第44話 初めて「流行小説を意識して書く」に挑戦してみた(青)

文字数 2,372文字

2023年6月。執筆応援キャンペーンのお題が発表されました。


「推し・お気に入り・応援」


時はアニメ「推しの子」のオープニングテーマ曲「アイドル」が大ヒット真っ最中。私も現実我が子達がYouTubeで何度も繰り返しPVを流していたので流行を知りました。原作漫画自体は私の方が連載開始直後から読んでいてすでに購読をやめていたりしたんですが。


つまり何が言いたいかというと。こんなタイミングでこんなお題で募集されるってことは、明らかに、推しの子やアイドルを意識した作品書いて応募してくれって言われてるようなものですよね

(スクショもリンクもこのエッセイで貼れませんが、コンテストの告知ページのイメージイラストもまんま、推しの子かつアイドルを連想させるものでした)
エブリスタに来てから、投稿されてる他の作者の作品をマメに追ってたっていうから。流行作品ってどんな感じなのか、そろそろ要領が掴めた時期だったのかな
なんだかんだこの時点で、あおくささんがエブリスタ活動を始めて1年以上経った頃ですもんね
それなんですが、私、ちょっとミスをしてまして。


web小説の勉強のために作品を読む……それは、確かにしてました。


しかし、それは「ランキング上位の流行作品」ではなくて、「エブリスタ運営の作品特集」の方ばかり読んでたんだなぁってつい最近気が付きました

最初の1年間勝負の新作セレクションっていうのに載るのが大きな目標だから、その特集に選ばれる作品の傾向を知りたくてそれを優先で読んでたんですよね
それで得られるのは、運営に気に入られそうな作品傾向であって、流行作品の内容がわかるわけじゃなかった、と……


それじゃあ、流行作品ってどんな感じなのか、まだまだ勉強不足じゃないか?

ランキング作品は読んでなかったんですが。その頃、お世話になっていた人達の作品を読んでいまして。令嬢物と呼ばれるカテゴリの作品を連続で読む機会がありました。


それでざっくり……


「身分の高い女性が、特に何かを努力したわけでもないのに理想の男性と上手くいって結婚する」


令嬢物ってこんな感じなのかな? と思いました

あくまでざっくり、こうかな? って思っただけで、実際の市場で流行している令嬢物とは違う可能性があります!
努力したわけでもなく……って、そういう作品を愛好する人達から怒られそう

「努力しなくてもありのままの自分が認められて幸せになれる」


(男性向けではチート、女性向けでは溺愛。と、私は解釈しました)


それが流行作品の必須条件なんだっていうんだからしょうがないじゃないですか……


私は君達が何重もの苦労の末に辛うじて幸せになる、みたいな状況を読んでこそカタルシスを感じる性癖なので、そういう流行の楽しみ方を理解するのは難しいんですが

……さすがの私も、そこまではっきりと、「私(イリサ)達の苦しみが私(作者)の愉しみです」と明言されてしまうと……なんとお返しすればいいのか難しく
イリサでさえ……!
(馬耳東風)そういうわけで。


① 「アイドル」「推しの子」を思い浮かべながら


② 付け焼き刃で知った令嬢物風味で、ヒロインが苦労もなくスパダリな相手役と結婚出来る


③ 近年のなろう系の特徴とされる、「主人公(ヒロインの相手役)が絶対に負けない最強」


④ 作者がほぼ書いたことのない、ガチガチの恋愛物。ジャンルとしては恋愛ファンタジー


こんな話を書くことにしました

普段の作者が全く好んでない上に書き慣れてない。そんな状況でちゃんと書けるのかな
何ひとつ、自分の好みが入ってないわけでもないです。


まず、登場人物はこの作品のためだけに考えるのではなくって、例によって私が子供の頃のアイデア落書きノートに書いてあった「お蔵入りキャラクター」を使用します

あおくささんがお話を書く最大のモチベーションは、そういう「ノートの中に眠っている我が子達を、ひとりでも多く小説化して、読める形で世の中に出す」ことですから
流行作品を書くためだけに登場人物もゼロから考えるってやり方をしていたら、今回の話も書けなかったかもしれません。


私のお蔵入りキャラクターの中にひとりだけ、「美しく淑やかなお姫様」って設定の女性がいたんですけど、普段の私の作風との相性が良くなくて使いどころがわからずにお蔵入りになってました。


彼女を活躍させられる話を書く機会だ! と思うと、普段と違う傾向の作品でも頑張ってやってみようかってなったわけです

今回はそれが良い方向に働いたけど、今現在の作者が「小説でやりたいことはもうない」になっちゃったのは、その「お蔵入りキャラクターを使い尽くしたから」っていうのがあるからな……
こういった事情も、本エッセイ最終回付近で深くお話しする予定です
さらに、私の好みを反映した結果の「流行作品の模倣になりきれなかった要素」がもう一点。


相手役の男性は戦闘面は最強で顔良し性格良し。観衆からの人気を集めている(YOASOBI「アイドル」の歌詞からイメージ、最強で無敵のアイドルで金輪際現れない一番星)のですが。


生まれつき言葉を使えなくてコミュニケーションが取れないことに悩んでいる。最強で無敵のアイドル的ポジションだって本人が望んでるわけじゃなく、その障がいを抱えてるゆえにやむを得ずやっている。そういう男性です

急〜〜に、実家に帰ってきたような馴染みのある、オレ達にありふれた雰囲気出してきた
流行の恋愛ファンタジーを踏襲するなら、お姫様の相手は身分の高いスパダリ男性でやるべきなんですが……


私自身が魅力を感じる男性像がどうしても、苦しみながらも生きる努力を続けて最後には信頼出来る人に巡り合って、やっと幸せになる。だから、こうなっちゃうんですよね

話の途中ですが2千文字を超えてしまいましたので。コンテストの結果はまた明日の話題とさせていただきます〜
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中はストーリーに都合のよいだけの便利なサブキャラでしかなかったのに、作者が忘れた頃に読み返したら性癖に刺さって最愛の推し息子のひとりになってしまった。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


sohko3作品全キャラクターの中で最もツッコミ属性。

作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色