第74話 オマージュ元について語る【TEAR編】(涙)
文字数 2,596文字
誰からも要望されてないのに、18年間秘匿していた「TEAR」のオマージュ元を語る日記、はーじまーるよー
一部はエブリスタのエッセイでも語ったことがあります。
※オマージュ元作品のネタバレがあります※
「TEAR」のオマージュ主成分は、
有名パズルゲーム「ぷよぷよ」(初代と通のみ。そして魔導物語は私の生まれた時代にはすでに伝説と化していたのでプレイ経験ないです)と、
私がプレイした様々なノベル系ギャルゲー。最も影響が大きいのは18歳未満禁止ゲー厶「痕-きずあと-」です
(スマホ様も出てきたので、これから語る作品について敦達は完璧に理解したってことにしてください)
大人も子供も誰でもやっていいパズルで遊ぶゲーム?
それと、なが〜いお話を読んで楽しむ、大人しかやっちゃいけないゲーム?
種類がぜ〜んぜん違うのに、ひとつにまとめるなんて出来るの?
パズルゲームをオマージュしたといってもパズル部分ではなくて、ストーリーや設定の方ですから。
具体的にどんなところかというと……
魔力最強の人間の魔導師の女の子、アルル・ナジャ16歳。その才能(魔力)ゆえに魔物達が次から次へと喧嘩売ってくる。時には「おまえ(の魔力)が欲しい」されることもある。
魔力最強の人間の高校生男子(16歳)が……って言い換えるだけで、まんま敦と同じじゃないか
だから前のページで、箇条書きマジックにするとパクりって思われるんじゃないかな〜って気にしてたのかな
純然たる憧れが形になった結果のオマージュではあるんですが、それにしたってこうやってまとめるとあまりにもそのまんまで自分でも驚いちゃいました。
その「憧れ」というのはですね。
「ごく限られた会話文と立ち絵と背景画だけのかけあいで、キャラクター、世界観、物語をプレイヤーに理解させた上で魅力までもを感じさせる」という技術です。
東方Projectシリーズなんかもこんな感じですね
小説を書くって台詞の倍以上の文章使って、背景や物語ぜ〜んぶ説明しないといけないもんな
出てくる人物背景設定とか心情とか文章だったら細かく説明するけど。そういうゲームだと「台詞にしか文章が使えない」、それも「ず〜っと喋らせてたらパズルが出来ないから少ししか話せない」
それなのに状況が伝わるって、確かにすごいことかもしれない
もうひとつの「痕」のオマージュ部分ですが。この作品のヒロインの女性は鬼の血を引いて現代まで生きている一族の末裔で、四姉妹の長女。自分も成人してほんの数年と若いのに毅然と振る舞わなければならない。鬼の血によって異常な力を持っていますがそれを隠して暮らさなければならない。
ギャルゲーなので主人公は男性で、彼の目線からは「年上で優しくて頼れるお姉さん」なんですが、彼女は本当の自分を隠して苦しんでいるんだよ……という物語です
……これも、ティアーっぽいって聞いただけでわかるな……
このゲームは選択肢や何回プレイしたかによって結末が変わるので、最初に「主人公が力及ばずヒロインが鬼の戦いで死んでしまうエンド」を見ます。私は彼女が「最後まで本当の自分の心のままに生きることが出来ずに亡くなる」「彼女の死を嘆く主人公」の場面とその文章に強く心を打たれました。
エンディングはそこで途切れますが、彼と残された姉妹達は自分達を守るために戦い命を落とした姉の死をどのように受け止めればいいんでしょう……
そんな場面を見てすぐに、選択肢やり直しによりヒロインは助かり、先程見た悲劇の結末は「なかったこと」になります。
しかし、現実では大切な誰かが亡くなったらやり直しなんか出来ませんし。私は、主人公や姉妹が「姉の死後、どんな感情を抱きいかに立ち直っていくのか」もちゃんと見たかったんです
……ゲームみたいに、「ああ、間違えちゃったな」って選択肢を、簡単にやり直せたらいいのにね
というわけで私がやりたかったのは、
「(ぷよぷよ)次から次へと現れる魔物と戦う」に、
「痕のエンディングから先の物語が読みたい」
をかけ合わせたものです。
前者は「TEAR」の時だけのオマージュですが、もうひとつの「痕」の影響は深刻でして。
「もう一度、痕のような物語を読みたい」というのが、私が空想をする動機になってしまって……
だから、あんまり良くないって言われがちな「登場人物が死んで泣ける話」を何度も書いて、ワンパターンになりやすいってことか
そう言われてしまいますけどね。私もまんまとその手法で感動させられて心を鷲掴みにされた読者のひとり。
私は誰かを泣かせたいからワンパターンで書くんじゃなくて、あの時の衝撃を自分でも何度も味わいたいからうっかりすると同じような話になってしまう。そういう循環なんですよ
元の作品を書いた人の新作を読んでるだけじゃ、満足出来ないくらい貪欲に求めてるってことかな
私が「今はもう小説を書けない心境になった」のと同じで、自分が若い頃に感銘を受けた創作者が、私が生きている期間ず〜っと創作を続けてくれるわけじゃないんですよ……
「ぷよぷよ」を作った会社は倒産して今は別の会社が権利を持っていて、私が好きだった「あの頃のぷよぷよの新作」はもう出ないでしょうし。
「痕」の制作者は脚本を手がけてはいますがあの頃とは業態が違うみたいで、完全オリジナルの新作を読ませてもらえる可能性は高くなさそうです
その制作者の人達がずっと新作を書いてくれていて、あんた(作者・あおくさ)が満足出来ていたら、俺達の話は書かれてなかったのかもしれないのか……
どうでしょうねー。同じ作者といっても、年齢によって書きたいものや意欲によって作風は変化するでしょうから。
それに、ティアー達というキャラクター自体は私が「痕」をプレイする前から存在してました。(ぷよぷよは私が幼い頃からあったため、魔物がいっぱい出てきてわちゃわちゃ〜ってだけの話でした、最初は)
今ある完成形とはぜ〜んぜん違う物語になってた可能性はあるかもしれません
悲劇的な部分の影響は「痕」の方が強いみたいだから、もしそのゲームをプレイしてなければもっと平和な話だったのかな……
ただし、「敦」や「豊」は「痕っぽい話にするために後付けで生まれた、ギャルゲー主人公とその友人枠」ですので、昔の構想ままだったら君達が存在しない話になってるかもですけどね
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