第32話 コンテスト参加のための事前調査アンド結果考察(み)

文字数 2,475文字

29話で語ったように、私はコンテスト参加のために「過去の受賞作品調査」と「参加者の体験エッセイ」を参考にしました
参加者の体験エッセイでどんなことがわかったのかは、まだ話してなかったんだよね
それによると、どうやら


「コンテスト運営者がそんなに知らないかもしれない、マイナーだったりニッチな業界話を書けば、それだけで選ばれる可能性があがる」


とのことでした

その情報の信憑性って、どうなのかしら
とりあえず、この情報を信じて、私も


「自分が抱えてる、まだ一般に広く浸透していないかもしれないマイナージャンルの知識や経験」


をテーマに短編小説を書いて、妄コンに出してみることにしました。


そういう、「狙って書いたうちの2作品」が、優秀作品に選出されました

ひとの言うことを素直に信じたおかげで、良い結果に恵まれたみたい
信じてみたから、っていうのももちろんありますが、それよりも。


「コンテストに参加するなら、事前に予習しておく」


っていうのは大事みたいなんですよ。


そのコンテストでは何を求められているのかを調べるってことが

それ、ワタシもちょっと聞いたことがあるわ。


何度も応募していて落ち続けてる書き手は、カテゴリーエラーのコンテストに応募している可能性があるから、そこんところ見直して応募し直せば別のところで案外通ったりすることがあるって

一度落ちたからって諦めないで、他のところに出し直してもいいんだってね……


なんとなくこういうの、一発勝負で他のところに出し直しってしちゃいけないのかと思ってたから、意外だったよ

私は当初、短編小説コンテストに興味がなかった頃に、長編小説コンテストの結果発表を見て受賞作品を読んでいました。いつか自分が応募するかもしれないから、例によって市場調査です。


それで、選考者からのコメントで、


「こちらが要望している内容から外れた応募作品が多いので、参加するにあたって是非、過去の受賞作品を読んでください」


というのを何度も見かけたんですよね。選ぶ側もカテゴリーエラーに困ってるのかもしれないな、って

労力かけて書いたものが落選するって心身共に疲弊するでしょうから、お互いのためにカテゴリーエラーは避けられた方が良いわよね
そういうわけで、私がclovernoteを妄コンに出すために、こんな作戦を立てました
① 受賞は狙わず、clovernoteの設定を固めるための「みくさんが主役の短編」を妄コンで書く


② 受賞を狙って、「プラネタリウムの投影機のために聖地巡礼する」という「鏡の魔女さんが主役の短編」を妄コンで書く

プラネタリウムマニアにとっては


「投影機目当ての聖地巡礼のために、新幹線や飛行機の距離でも旅をする」


って、割とあることなんですけど。


一般の方は、プラネタリウム行って奇麗だな〜くらいの認識で、まさかそこまで手間と資金かけてるなんて知らないんじゃないかな〜と思いまして

さっき言ってた、あなたが知ってて運営さんが知らないかもしれないマニアックなジャンル? を狙ってみたのね
みくさんの方のお話は、


「ノートに何かを書いてる、ごく普通の感性の女の子が主役の短編小説」


になるしかないので、コンテストで受賞は狙えないと思ってたんですよ。


ですが、鏡の魔女さんとの世界観を作るためには、先にみくさんの話を書かなければいけなかった

受賞は狙わない、下準備のお話として、「ごく普通の女の子な、みくのお話」を書いたわけだけど……


何故だかこちらも、ワタシのお話と同等の賞をいただけたのよね?

自分で言うのもなんだけど、派手な事件も起こらない、僕達の日常の一場面のお話なんだよね……
私からみても、「全てを青に染める人」の方がよっぽど熱い感情こめて書いてるので、あっちが落ちてこっちは通るの? って、疑問はありました
書き手が狙いに狙って書いても、読み手がどう感じるかって、なっかなか狙い通りにはいかないものよね
そうですねぇ。この作品は傑作だから絶対に受けるはず! て思い入れ強い作品がま〜ったく受けず、軽〜い気持ちで書いたやつが予想外に受けたりする……


という、よくある話はさておき。


みくさんの話が選ばれたのは、


「妄コン結果発表の総評」を考察したらわかっちゃう理由がちゃんとありました

(総評、ほんの一部引用)


忘れ物は忘れた本人だけでなく、周囲にも不都合を与えてしまうことがある。それを思い出させてくれるような、結果として教訓を与えてくれるお題になったように思います。とはいえ説教くさいだけの話に人は惹かれません。

みくさんの話は、「忘れっぽい女の子の悩みを書きながら、忘れっぽさを否定しないでポジティブに受け止めるオチ」で終わります。


これはコンテストのために狙ったわけではなく、


父みくさんの手前、みくさんの忘れんぼメモを、ネガティブな展開にするわけにはいかないからという。メタすぎる裏事情のためにそうせざるを得なかっただけなのですね〜

アナタから生まれた他の登場人物の皆さんは遠慮なくひどい目に遭わされるけど、ワタシとみくだけは鉄壁のメタバリアーに守られたほのぼの世界にいるのよね〜
なんだか……メタすぎてちょっと申し訳なくなっちゃうよ〜……

その後も何度か妄コンに参加して、自分の選ばれた回と落ちた回を比較してみて、私は結論を得ました。


妄コンでは、「今回はこういう方向性の作品から選ぶ」っていうのが決まっていて、それに一致している作品は受かりやすい。選評は、その方向性について書いてあるのだろう、と

※あくまで私の経験だけに基づく仮説です。
ごく普通の女の子の日常の話でも、その回の選考基準にたまたま一致していたから選ばれたのかもしれない。と、アナタは思ってるってことね
引用はしませんが、鏡の魔女さんの応募回の選評もまんま、当てはまる内容が書いてありました。


妄コンは作品の良し悪しだけでなく、「その回の選考基準にたまたま一致していたか否かというラッキー要素もあるかもしれない」というのを頭に入れておくといいかもしれません。


(もちろん、上位入賞枠の場合は幸運よりも実力だろうというのが前提ですが)

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登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中は第1脇役、みたいな扱いだったのに、執筆の記憶が遠くなった十数年後に作者が再読したら最推しに近い激重な愛され方をするようになった男。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

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