第45話
文字数 638文字
スマートフォンが鳴り出していて、慌てて飛び起きると、相手は美穂子だった。
『もしもし、美穂子だけど、今大丈夫? もしかして寝てた?』時計を見ると午前一時半少し前。ゴールドヘヴンの営業時間が午前一時までなので、美穂子は仕事を終えたばかりのようだった。
もちろんソファーで熟睡していたが、そんな事はおくびにも出さず「いや、起きてたよ。今こっちから掛けようと思っていたところさ」と調子の良いことを口にした。
『姉といざこざのあったホステスについてだけど、それとなく探りを入れてみたわ。けれど、みんな姉のことを慕っていたらしく、仲たがいをしているようなホステスに心当たりはないらしいわ。もちろんボーイや志垣店長も含めてね。……でも、ひとりだけ心当たりがありそうな人がいたの』
それは誰かと訊いてみると、答えは店でナンバーワンのみやびだった。彼女は嘘がつけないらしく、志穂と仲が悪かった人物について尋ねると、口では知らないと言いながら、明らかに目が泳いでいたという。
『さっそくあなたの出番ね。明日は来られるでしょう? 期待してるわ。それにあともう一つ、大事な情報を入手したの』
それは何かと尋ねてみると、
『今は内緒。明日教えるわ』勿体つけた言葉を残して通話が切れた。
仕方がなくスマートフォンをテーブルに置いたところで大きく欠伸(あくび)をすると、パジャマに着替えてベッドへ入った。
だがその裏で、ある人物が着々と計画を実行していることなど、まどろみの中の占い師は知る由もなかった……。
『もしもし、美穂子だけど、今大丈夫? もしかして寝てた?』時計を見ると午前一時半少し前。ゴールドヘヴンの営業時間が午前一時までなので、美穂子は仕事を終えたばかりのようだった。
もちろんソファーで熟睡していたが、そんな事はおくびにも出さず「いや、起きてたよ。今こっちから掛けようと思っていたところさ」と調子の良いことを口にした。
『姉といざこざのあったホステスについてだけど、それとなく探りを入れてみたわ。けれど、みんな姉のことを慕っていたらしく、仲たがいをしているようなホステスに心当たりはないらしいわ。もちろんボーイや志垣店長も含めてね。……でも、ひとりだけ心当たりがありそうな人がいたの』
それは誰かと訊いてみると、答えは店でナンバーワンのみやびだった。彼女は嘘がつけないらしく、志穂と仲が悪かった人物について尋ねると、口では知らないと言いながら、明らかに目が泳いでいたという。
『さっそくあなたの出番ね。明日は来られるでしょう? 期待してるわ。それにあともう一つ、大事な情報を入手したの』
それは何かと尋ねてみると、
『今は内緒。明日教えるわ』勿体つけた言葉を残して通話が切れた。
仕方がなくスマートフォンをテーブルに置いたところで大きく欠伸(あくび)をすると、パジャマに着替えてベッドへ入った。
だがその裏で、ある人物が着々と計画を実行していることなど、まどろみの中の占い師は知る由もなかった……。