第15話 自分の書いた小説が酷すぎて一度筆を折った話(青)
文字数 1,851文字
小説執筆を引退するために「TEAR」を「小説家になろう」に投稿した私ですが、
完全に引退する前に、ひとつだけやるべきことがありました
私達にも関わることなので、お話しします。
私、イリサはブログの看板娘として、フィギュア(人形)の姿で活動していました。
ですが、フィギュアの私は喋らないですし、具体的な設定が開示されてもいません
看板娘とか企業のマスコットキャラクターなんかはそういうものだし、それで構わないんじゃないかと思うけどな
そうなんですが、私も一度は小説書きを生涯の趣味にしたいと志しておりましたから。
ブログを閲覧して、「で、イリサってなんなの?」と感じた人がいたとして、
「物語の中で、イリサの性格や言動が伝わるように。小説の形で提示したい」
そう思いました
そもそも、「TEAR」の次に書こうとした長編で「TEARを超えられそうにない」と思ってエタらせて。本当は「TEAR」だって完結もどき。
思えば、スランプな時期だったんですね
オレやイリサや仲間達の物語の設定を作ってた頃、作者は中学生で、次から次へとキャラクターばかり増やして収拾がつかなくなる大長編群像劇を考えてた……
幼い頃や思春期に、同じような遊びをしている人が、アイデア考えるだけで止まって結局物語として仕上げることが出来ず。
世の中にた~くさんいるであろう、そういう遊び人。私もそのひとりでした。
何度も言うようですが、「TEAR」が完結させられたのは、たまたまそれが可能だったって時期に環境にも恵まれたからであって、
「最後まで書けたことが奇跡」といっても過言ではありません
ティアーさん達の物語よりもさらに複雑な構成と人間関係、そもそも物語のプロットすら漠然としていてテーマ性も不確定……
全てを物語にするのは、すでに心が「小説引退」にかたむいているあおくささんにはあまりにも困難でした
そういうわけで妥協して、「イリサの人間性だけわかれば、それでいい。必要最小限な情報だけを書いた短編小説として発表しよう」と思いましたが……
スタートからすでに妥協しようとしてるものが、面白くなるわけがなく……
自分で書いておいて絶望するほどに「魅力がわからない、面白いと思えない作品」が完成してしまいました。
悲しくも、それが初めてイリサ達が喋った一作目として、ネット上に10年も放置プレイされていました
他に置き場所がなくて「小説家になろう」さんに投稿したものの、あちらは運営方針として「作品を非公開にする」ことが出来なくて。
「公開する」か「削除する」しかありませんでした
さすがに、削除しちゃったら取り返しがつかないから、後ろめたいと思いながら公開され続けてた。
オレ達からしたら、自分の出てる作品がそこまでの「失敗作」って思われてるのは切ないけどな……
君達には申し訳ないと思ってますが、それだけは曲げようがない事実なもんで……
その「試作失敗版・青草日記」はそういう事情で今でも「なろう」に公開されています。
ノベルデイズに投稿する予定はありません
私とコウ君の「初めまして」のためにノベルデイズにも投稿している
「全てを青に染める人」
は、その「失敗版」とは違う作品なので、安心して読んでいただきたいです!
未熟な仕上がりの短編小説を公開したままにしているというのは、非常にリスキーです。
作者の作品一覧から、とりあえず作者の実力をはかろうとした時、大長編よりとりあえず短編小説を読んでおこう。と、なるのが自然ではないでしょうか……
短い話を読んでそんなに面白くなかったと思った人は、それより長い、同じ作者の作品を読もうとは思わないかもしれない。ってことかな。オレは心配しすぎなんじゃとは思うけど
それも心苦しいでしょうが、読んでくれた人は貴重な時間を作品を読むために割いてくれたのに……その作品が作者にとって自信をもっておすすめ出来るものじゃないとしたら……時間を使わせてしまったことが申し訳なくなってしまいそうです
ふたりの指摘、どちらも正解です……
そういうわけで、せっかく投稿したというのに、それから10年間。私は自分の書いた小説にま~~ったく自信がなくなってしまいました。
作品ページもアクセス解析も、ほとんど見に行きませんでした。
ログインする手段も忘れてしまったのでいよいよ削除する手だてすら失いました。
かつて、小説を書くことが趣味だった時期があったなんて、まるで現実じゃなかったかのように……
小説の書き方も、すっかり忘れていきました
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)