第28話 短編コンテストに記念参加してみた(青)
文字数 2,293文字
エブリスタではほとんど1週おきの間隔で、お題発表と受賞作品結果発表を繰り返している短編小説の「超・妄想コンテスト」という企画があります。
しかし、エブリスタで投稿を始めて半年ほどの期間。私はこのコンテストの存在に気付いていませんでした
たまに募集や結果発表を休む週があるけど、本当にほぼほぼ「常時開催」って感じ......自分の入り浸ってる場所でこんな頻度で募集されてて気が付かないなんて、そんなことがありえるかな
そもそも新規開拓した投稿サイトで、システムが右も左もわからない(どこを見ればどんな情報があるのか理解しきれていない)。
Web小説に関わるのさえ、10年以上のブランクがあって、現代はWebで応募するコンテストが賑わっているということさえ知りませんでしたから。
そこまで無知だと、案外気が付かないものなんですよね。
しかも私は、すでに書き終えた長編小説を読んでもらう場所を求めてここへ来たわけで、新作を書く予定さえなかった(成り行きで予定外に書いてたけど)......
感じ悪い言い方になってしまいますが、まさしく「眼中になかった」んだと思われます
「大長編じゃない長さの小説」だって、エブリスタさんに来たことをきっかけに初挑戦したくらいですからね
「面白い短編小説を書くためのノウハウ」なんて、自分にはないとも思い込んでいました。
私がWeb小説を書く目的が、自分の考えたキャラクターが物語上で喋ってる姿を見ることでしたから、だったら短編小説で書いても満足できないだろうと。少しでも長く、喋ってるところが見たいじゃないですか。
それに、自分の好きなことを好きな時に書きたいから、お題を出されて何かを書いて〆切に間に合わせるなんて性に合わない気がしました
短編小説のコンテストという存在そのものを全否定してる......
今日の日記タイトルは「参加してみた」になってますけど......どんな心境の変化があったらここから「参加しよう」ってなるのでしょうか?
それはですね......
私の既存の長編小説の内容と、あまりにも一致したお題が出ちゃったからです。
そのお題とは、「染まる」でした
作者とイリサとコウ君だけで勝手に納得してるので、解説します。
私が四半世紀前から構想して、(このお題が出されるほんの半年前に)書き上げたばかりの、イリサ達の小説......
「GRASSBLUEシリーズ」というのは、「青く染まった草原の神秘に翻弄される人々の物語」なのです。
こーんな、「あなた達のために存在するお題ですか?」
みたいなお題を出されてしまったら!
「イリサと、青く染まる草原」について書いた小説で挑戦しなさい、と。
まるで運営からの挑戦状を叩きつけられたみたいじゃないですか!!
↑あくまでネタとして受け取ってください。運営が私の作品に合わせて出してくれたお題だなんて本気で思ってるわけじゃないですよ!
このようなお題が出たことも素敵な偶然ですが、あおくささんがエブリスタさんに来てほんの半年というタイミングなのが、まるで......
オレたちの世界じゃあんまり使いたくない言葉だけど、「運命的な巡り合わせ」みたいだよな......
私がエブリスタを知る前や、今のように距離を置くようになってから、このお題が出されていたとしたら。
いくらあなたたちにドンピシャなお題といったって、私には縁がなかったってことですからね。
もはや「世にも奇妙な」と言いたくなるような、運命的なお題の巡り合わせに、エブリスタにいた2年間で私は恵まれ続けました
お題に合わせて何かを書く、というのも、あおくささんは「自分には向いてない」と思い込んでいたとのことですが。
案外、「向いてるかもしれない」って、認識を改めたんですよね
振り返れば、直前に書いた「江ノ島の小さな人形師」もですね。
「江ノ島を舞台に、葉織君と羽香奈ちゃんを登場させて、10万文字の小説を書く」
というところまでは自分で決めましたけど。肝心の、
「じゃあどんなストーリーを書こうか?」ってところが思いつかなくてですね。
手近にいた夫に、「お題を出してもらった」のですね
お題というよりは、「どんなお話が読みたいですか?」って訊いてみたんですよね。そしたら......
江ノ島に存在する、目に見えないものとの交流の話が読みたい
と、言われました。すると不思議なことに、私の中で、「こんな話を書こう」って道筋がす〜っと浮かび上がってきたのですよね
エブリスタという場所は常時、投稿者に対してお題を発していました。そのバリエーションは、私が経験した他の投稿サイトでは類を見ない頻度じゃないかと思います。
「よくよく考えたら、自分、お題に合わせて書けるのでは?」
そう気付いた私はそれからしばらくは、コンテストのお題に注目するようになり、積極的に「書けそうで書けなかったアイデアをコンテスト内容に無理やりこじつけて書く」
ということを続けました。手持ちのアイデアを使い尽くすまで......
エブリスタってところでは目まぐるしくお題が出されるものだから......
オレ達や、それ以外の人達の、書けないはずだった話が次々と「短編小説」として世の中に出ていったんだよな
せっかく考えたアイデアや登場人物の設定なのに、短編小説でこぢんまりとまとめてしまったらもったいないのでは?
そんな思い込みも、長年「書けそうで書けなかったアイデアが、短編で書くことによって次々と形になる快感」を知ったことで吹き飛びましたね
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