第26話
文字数 365文字
「そんな事より、甲相占いなんて聞いたことないわ。その水前寺清子さんならともかく、あなたに占いなんて本当にできるのかしら?」やたらと挑戦的なのが気に障るが、それも彼女なりの作戦なんだろう。……きっとそうに違いない……多分……。
「清子じゃなくて堂乃丞。もし、よかったら占ってしんぜようか?」
美穂子の企みに乗っかりつつも、占いモードに切り替えて顔を作る。
だが、てっきり手を差し出すのかと思いきや、美穂子は思いがけない言葉を口にした。
「でも、ここでは暗くてよく見えないわよね」彼女はやよいに向き直ると、「姉さん、控え室を使ってもいいですか?」
なるほど、バックヤードならば、店長の志垣がいるはずだ。それを見越しての発言なのかと察すると、思わず感心してしまう。
少し悩んだ仕草を見せ、やよいは、「少しだけなら」とオーケーサインを出した。
「清子じゃなくて堂乃丞。もし、よかったら占ってしんぜようか?」
美穂子の企みに乗っかりつつも、占いモードに切り替えて顔を作る。
だが、てっきり手を差し出すのかと思いきや、美穂子は思いがけない言葉を口にした。
「でも、ここでは暗くてよく見えないわよね」彼女はやよいに向き直ると、「姉さん、控え室を使ってもいいですか?」
なるほど、バックヤードならば、店長の志垣がいるはずだ。それを見越しての発言なのかと察すると、思わず感心してしまう。
少し悩んだ仕草を見せ、やよいは、「少しだけなら」とオーケーサインを出した。