初めまして…? ・2
文字数 465文字
正直、男慣れしていない堅物とも言える私でさえ、否応なく目に留めてしまうほどで。
(俗に言う、王子様みたいな人って、いるところにはいるもんだな…)
ぼんやりと、そんなことが脳裏をよぎった。
…いや、そんなことよりも。
「あの、どちら様ですか?」
「…僕?」
「はい、」
他に誰がいるんだ…。
思わず内心で突っ込みながらも。
自身の顎先を指さす謎の青年に向けて、ひとまずコクリと頷いて見せた。
「城崎咲也 です。よろしくね」
「……どうも」
…ん、待って? 確か、うちの玄関先からこっちに来たよね?
「あの…父のお客様ですか?」
「…名前、」
「え?」
「普通、名前って、相手に名乗られたら、自分も名乗るものじゃないの?」
「あっ、すみません、私は―—」
「そういうところ、素直だよね」
「…、」
「藤沢柚月ちゃん、23歳。その若さで、大学病院のお医者さん」
「…――!」
いきなり霊視紛いに言い当てられて、ちょっとだけゾクリとする。
(え、何なのこの人――)
〔城崎 咲也〕という固有名詞以外は全くの謎。
「……」
そんな彼はそっと口角を上げた後、少し楽し気な様子で目を細めて続けた。
→
(俗に言う、王子様みたいな人って、いるところにはいるもんだな…)
ぼんやりと、そんなことが脳裏をよぎった。
…いや、そんなことよりも。
「あの、どちら様ですか?」
「…僕?」
「はい、」
他に誰がいるんだ…。
思わず内心で突っ込みながらも。
自身の顎先を指さす謎の青年に向けて、ひとまずコクリと頷いて見せた。
「
「……どうも」
…ん、待って? 確か、うちの玄関先からこっちに来たよね?
「あの…父のお客様ですか?」
「…名前、」
「え?」
「普通、名前って、相手に名乗られたら、自分も名乗るものじゃないの?」
「あっ、すみません、私は―—」
「そういうところ、素直だよね」
「…、」
「藤沢柚月ちゃん、23歳。その若さで、大学病院のお医者さん」
「…――!」
いきなり霊視紛いに言い当てられて、ちょっとだけゾクリとする。
(え、何なのこの人――)
〔城崎 咲也〕という固有名詞以外は全くの謎。
「……」
そんな彼はそっと口角を上げた後、少し楽し気な様子で目を細めて続けた。
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