第20話 大失敗小説・再挑戦のために必要なこと(青)

文字数 2,353文字

前述の通り、過去に挫折したイリサ達の小説には「失敗に至った明白な理由」があったわけで。


再挑戦するのなら、その理由を解消しなければなりません。


イリサ達にとっては少々残酷な話もしなきゃいけませんが、その辺をまとめていきましょう

書けなかった最大の原因はこちらです。


登場人物が多すぎ(群像劇、しかもトリプル主人公)・設定が多すぎ・予定していた物語構想が長すぎ……

三重苦ならぬ、三すぎ苦ってか
若い頃、創作だけに私生活全て捧げられた時とは違うので、「いつまで書き続ければいいのかわからない大長編ファンタジー」なんて頑張れるはずがないのです。


おまけに頭の中にあるプロットでは、


現在のイリサ編→過去のイリサ編→また現在のイリサ編に戻って最終章へ


みたいな流れでした。この「間に挟まる過去編」を書くのが難しすぎましてね……

聞くところによると、ティアーさん達のお話の第三部が書き進められなかったのも、「間に挟まる過去編」がネックだったんですよね?
オレ達のが書けなくなった理由と全く同じ……単純に、そういう構成が苦手なんだな
そういうわけで、「TEAR」第一部・第二部が書けた時の成功体験を思い出して、設定を整理しました
改善点


① 主人公をイリサひとりに絞る


② 間に挟まる過去編、を排除して、完全に時系列順で進行する物語にする


③ 子供の頃に考えていた「読みたい場面全部詰め」みたいな無謀は諦めて、イリサ達の物語に必要な最小限に厳選する

まず、改善点①について話しますと。


子供の頃に私が考えていたこの話の主人公はコウ君+もうふたりのキャラによるリレー式トリプル主人公でした。


イリサは数多くいるサブキャラクターのひとりに過ぎませんでした

私自身が言うのは恐縮ですが、「旅をするから」という理由一点でブログの看板娘をすでに10年以上務めさせていただきまして……


あおくささんが私達のお話を書く動機が、


「本来の構想にあった、コウ君達の物語を書く」から、


「ブログを閲覧してくださった方のために、看板娘のイリサの原作小説を読めるようにする」に変わってしまいました

それでも、過去に書こうとして失敗した小説においても、あくまでコウ君が主人公の話を書く、という目的のままで開始して……そして、失敗して。


私は気付いてしまったのです。


「コウ君を主人公のままにして、第三者が楽しく読める小説を書くのは不可能である」、と。


コウ君には単独の主人公として通用する魅力はないのではないか、と……!!

※補足すると、この「どうしたら今度こそ最後まで書けるんだろう」と模索していた時期。とある辛口web小説関係者の


「読者は群像劇なんか求めてないから、魅力ある主人公ひとり据えてよそ見をするな!!」


という意見を偶然目にして、参考にした結果、この結論に達しました。


だったら主人公はコウ君よりイリサにした方が読みやすい、同時に書きやすいのではないか?

う〜ん……このページ最初で言った通り、これは残酷な事実だな。オレにとって
(同じコウ君でも、今こうやって話してるあなたの方だったら主人公でもいけたと思いますけどね……)
まあ、私の単独主人公といっても、あくまで「イリサの一人称視点で統一した」というだけで……


物語は実質、私とコウ君(達)が、(トリプル)主人公でした

「TEAR」が書きやすかったのは敦が主人公の一人称視点・時系列通りに進んでいたからです。


イリサ達の話は群像劇すぎて一人称・時系列順で書くのは不可能……と、長年の課題でした

ですが、そこにこだわって今後も書けないでい続けるよりは絶対良い! の精神で、トリッキーな手段に頼りながらも、私(イリサ)の一人称視点の小説で書くことにしたみたいです
この「トリッキーな手段」のせいで、読む人を選びがちな作品になってしまいましたが……


このトリッキーを気に入って読んでくださった方は少数いたみたいなので

書かないままでいたら、その「少数」すらいなくて「ゼロ」だったんだから、書くことにして良かったってことなんだよな
そうです。それに、イリサ達の「本編」はこういう形になったものの、「本編」があるおかげで後に派生した作品群が、私の人生に数々の思い出をもたらしてくれましたから
※その派生作品とは、2022年末〜2023年末にかけてとある投稿サイトでお題つきコンテストに連続で参加した結果、生まれた小説の数々です。後日、そのコンテスト参加経験についてもこのエッセイの中で書き残す予定です。
今度こそ完結させる! 

そのために何よりも大切なこと

それはずばり、


「完結させるまで、毎日欠かさず、必ず一場面だけでも書く!」


ってことです

このエッセイの14話であおくささんが話していた、


「毎日書けば、最速で完結」


を実践したんですね!

とにかく今回こそは絶対に挫折しない……! と、心に決めていたので。


ぶっちゃけて「面白い作品を書くべき」と考えるよりも、「毎日欠かさず書いて、完結させる」ことを優先しました

言うは易し、行うは難し……て言うけど、本当に毎日、1日も休まず書いてくれたからな
執筆期間は2022.3.14〜2022.6.9となりました
子供の頃、設定を考えてるばかりだった当時からずっと書けないで四半世紀も経ったのに、「絶対に書く」って決めたらたったの3ヶ月で終わるとか……あっけないもんだ
※「本編」で書くのを諦めた部分もコンテストに参加したおかげで、全て昇華しました。


その最後の作品を書いたのが、2024.2.10


なので、イリサ達の話を最後まで書くのに要した期間はおよそ1年11ヶ月でしょうか


※ちなみにこのエッセイを今のところ毎日更新しているのも、「ここまではこのエッセイの中で語りたい!」という最終目的があって、そこまで最速で完結させるのを目指しているからです。

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登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中は第1脇役、みたいな扱いだったのに、執筆の記憶が遠くなった十数年後に作者が再読したら最推しに近い激重な愛され方をするようになった男。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

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