守りたいもの ・1
文字数 454文字
城崎さんの探偵事務所の建替工事が進む中、現場の進捗状況を見に行く彼について行くことになった。
正確には、非番だった私が、ちょうど大学病院へ行く用事があったために、
『車で送ってあげるから一緒に行こう』…と誘われたからだ。
「…失礼します」
バッグとノートパソコンを片手に、城崎さんが所有する車に乗り込む。
事務所兼居宅が全焼したとき、城崎さんはこの車で寝泊まりして過ごそうと考えたらしい。
大きなワンボックスカーなどではない、ステーションワゴンのシボレー。
長期間過ごすには窮屈で、体への負担も半端ないのは想像に難くない。
『つまらないこと考えないで、甘えられる人に甘えればいいんですよ』
思わず口を突いて出た私の言葉に、城崎さんは嬉しそうに笑っていた。
困っている人は放っておけないから。
そこは、父親譲りな思考だと思う。
でも、もしも居候する人が、城崎さん以外の人、だったら…?
ある程度許容して、今のようにその人と関わっていたのだろうか。
そんな選択肢を勝手に散りばめては、考え込んでしまう日々が続いている気がする、今日この頃。
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正確には、非番だった私が、ちょうど大学病院へ行く用事があったために、
『車で送ってあげるから一緒に行こう』…と誘われたからだ。
「…失礼します」
バッグとノートパソコンを片手に、城崎さんが所有する車に乗り込む。
事務所兼居宅が全焼したとき、城崎さんはこの車で寝泊まりして過ごそうと考えたらしい。
大きなワンボックスカーなどではない、ステーションワゴンのシボレー。
長期間過ごすには窮屈で、体への負担も半端ないのは想像に難くない。
『つまらないこと考えないで、甘えられる人に甘えればいいんですよ』
思わず口を突いて出た私の言葉に、城崎さんは嬉しそうに笑っていた。
困っている人は放っておけないから。
そこは、父親譲りな思考だと思う。
でも、もしも居候する人が、城崎さん以外の人、だったら…?
ある程度許容して、今のようにその人と関わっていたのだろうか。
そんな選択肢を勝手に散りばめては、考え込んでしまう日々が続いている気がする、今日この頃。
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