My All ・3
文字数 723文字
「良かった、その想いを聞くことができて。柚月が渡米しちゃう前にどうしても話しておきたかったのは、そのことだから」
「舞雪…」
「柚月が気持ちを抑え込んだままで、城崎さんと離れてしまうのだけは嫌だったの」
「………、実は、」
「え?」
「城崎さんはまだ知らないんだよね、私が渡米すること」
「そうなの!?」
「うん…」
「…ってことは、言わずに離れるつもりだったの?」
「うん…。それに、まだ…、自分の想いを城崎さんには伝えるかどうか、今も少し迷ってる」
「えっ、なんで迷うの?」
「それは……なんとなく…、」
「……私のことを思ってくれるからだとしたら、余計なお世話だからね?」
「それは、なんていうか…、」
「ちゃんと気持ちを伝えなきゃダメだよっ」
「———」
「……ね、柚月」
そのまま私の髪を撫で梳いていた舞雪の手が、そっと肩を掴んだ。
「柚月が私のことをいつも考えてくれるように、私だって柚月のことを考えてるの」
「…、」
「子どもの頃からずっと、学校を休みがちだった私が一人ぼっちにならないようにいつも側にいてくれたこと…私、ずっと忘れたことないよ?」
「…舞雪…」
「そんな優しい柚月だからこそ、絶対に幸せになってほしいの」
「……」
「私は、どんな物語もハッピーエンドが好きなの。柚月が作るハッピーエンドなら、もう最高!」
弾けるような笑顔で、舞雪は私の肩を抱き寄せる。
ふわふわとしたその感触も微笑みも、私の心の雪解けを促していく。
「渡米することも、城崎さんへの想いも、ちゃんと伝えてね?」
「…、」
舞雪の真っ直ぐな瞳の色に、強く背中を押されて。
それは、私が初めて紡ぐハッピーエンド。
「……分かった、頑張ってみる」
耳奥を擽るような舞雪の言葉に指切りするように、私はそっと頷き返した。
→
「舞雪…」
「柚月が気持ちを抑え込んだままで、城崎さんと離れてしまうのだけは嫌だったの」
「………、実は、」
「え?」
「城崎さんはまだ知らないんだよね、私が渡米すること」
「そうなの!?」
「うん…」
「…ってことは、言わずに離れるつもりだったの?」
「うん…。それに、まだ…、自分の想いを城崎さんには伝えるかどうか、今も少し迷ってる」
「えっ、なんで迷うの?」
「それは……なんとなく…、」
「……私のことを思ってくれるからだとしたら、余計なお世話だからね?」
「それは、なんていうか…、」
「ちゃんと気持ちを伝えなきゃダメだよっ」
「———」
「……ね、柚月」
そのまま私の髪を撫で梳いていた舞雪の手が、そっと肩を掴んだ。
「柚月が私のことをいつも考えてくれるように、私だって柚月のことを考えてるの」
「…、」
「子どもの頃からずっと、学校を休みがちだった私が一人ぼっちにならないようにいつも側にいてくれたこと…私、ずっと忘れたことないよ?」
「…舞雪…」
「そんな優しい柚月だからこそ、絶対に幸せになってほしいの」
「……」
「私は、どんな物語もハッピーエンドが好きなの。柚月が作るハッピーエンドなら、もう最高!」
弾けるような笑顔で、舞雪は私の肩を抱き寄せる。
ふわふわとしたその感触も微笑みも、私の心の雪解けを促していく。
「渡米することも、城崎さんへの想いも、ちゃんと伝えてね?」
「…、」
舞雪の真っ直ぐな瞳の色に、強く背中を押されて。
それは、私が初めて紡ぐハッピーエンド。
「……分かった、頑張ってみる」
耳奥を擽るような舞雪の言葉に指切りするように、私はそっと頷き返した。
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