさに、女丈夫というか…

 肝の据わった女だった…

 外見は、伸明の母、昭子と同じ…

 そっくりだ…

 一卵性双生児だから、無理もない…

 ただ、昭子と比べたときは、昭子の方が、和子よりも、もっと、しっかりしている印象だった…

 和子も、初めて、会ったときは、堂々とした、女丈夫だと、思ったが、昭子の方が、上だった…

 やはり、これも、姉妹だから、姉の方が、上なのかもしれない…

 私は、そんなことを、思いながら、

 「…こちらこそ、ご無沙汰しています…」

 と、返事をした…

 そして、

 …一体、なんの用だろう?…

 と、思った…

 失礼ながら、和子が、私に電話をかけてくる意図が、読めなかった…

 いや、

 意図は、一つだけ、あったのかもしれない…

 孫のリン…

 菊池リンのことだ…

 私は、今、菊池リンと、伸明さんを巡って争っている…

 だから、私に連絡をして、私から、伸明さんのことは、諦めて欲しい…

 そんな頼み事をするのではないか?

 私は、ふと、気付いた…

 そして、そんなことを、考えていると、

 「…ホント…随分、久しぶりですね…」

 と、和子が言った…

 「…でも、私のような年寄りだと、寿さんに会ったのが、つい昨日のことのように、感じるわ…」

 たしかに、私は、菊池リンの家で、この和子と会った…

 それは、大げさに、言えば、恐怖だった…

 物腰は、柔らかく、丁寧で、いかにも、お金持ちの婦人…

 だが、底知れない迫力というか…

 私など、及びもしない、能力の持ち主だと思った…

 人間の器というか…

 持って生まれた能力が、違うと、一目見て、わかった…

 後で、伸明の母である、昭子と会ってみたときは、昭子が、和子以上に、堂々としていて、驚いたが、それは、和子と比べたから…

 初めて、和子と会ったときは、その存在感に圧倒された…

 そして、大げさに言えば、それこそが、五井なのかもしれなかった…

 五井、400年の歴史を体現しているのかも、しれなかった…

 私は、今、和子と電話で話しながら、それを思い出した…

 すると、

 「…当然の電話で、戸惑っているようね…」

 と、声がした…

 私は、

 「…いえ…」

 と、短く答えたが、その通りだったので、それ以上は、言わなかった…

 「…一度、寿さんにお会いしたいんですが…」

 と、和子が言った…

 予想通りの言葉だった…

 まさか、電話がかかってきて、

 「…寿さん…元気?…」

 で、終わるはずがない(笑)…

 当然、会いたいと、言ってくるのは、わかっていた…

 だから、驚かなかった…

 ただ、やはり、今は、マズい…

 体調が、回復したばかり…

 例えば、今日や明日は、マズい…

 一週間とは、言わないが、三日、四日は、待って欲しい…

 そう思った…

 だから、

 「…お会いするのは、構いませんが、数日、待って頂けないでしょうか?…」

 と、言った…

 「…数日? …ですか?…」

 「…ハイ…実は、ここ数日、微熱が続いて、寝込んでまして…」

 私が、説明すると、

 「…それは、申し訳ありません…マミが、寿さんを、無理に病院に誘って、体調が悪化したとか…」

 知っていた…

 とっさに、思った…

 当たり前だが、私に電話をかける前に、事前に、諏訪野マミから、私を、冬馬に会わせるために、一芝居打って、五井記念病院に、行かせたことを、聞いたのであろう…

 また、諏訪野マミは、同居するナオキから、電話を受けて、私が、あの後、体調が悪化したのを知った…

 だから、マミ経由で、知っていた…

 そういうことだろう…

 だからこそ、このタイミングで、電話をしてきた…

 そう、気付いた…

 私が、体調を崩して、数日が過ぎ、体調が、それなりに回復したと、判断したのだろう…

 だから、今日、電話をしてきた…

 そう、気付いた…

 すると、

 「…寿さんの都合のよい日で、構いませんので、一度お会いできませんか?…」

 と、再び、声が聞こえてきた…

 私は、断る理由がなかった…

 また、

 断ることもできなかった…

 だから、

 「…わかりました…では、来週にでも…こちらから、必ず、ご連絡しますので…」

 と、答えると、

 「…わかりました…寿さんの都合の良い日で、お願いします…」

 と、言って、電話が切れた…

 私は、電話が、終わると、しばし、ボーッとした…

 放心状態だったといっていい…

 …まさか?…

 …まさか、あの和子から、電話があるとは、思っても、みなかった…

 あの菊池リンの祖母の和子から、電話があるとは、夢にも、思って見なかった…

 が、

 そうではない…

 来るべきものが、来た…

 そう、考えを変えた…

 なぜなら、菊池リン、菊池冬馬…この二人の関係に、もっとも、縁の深い人間が、ほかならぬ和子なのだ…

 なにより、菊池リンの祖母…

 伸明と結婚するかもしれない、菊池リンの祖母…

 そして、菊池冬馬いわく、冬馬を溺愛する、叔母だった…

 姉の昭子が、冬馬を毛嫌いするのと、対照的に、冬馬を、可愛がっていた…

 なにより、五井家を追放された冬馬を、孫の菊池リンと結婚させて、五井家に復帰させるという離れ業をやってのけた人物だ…

 通常、誰もが考え付かないことを、発案する人物…

 その人物が、私に会いたいという…

 なにか、ないわけがなかった…

 おそらく、五井家の根幹に関わるものではないか?

 私は、直観した…


 結局、数日後、近くのファミレスで、和子と、会った…

 本当は、もっと、ちゃんとした場所…

 例えば、格式の高い日本料理店や、料亭などで、会わなければ、失礼…

 礼を欠くと、考えた…

 しかしながら、自分の体調を考えると、それは、無理…

 できなかった…

 先週、諏訪野マミに呼び出され、五井記念病院に行っただけで、グタッとして、体力を消耗してしまった…

 まだ、退院したばかり…

 とてもではないが、以前のように、普通の生活はできない…

 だから、本当は、和子を自宅に招くか、あるいは、今回のように、自宅近くのどこかの店で、会うしかなかった…

 それゆえ、近所のファミレスで会った…

 ここが、自宅近くで、誰とでも、気軽に会える場所だったからだ…

 「…このような場所に、わざわざ、お越し頂き、申し訳ありません…」

 私は、開口一番、和子に詫びた…

 和子は、一人で、来ていた…

 大方、店の駐車場に、運転手付きの、高級車が、停まっているのだろう…

 私は、考えた…

 まさか、七十代と、高齢の五井家の人間が、ひとりで、やって来たとは、思えないからだ…

 「…いえ、こちらこそ、カラダがまだ、回復していないにも、かかわらず、お会いしたいなんて、無理を言って、すいません…」

 和子が、丁寧に詫びた…

 私は、

 「…とんでもありません…」

 と、言うしかなかった…

 それ以外に、言葉が見つからなかった…

 「…私風情のために、わざわざ…」

 私が言うと、

 「…それを言えば、私も同じです…」

 「…同じ? …なにが、同じなんですか?…」

 「…今、寿さんが、おっしゃった、私風情という言葉…私もまた、五井家の人間に、生まれなければ、大した人間じゃなかった…ただ、お金持ちの家に生まれただけ…」

 「…」

 「…ただ、運がいい…その運の良さで、ここまで、生きてきただけです…」

 そう言って、和子が笑った…

 そして、それは、ウソだった…

 言葉通りでは、なかった…

 金持ちの家に生まれたのは、運がいいことなのかもしれなかった…

 が、

 金持ちに家に生まれれば、生まれるで、当然、苦労する…

 例えば、金持ちは、頭がいいのが、大半…

 両親だけでなく、周囲の親戚も、頭がいいのが、多い…

 先祖が、頭がいいから、社会で、成功したからだ…

 その先祖の血を受け継いできたから、当然、大半が、頭がいい…

 皆、東大を始め、有名大学を卒業している…

 だから、自分も、有名大学に進学できなければ、周囲の人間に笑われる…

 つまりは、学業で、まずは、苦労する…

 生まれつき、頭が、良ければいいが、稀にそうでない者もいる…

 そういった人間が、金持ちの家に生まれれば、大変だ…

 下手をすれば、自分だけ、除け者にされかねない…

 私は、以前、そんな話を聞いたことがある…

 つまりは、金持ちに生まれれば、金持ちの苦労がある…

 私は、和子の話を聞いて、今、それを思い出した…

 が、

 さすがに、それを、ここで言うことは、できない…

 私は、ただ頭を下げて、席に着いた…

 すると、

 「…寿さん…」

 と、和子が声をかけた…

 「…なんでしょうか?…」

 「…アナタ…五井家の人間になりたいの?…」

 単刀直入な質問だった…

                
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