第55話

文字数 7,585文字

 …冬馬が、伸明に憧れている…

 これは、わかる…

 なんといっても、伸明は、五井家の当主…

 五井家のトップだ…

 その伸明に、分家の冬馬が、憧れるのは、自然…

 本当は、自分も、伸明のように、本家のトップになりたかった…

 そう考えるのは、すごく自然なことだ…

 だから、その伸明と交際している、私に憧れるというのは…

 冷静に考えれば、わかるような、わからないような…

 微妙な感じだった(笑)…

 モヤモヤした感じだった(笑)…

 いくら、伸明に憧れていても、その伸明と交際する私に、憧れるものだろうか?

 少なくとも、私は、憧れない(笑)…

 自分が憧れるアイドルが、誰と付き合っていると、わかっても、自分は、その人間に憧れない…

 それは、やはり、アイドルだからだろうか?

 テレビやネットの向こう側で、見るだけの人間だからだろうか?

 実際に、身近に接する人間でないからだろうか?

 私は、考える…

 私は、身近で、憧れた人間は、皆無…

 誰もいない…

 これは、正直、私の身近に、誰もが、憧れるいい男や女がいなかったか…

 あるいは、

 私自身が、他人に憧れない…

 究極のところ、自分自身にしか、興味のない人間だからかもしれない…

 私は、考える…

 自分のことしか、興味がない…

 自分しか、興味を持てない人間だから、他人に憧れない…

 そういうことだ…

 現実に、藤原ナオキは無名時代から、長身のイケメンだったが、私は、ナオキのルックスに憧れたことは、一度もない…

 私が、羨望したのは、ナオキの才能だった…

 後に、FK興産の社長として、成功する、藤原ナオキの才能=才覚だった…

 しかしながら、矛盾するようだが、ナオキのルックスに心惹かれたのも、事実…

 疑いようがない…

 やはり、ナオキが、いかに才能があろうとも、貧相なルックスでは、心惹かれなかったかもしれない…

 これは、ナオキが、例えば、作家とか、漫画家とか、自身が表に出ない職業で、成功を目指すのならばいい…

 自宅や職場で引きこもって、仕事をするのなら、いい…

 しかし、ナオキは、会社の社長だった…

 表に出る仕事だった…

 誰もが、接する人間だった…

 他人と接する以上、ルックスは、大事…

 初対面の印象は、ルックスが大きく左右するからだ…

 美男美女であれば、なおさらいい…

 相手に好印象を与えることができる…

 言葉は悪いが、初対面で、相手の心を鷲掴みにすることができるからだ…

 つまりは、ルックスもまた才能のひとつということだ(笑)…

 だから、厳密に言えば、私は、藤原ナオキのルックスを含めた、才能に、惹かれたということだ(笑)…

 そこまで、考えたとき、

 「…冬馬は、伸明さんが好き…それは、伸明さんが、五井家内で、数少ない冬馬の味方だから…」

 と、スマホの向こう側から、諏訪野マミの声が漏れてきた…

 「…味方?…」

 「…そう…冬馬にとっては、数少ない味方…冬馬は、あの険のある目だから、誰からも好かれない…昭子さんにもね…でも、伸明さんは、子供の頃から、冬馬を見知ってるから、冬馬に優しい…だから、冬馬も、伸明さんには、心を開くと言うか…」

 「…」

 「…だから、冬馬も伸明さんを好き…誰でも、自分を好きな人間は、好きになるというか…その伸明さんが、好きな、寿さんだから、冬馬も、寿さんに、興味を持ったというのが、本当のところかな…」

 諏訪野マミが、説明する…

 そう言われれば、わかる…

 そう説明されれば、わかる…

 自分が好きな人間が、好きな人間となれば、誰もが、興味が湧く…

 一体、どんな人間なんだろうと、興味が湧く…

 そういうことだ…

 だから、究極的には、私を好きとか嫌いとか、いうのではなく、自分が、好きな、伸明が、付き合っているという、寿綾乃という女に、興味を持ったのだろう…

 それだけのことに過ぎないのではないか?

 マミさんが、いきなり、

 「…冬馬は、寿さんを好き…」

 なんて、言うものだから、焦ったが、単純に、自分が好きな伸明が、好きな女は、どんな女か、興味を持ったに過ぎないのではないか?

 そう思った…

 そう思ったときだった…

 「…寿さん…やっぱり、冬馬の見舞いはダメかな…」

 と、遠慮がちに、聞いてきた…

 だが、どうして、冬馬が、私に興味を持ったのか、わかったから、

 「…いいですよ…」

 と、今度は、言った…

 「…ほ、本当?…」

 スマホの向こう側で、マミが、嬉しそうに、言う…

 「…本当です…マミさんに、そこまで、言われたら、断れませんよ…」

 「…ゴメン…寿さん…ホントにゴメンなさい…」

 マミが、ことのほか、低姿勢で、私に、詫びた…

 「…この前は、伸明さんとの結婚を、寿さんから、断ってくれと、言って、今度は、冬馬の見舞いに行ってくれだなんて、自分勝手なことばかり、寿さんに、頼んで…」

 「…別に、いいですよ…マミさんだって、好きで、やっているわけじゃないでしょ…ひとに頼まれてのことでしょうし…」

 「…」

 「…それに、伸明さんが、冬馬さんを好きならば、私も、冬馬さんを、好きにならなくちゃいけませんから…」

 私が、言うと、やはり、マミは、それにも、

 「…」

 と、無言だった…

 「…とにかく、寿さん…冬馬の見舞いに、来てくれることに、同意してくれて、ありがとう…見舞いの日がわかれば、また連絡する…今日は、ありがとう…」

 そう言って、マミは、電話を切った…

 私は、スマホを握りしめたまま、しばし、呆然とした…

 冬馬が、自殺未遂を起こしたことも、驚きだが、それを、伸明に伝えて、ほどなく、マミさんから電話があり、冬馬を見舞いに行くことになった…

 冬馬の自殺の報道を、偶然、テレビで見て、まだ、一時間、ちょっと…

 言葉を変えれば、一時間ちょっとの間で、事態が、急転したというか…

 少し前までは、考えられない展開だった…

 なにより、諏訪野マミとの会話で、あの菊池リンが、佐藤ナナをライバル視していることに、驚いた…

 が、

 言われてみれば、当たり前のことだった…

 あの二人は、似ている…

 互いの存在を知れば、意識する存在…

 誰でも、そうだが、自分と似たひとがいると、誰かに教えられれば、会って見たくなるのが、人情だ…

 たとえ、物陰とか、相手が気付かない場所からでも、一目見たいと思う人間が、大半だ…

 だから、もしかしたら、お互いに、どこかで、お互いを、見た可能性がある…

 いや、

 可能性ではない…

 スマホでいいから、互いの姿が写った写真を見た可能性が高い…

 そして、互いに、ライバル心を燃やした可能性が高い…

 直接、会わずとも、写真を見せられれば、互いに、似ていることに気付く…

 そして、互いに似ていることがわかれば、意識するのが、当然…

 年齢、姿形が似ている…

 だから、言葉は悪いが、ライバル…

 なぜなら、もし他人が、見れば、二人を比べて、

 「…どっちがいい?…」

 と、言いかねない…

 そんなことが、わかっているからこそ、余計に相手を意識するはずだ…

 そして、その結果、

 冬馬…

 菊池冬馬が、自殺未遂を起こすとは、思わなかった…

 まさに、想定外の事態だった…

 菊池リンが、佐藤ナナをライバル視する余り、冬馬との結婚を破棄して、伸明との結婚を夢見る…

 まさに、思ってもみない展開だった…

 しかも、その結果、諏訪野マミの言葉を借りれば、五井東家の存続が怪しくなったというか…

 冬馬の父、重方(しげかた)を追放して、代わりに、菊池リンを、五井東家の当主に据える…

 そうすれば、五井東家は、当主は、変わるが、存続する…

 そして、一度は、追放された冬馬を、菊池リンの夫として、五井家に復帰させる…

 おそらくは、父の重方(しげかた)と、違い、冬馬は、まだ若い…

 将来を考えて、五井家に、昭子は、冬馬を復帰させたに違いない…

 まだ若い冬馬は、人生が長い…

 やはり、冬馬の先行きが心配だったのだろう…

 五井家の人間として、生まれ、生きる…

 金持ちの家に、生まれ、育つ…

 それが、どういうことか、昭子は、身を持って知っている…

 そこを離れ、生きるのが、いかに、難しいか、身を持って知っているに違いない…

 誰もが、そうだが、いいところから、悪いところへは、いけない…

 お金持ちが、貧乏人の生活をすることはできない…

 年収一千万をもらっていた人間が、年収300万円の生活はできない…

 そういうことだ…

 実際にそのような目に遭う人間は、今の時代、数多くいるに違いないが、大げさにいえば、その生活に馴染むまで、血の滲むような苦労をするに違いない…

 生活レベルを下げるということは、誰もが、思う以上に、大変なことだからだ…

 私は、それを思った…

 そして、その夜、家に帰って来たナオキに、その日、あった出来事を話した…

 ナオキは、驚いた…

 菊池冬馬が、自殺未遂を起こしたのは、五井家うんぬんと、テレビやネットで、報道されたから、わかったが、詳細は、不明と言うか…

 よくわかってなかった(笑)…

 私は、五井家の詳細をナオキに話したことは、なかったし、ナオキも、また私に、そんなことは、聞かなかった…

 あえて、いえば、互いの領域というか…

 超えてはいけない線というか…

 要するに、互いのプライベートに干渉しないということだ(笑)…

 だから、私が、ナオキに、順を追って、アレコレ、五井家の話をすると、驚いた…

 文字通り、驚愕した…

 そして、その結果、出た言葉は、

 「…金持ちの家に生まれるのは、大変だな…」

 と、いう言葉だった…

 「…諏訪野さんにも、その周囲の人間にも、同情するよ…」

 「…同情?…」

 「…金持ちの家に生まれるのも、そうだけど、綾乃さんのように、美人に生まれるのも、同じ…周囲の反感を買う…」

 「…どういうこと?…」

 「…要するに、他人様よりも、抜きん出て、優れてるのは、周囲の反感を買いがちだ…美人でも、お金持ちでも、誰もが、羨むほど優れていると、それを妬む人間が、必ず、存在する…お金持ちや、美人の当人は、その人間になにもしなくても、勝手に、相手が、その美人や、金持ちを妬む…それが、人間さ…」

 「…」

 「…そして、今、綾乃さんの話を聞いていると、それは、お金持ちの内部でも同じ…五井家の内部でも、同じことが、起こっているって、わかった…」

 「…」

 「…五井家と言う、日本中に知られた名家の中でも、順列があり、地位がある…だから、お金持ちの間でも、競争があり、葛藤が、ある…下の者は、より上の地位を目指す…つくづく、ひとは、変わらないね…」

 ナオキが、笑った…

 「…諏訪野さんも大変だ…そんな一族をまとめなければ、ならない…つくづく、同情するよ…」

 私は、ナオキの言葉に、同意…

 激しく、同意した…

 「…でも、きっと、だから、諏訪野さんは、綾乃さんを、好きなんだと、思うよ…」

 いきなり、ナオキが、話を変えた…

 私は、驚いた…

 「…エッ? …どういうこと?…」

 「…きっと、諏訪野さんは、そんな一族の争いに、うんざりしているんだと思う…そんな中で、綾乃さんと出会った…綾乃さんは、ひとを押しのけたり、ひとを騙したりして、ひとを出し抜くような真似は、一切しない…だから、諏訪野さんは、そんな綾乃さんを見て、安心したんだと思う…」

 「…そんな…思い込みよ…私は、そんな人間じゃ…」

 「…綾乃さんが、自分をどう見ているかと、いうことと、他人が、綾乃さんを、どう見ているかと、いうことは、似ているようで、その実、結構違うものさ…」

 「…」

 「…昔、知り合いに言われたよ…」

 「…なにを言われたの?…」

 「…ほら、まだ、創業当時、一生懸命、会社を大きくしようと、悪戦苦闘していた…それを見て、当時、身近だった、ある女性が、アナタ、成功して、有名になって、女にモテるのを夢見ているんでしょ? と、ボクに、言ったんだ…」

 「…」

 「…ボクは、それを聞いて、すごく驚いた…実際、有名になったり、女にモテたりするのは、夢だけれども、当時は、とりあえず、自分の好きなことで、成功するのが、夢だった…それが、当時、身近にいた女性から、まさか、そんな言葉を言われるとは、思わなかった…」

 …ユリコのことだ…

 私は、直観した…

 名前は、出さすとも、今、ナオキが、言ったことは、ユリコに言われたに違いない…

 ユリコ…藤原ナオキの元の妻…

 間違いなく、有能な女性だった…

 そして、おそらく、ユリコは、自分の基準で、ナオキを見たに違いなかった…

 ユリコは、有能だが、ルックスが、イマイチだった…

 それゆえ、ナオキと結婚した…

 ナオキのルックスに憧れたのだ…

 ナオキは、才能もあるが、ルックスも良かった…

 おそらく、ユリコは、ナオキが、いくら才能があっても、ルックスが、イマイチでは、好きにならなかったのかもしれない…

 才気煥発なユリコは、自分のルックスが、コンプレックスだった…

 その才能とは、真逆な、平凡なルックス…

 それが、嫌で堪らなかった…

 それゆえ、ルックスの良い男に憧れた…

 若き日の藤原ナオキは、金は、なかったが、才能と、ルックスが、抜きん出ていた…

 いわば、成功する能力に溢れていた…

 成功する能力があれば、必ず成功するわけではないが、ナオキは、成功した…

 運にも恵まれた結果だった…

 いかに、才能に溢れていても、運に恵まれなければ、成功はしない…

 ナオキが、今、

 「…アナタ、成功して、有名になって、女にモテるのを夢見ているんでしょ?…」

 と、ユリコに言われたのは、ユリコが、夢見たことだから…

 おそらくユリコは、無意識に口にしたんだろうが、それが、ユリコの夢だったに違いない…

 ユリコが、もし、藤原ナオキのルックスと頭脳を持って、生まれれば、そう願う…

 その願望を口にしたのだろう…

 何度も言うが、ユリコは、頭脳明晰で、やり手の女だったが、ルックスが、ダメだった…

 それゆえ、ルックスの良い男にハマった…

 いわば、ないものねだり…

 自分にないものを、男に求めた結果だった…

 それゆえ、

 「…アナタ、成功して、有名になって、女にモテるのを夢見ているんでしょ?…」

 と、言ったのは、ユリコが、もし、男に生まれたら、そうしたかった…

 おおげさにいえば、ユリコの心の叫びだったに違いない…

 私が、そんなことを、考えてると、

 「…でも、もし、諏訪野さんを狙っているのが、今、綾乃さんが、言った女性ならば、綾乃さんは、安心していいと思うよ…」

 いきなり、ナオキが、言った…

 意味がわからなかった…

 「…どういうこと?…」

 「…諏訪野さんが、綾乃さんに惹かれたのは、上昇志向のなさだと、思う…」

 「…そんな、私だって、人並みな上昇志向は…」

 「…あるかもしれないけれども、ボクから見ても、綾乃さんは、それがない…ハングリー志向というか、他人を出し抜いてまで、というのがない…」

 「…」

 「…だから、もし、諏訪野さんを狙っているのが、綾乃さんが、今、言ったような人間ならば、諏訪野さんは、そんな女になびかないんじゃないかな…むしろ辟易するんじゃないかな…」

 もっともな言い分だった…

 諏訪野伸明は、一族の内紛にうんざりしている可能性が高い…

 それが、菊池リンにしろ、佐藤ナナにしろ、五井家当主夫人の座を狙って、自分に近付けば、うんざりする可能性が高い…

 いや、

 もっと言えば、一族の争いに、うんざりしているから、私を選んだのではないか?

 ふと、思った…

 五井一族は、抗争の歴史…

 これは、何度も、諏訪野伸明が、口にしている…

 ゆえに、その五井一族の中から、自分の伴侶を選ぶということは、うんざりだったのでは?

 ふと、気付いた…

 常に争いの中にいる、五井一族…

 だから、本当は、五井一族の中から、伴侶を選ばなければならないにも、かかわらず、それを拒否している…

 それが、真相なのではないだろうか?

 五井の歴史は、400年…

 創業者であるご先祖様から、すでに400年の時が経っている…

 だから、一族とは、いえ、血の繋がりが、他人のように薄い…

 それゆえ、一族間の結婚を奨励…

 そうしなければ、どんどん血の繋がりが薄くなる…

 すると、一族の団結心が、揺らぐからだ…

 それが、わかっているにも、かかわらず、伸明は、私を選んだ…

 それは、五井の争いに、うんざりしたのでは?

 そう推察できる…

 となると、もしかしたら、同じ理由で、伸明の母、昭子も私を推したのかも?

 ふと、気付いた…

 昭子もまた、一族の争いに辟易している可能性は、高い…

 亡くなった前当主、諏訪野建造の妻であり、現当主、伸明の母にもかかわらず、一族以外から、伸明の妻を娶ろうと考えるのは、伸明同様、一族の争いに疲弊しているかもしれない…

 誰よりも、一族同士の結婚を推奨する立場でいながら、それを無視するのは、普通に考えて、おかしい…

 納得できない…

 が、

 一族の長でありながら、本音では、誰よりも、一族の掟が、嫌いな可能性がある…

 そう考えれば、納得できる…

 そう考えれば、理解できる…

 自分の立場では、決して、公には、口に出せないが、自分の息子の伸明を、一族の娘と結婚させるのが、嫌な可能性がある…

 そして、本音では、一族を嫌っている可能性すらある…

 同じ一族の人間と結婚させることで、当たり前だが、一族の血が混ざる…

 そして、それは、抗争の血…

 ヤクザかなにかではないが、なにか、あったら、抗争する…

 敵対する…

 そんなDNAが、五井一族の血に交じっているのではないか?

 そんな気がした…

 だから、本音では、昭子は、そんな血を薄めるべく、伸明を一族以外の女と結婚させたいのかもしれない…

 少しでも、五井一族の血を薄めるためだ…

 抗争の血を引くDNAを、薄めるためだ…

 私は、思った…

 と、そこまで、考えると、

 「…しかし、困ったな…」

 と、ナオキが、言った…

 「…なにが、困ったの?…」

 「…諏訪野さん…きっと、また、女の争いに巻き込まれるよ…」

 「…女の争い?…」

 「…菊池リン…彼女が、諏訪野さんを狙えば、きっと、今、綾乃さんが言った、佐藤ナナさんだって、どう出るか、わからない…」

 「…どういう意味?…」

 「…ひょっとしたら、菊池さんに対抗して、諏訪野さんを狙うかもしれない…だって、その佐藤ナナさんは、諏訪野さんの義理の妹なんだろ? それじゃ、菊池さんが、諏訪野さんと結婚すれば、綾乃さんが、言ったように、佐藤さんの上になる…そうさせないためにも、あの看護師の佐藤ナナさんが、諏訪野さんを狙っても、おかしくはないさ…」

 仰天の発言だった…

 そして、その可能性は、十分ある…

 私は、思った…

                

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み