第77話 自分は一生「二次元オタク」でいられると思ってた(葉)

文字数 2,613文字

私は物心ついた頃からアニメ・ゲーム・漫画といった二次元に夢中で、三次元のアイドルや芸能人にはさして興味がありませんでした。


その理由は、性癖がちょっと特殊で「現実の人(芸能人等)に向けるには失礼かもしれない」って幼心に思っていたからかもしれなくて。


二次元を相手に妄想するなら自分の脳内から出さない限りは罪にならないと無意識に自制していたのかもしれません

物心ついた頃からそれって……さすがに闇が深すぎるカミングアウトじゃないですか?
ていうか、そういう話は慣れ親しんだ人(イリサ)達とした方が良くない……?


このエッセイでほとんど出番がなかったオレ達に急にされても困るっていうか

今日はなんとなーく君達で進行しようかなって思ったんで、付き合ってください(拒否権はない)。


現実の人間をそんなに見なくても、二次元にまつわる趣味がた〜くさんあった私は、自分は年老いて死ぬまでこうやってアニメ見たりして過ごすんだろうな〜と思い込んでいました。


ところが、20歳を過ぎて社会に出たら「画面に向かってゲームをする」が出来なくなり。


現実我が子が生まれる直前に「こんなエロいものを家に置いておいて、子どもに見られたら私は(自主規制)してしまう!」と感じたら一気に読み返したくなる性欲が失われて。


何年もかかって集めた二次創作の薄い本(同人誌)を全てしかるべき中古ショップで引き取ってもらいました

あのー。一応、ここにいるわたし達は小学生ってことでいいんですよね?
(薄い本を)作った人が18歳未満には触れさせないでって言った上で受け取った(頒布)本の話を聞かせていいの?
アイコンは小学生仕様でも2024年現在のあなた達って50歳超えてるからオッケーでしょ(ちゃんと数えてないので正しい年齢わかってませんが)


てなわけでこのページの中だけは彼らは小学生じゃなくて中年ってことで! 一人称も大人バージョンは漢字になってます。

30歳過ぎてもアニメ、漫画はかろうじて追いかけることが出来ていましたが。40歳が見えてきたこの数年はもう、それすら心身が億劫でついていけなくなってきました。


面白いな〜と思って買い始めた漫画単行本もほんの数巻で続きを買わなくなりますし。


毎週更新で無料で読めるアプリ漫画をありがたく読んでいましたが、「毎週読む」の毎週があっという間に過ぎていって


「もう続きを読む日になったの? しんどい」


って追うのをやめて。


同じような事例で「たった1クール12話しかないアニメでも、最終回までに視聴をやめたり」しています

単純に、年齢を重ねたら若い人向けのコンテンツと感性が合わなくなってきただけなんじゃないですか?
言っちゃ悪いけど、年相応の自然な変化っていう印象だけど
それだけだったらいいんですけど、例えば数ヶ月に1回しか更新がないコンテンツとかで今ハマってるものもありますから、最大の理由は……


私が、若い頃は当たり前に付き合えていた、「提供速度の早いコンテンツのペースに、ついていけなくなった。体力も精神力も」


と、いうことなんじゃないかと、自分では思うのです

そうですね〜……私達が子供の頃と現代では、若い人の追っているコンテンツの提供速度って、随分変わった気がします
「コンテンツを追うスピードについていけない」の現代ならではの事情として、「インターネット、それもSNSによる速報で、作品の公式運営サイドが絶えず情報を出してくる」というのがあります
昔はせいぜい、週一とか月イチで雑誌を買って情報を得る、くらいだったもんね
1ヶ月の間に雑誌の情報を一生懸命読み込んで、今週はこんなお話が放送されるんだなぁって、放送時間を楽しみにしてましたね〜
ファンアートだって、雑誌の投稿ページに採用された人の作品しか見られなかったけど、今は「雑誌編集者に選ばれなくても、誰でも自由にインターネットで発表して見てもらえる」
私と葉織君のお話だって、そのおかげで読んでもらえるんですもんね♪
そう、大変にありがたい世界なんですが。そうやって選別なく誰でも発表も発言も出来る、そのおかげで……


運営からのお知らせも、同じ作品を愛好するファン達の生の声も、溢れ返りすぎている。


その環境についていくことに、現代人は疲労を感じているのではないでしょうか。私に限らず。

わかる……「見えすぎる」って、疲れるんだよね……
私は葉織君のことだけを見ている人生が幸せなので、そういう疲れとは無縁です!(ドヤァッ)
俺も、こういう自分の暮らしぶりに羽香奈がなんの不満もなく付き合ってくれてて……「極力見ないように、静かに過ごせる」こと、本当に助けられてるって思うよ
葉織君……っ(感動してる)
このエッセイの中でイチャイチャするのはやめてくださーい。


2ページ前に書いた通り、私は本来、ごく限られた供給だけでも満足出来る精神構造をしているっていうか

変化の乏しいゲームのプレイをしていて、延々と同じことの繰り返しで幸せなんだっけ?
ゲームのプレイだから「たったそれだけで満足なの?」って思われるかもしれないですけど。


変化が少ない状況でも、日々を静かに過ごせるだけで幸せなんて、現実世界だったらそんなものじゃないですか?


私と葉織君だってそれで幸せですし

1ページ前に書いた通り、「子供の頃に好きだった作品には特に悪感情なく、今でも好きって思い出せる」


なのに、「大人になってから好きだった作品は、一度離れたら何故か『好きだったという気持ちすら思い出として残らないことがある』」


子供の頃よりもずっと、大人だからこその自由度と経済力でディープに情熱を捧げてきたはずなのにね

もしかして、その「情熱を捧げすぎた」のが、逆に良くないんじゃない?
いわゆる、燃え尽き症候群みたいな?
それはあると思います。


子供の頃は与えられる、得られる情報量が少なかったから、自分のペースで好きなようにコンテンツを楽しむことが出来た。


それが今は、「自分から常に情報を追いかけないと、取りこぼす。情報に追いつけないと同じようにコンテンツ追ってる他のファンに遅れを取る」という焦りに突き動かされる。


だから、それを追うのを諦めた時にはもう疲労感でいっぱいで、「あの作品が好きだった」という気持ちごと燃え尽きてあとに何も残らないのかもしれないです

なんだか……とっても、虚しいですね……
自分の好きなことを楽しむって本当は、誰かと競わなきゃいけないようなものじゃないのにね
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登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中はストーリーに都合のよいだけの便利なサブキャラでしかなかったのに、作者が忘れた頃に読み返したら性癖に刺さって最愛の推し息子のひとりになってしまった。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


sohko3作品全キャラクターの中で最もツッコミ属性。

作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

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