第37話 表紙有償依頼の思い出②、絵の持つ力(青)

文字数 2,166文字

今日はイリサ達のお話「GRASS BLUEシリーズ」の表紙をご紹介します。


……こういう個人と個人で交わす有償依頼って、本当は2作品同時に頼んだりはしないものなんじゃないかな〜と思うのですが(市場調査とかしたわけではない)。


私にとってこの2作品に上下をつけることが出来なくて、恐れ多くも絵師様に「2作品なんですが……受けていただけますか」とお声がけしました

快く引き受けてくださって良かったですね〜!
もし、1度に頼めるのは1作品だけで、2作目は他の方の依頼を全て終わった後で改めて……ってことになってたら、どっちを選んでたんだろう
悩ましいですが、とにかくすぐに神イケメン化した豊さんの顔が見たい! っていうのが有償依頼の最大の動機ですから。今回でいえばあちらを選んだかもしれないですね〜……


とはいえ本当に究極の選択になっちゃうので、受けていただけて本当に嬉しかったです

昨日のも今日のも、私から絵師様にこういう構図でってお願いして描いていただいてます


このイラストの最大の肝はですね……昨日の絵とは違って、イリサ達が「手を繋いでる」ってところにあります
昨日のは、真ん中の女の子が手を差し出してる、って絵だったよな
どちらも「手の位置」にこだわって……どうしてそういった絵でお願いしたのでしょうか
ティアー達の方は物語の中で何度か、人間の世界にいた敦達を、時にティアーが手を差し出して、手を引っ張って魔物の世界に連れて行くって場面があったので、それをイメージした絵にしました。


イリサ達の話はティアー達の話の表裏一体の物語でもあるので、表紙でも繋がりを持たせたくなって、こちらも「手の位置」をキーポイントにした絵にしたくなりました

向こうは自然豊かな森の中で手を繋ぐ寸前で、お互いの顔を見てる。


オレ達のは、手を繋いでるけど背中合わせで、真ん中に枯れ木1本。


ちょうど正反対の絵になってる

もちろん狙いに狙ってそのような構図です!(ドヤァ)
少々、ネタバレになってしまいますが……私達がこの場所でこのように手を繋ぐ、というのは「絶対に叶わない、幻想の光景」なわけですから……
「自分以外の方にお願いして描いてもらった美しいイリサ達が見たい」というのと、「物語の中では決して見られない景色を絵で見たい」という、


私にとって「二重の夢」を叶えてくれる構図になりました

作者が今後一生、この「描いてもらった絵」を俺達の小説の看板として掲げながら、投稿を続けるわけだからな……


構図にもなるべく深い意味を持たせられるようにこだわって、有償依頼して「作者だけじゃ不可能な見映えにする」っていうのはアリなのかもしれないなって思った

私は未だ絵の修行中ですが、まだまだ「複数人が体を触れさせてるような絵」は構図として難しくて、自分の望むクオリティで描けません。


この絵が完成した時の初見の感想は、何よりも、「うわぁ〜……イリサ達が手を触れ合わせてる……!」という「実在感」が半端なかったです

小説の中では、「手を繋ぎました」と書けばそれだけで「手を繋いだ」ってことになりますけど。実際の姿は脳内で思い浮かべるしかなくて、その「手を繋いだ」が見られるわけじゃないですから……私もしみじみと、同じようなことを感じちゃいましたよ〜……
小説書き界隈ではよく見かける、「個人誌即売会で本を売ってると、小説だからってだけでがっかりされて立ち読みすらしてもらえない」って話題になることがあります。私もそれは実体験で感じて悔しいなぁと思うこともありました。


ですが……この時、「手と手が重なってる、繋いでる箇所」を見ただけで感じた、圧倒的な「小説の中からキャラクターが飛び出して、目で実在を感じさせられる」という体験を経て、考えが変わりました。


こういうジャンルで絵にはとても敵わねぇや……!

小説を引退して絵と人形作りの方の技術を磨きたいって言ってるのも、敵わなさを感じたから小説じゃなくて絵で色々と出来るように……って狙いがあるのかな
敵わなさを感じたから、っていうネガティブな理由じゃないですよ〜。小説で今すぐやりたいことは全て「完結させた」ので、絵と人形の方に時間を使わなきゃいけないってだけなので
人の一生、時間は有限ですからね! 残念ながら、小説だけに時間を使っていると、他の技術を磨く時間に回せませんから……
この2年間、小説投稿サイトを眺めていて感じたのは、私は小説だけに集中した創作スタイルじゃないから……小説家だけを目指している人々と同じ土俵で戦うのはやはり難しいな〜……てことでした。


本エッセイ18話で語りましたが、私の理想はゲーム「どこでもいっしょ」みたいな、イリサ達と現実世界を一緒に楽しんで今後ずっと生きてくってことですから。


絵も人形作りも、今より上達した先で実現したい、新たな目標があるわけなんで

オレから言うのもなんだけど、その「新たな目標」ってやつについて話すのが、このエッセイの最終話の内容になるみたいだぞ
あくまで現時点での予定なのですが
このエッセイね〜……30話くらいで語りたい内容ぜ〜んぶ語って最終回「第一部・完」になるかと思ってたんですが。


今のところ、予定の半分語れたか? 語れてないか? ってペースになってて驚いてますよ

いつになったら終わるのか、今は誰にもわからない……
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登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中は第1脇役、みたいな扱いだったのに、執筆の記憶が遠くなった十数年後に作者が再読したら最推しに近い激重な愛され方をするようになった男。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


sohko3作品全キャラクターの中で最もツッコミ属性。

作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

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