第54話 全てを諦めた時に「TEAR」が佳作受賞した(涙)

文字数 2,599文字

実は、2024年に結果発表があるコンテストに「TEAR」を応募していたんですが。ぜ〜ったい通ってないだろうな! って思ってたので、受賞の可能性から除外していました。


だから昨日の作品が受賞を逃して、今年はもう駄目だぁ~……と思い込んでました

※本当は発表時期は昨日の作品と今日の話で前後してますが、説明節約のため改変して語ってます。
選ばれないのがわかってて応募してるって、前の方で話してた記念参加ってやつ?
あれとは違います。希望としては「どうか、通って欲しい……!」って願いに願いまくってますけど。


私はコンテストの傾向を研究してきたので、願ったところで戦況が厳しすぎる! と覚悟してました。




応募したのは執筆応援キャンペーンで、


お題が「涙」だったからです

これはまた……ど直球ストレートど真ん中……
なにそれ?
ティアーはわかってやれよ……


「涙」って、おまえの名前だろ?

あっ……そうだった
18年も前から「涙さん」がヒロインの長編小説を細々と綴ってきていて、あの物語はただ登場人物の名前が涙ってだけじゃなく、全体通してのテーマだってちゃんと「涙」なんです。


君達だったらわかるでしょ?

まぁ……最後の方まで何度も、そういう場面が出てくるから……
私は登場人物の名前とストーリーを連動させて書くのがだ〜い好きなので、ヒロインの名前が「涙さん」なのは意味があるのです。


そこへ、「涙」がお題の小説コンテスト……これはさぁ……選んで欲しいじゃん?

でも、条件が厳しいって?
執筆応援は最初の2万文字だけで選考するのに、「TEAR」は60万文字以上ある小説です。


最初の2万文字でわかるのは、「ヒロインの名前が涙である」ってことだけです。


他の応募作品はお題が出てから書き始める人もいるはずで、そういう人は「涙」を物語上の重要アイテムとして使った作品を書いてくるはずです。(私だって普段はそうする)


そして「TEAR」は新作セレクションや運営特集に1度も引っかかったことのない作品だから、そもそもエブリスタの運営の好みじゃなかったんだろうな……と、私は思っていました

前の方で、選ばれなかったの辛かったって言ってたっけなぁ……どんまい
今となってはその落ち込みも過去の話ですよ。


執筆応援キャンペーン「涙」で、


「TEAR〜魔物の森の涙さん」が、


佳作受賞しましたので!

えっ……すごいじゃん
おめでとー!
いやいや、ティアーさん。メールでいただいた秘密の選評の方ではあなた、「涙さん」が選出の決め手と書かれていたので、私だけじゃなくてあなたが受賞したも同然なんですよ。おめでとうございます
え〜っ? そうなの!?
へぇ〜、それはいいな。おめでとう
そ、そっかぁ……あ、ありがと?
(敦は気付いてなさそうだけど、「涙さん」の方を褒められても、ティアーは素直に喜べないんじゃ……)
後はもちろん、私自身、あの場面には自信を持っているんですが。


選考範囲内(2万文字以内)に2話冒頭の、豊さんが体を張って◯◯る場面が入ってたのも決め手だったそうです。


おめでとうございます、豊さん

あんな目に遭わせておいておめでとうって、人の心なさすぎるだろ……
つまりですね。選ばれるのは難しいと思ってたけど、選んでもらえた理由はちゃんとあったし、18年前の自分が狙って書いたことを運営さんが読み取ってくださったってことなんですよ……


「涙さん、という名前のヒロインには、執筆応援『涙』にお出しするだけの意味がちゃんと込められてるってこと」


「作者は2話冒頭で急転直下するあの展開に勝負をかけてること」


それらが運良く、コンテストの選考基準である「2万文字以内」に入っていたからというのが一番大きかったと思います

1話目って俺達の普通の日常描写だけど、あそこがもっと長かったら2話冒頭までに2万文字に間に合わなかったかもしれないから、際どかったなぁ
私も長年、1話の日常描写が長すぎるのが、なかなか読んでもらえない理由なんじゃないかと気にしてたんです。


「TEAR」はノベルゲームオマージュの作品なので、日常をある程度描いてからそれを急速に奪われる悲哀を読むために、冒頭の日常描写が必要なんですが。あくまでビジュアルとストーリーを同時に楽しめるノベルゲームだから許される流れであって。


web小説では最初のページからどんどん話が動いていかないと、1話切りされてしまうという定説があります

↑これは今のような、投稿サイトでのweb小説公開が一般化してから言われるようになったので、「TEAR」を書いてた個人サイト時代は「こう書かなきゃ論」みたいなのは別になかったと思います。
今回の選評で一番嬉しかったのは、「この作品が大長編であるのは前提の上で、最初の2万文字だけでも面白かったです」って言っていただけたことです。


この部分がつまらないのかなぁ、と18年に及んで思っていたところを、「面白かった」と言ってもらえましたから……

18年前のあの頃は、書いてる人も俺達も、これから先どうなるんだろう、最後まで書けるんだろうか、どこかで誰かが読んでくれてるのかな……


って、何もかもわからない中で必死でやってたけど。


いつかこんなおめでたいことがあるなんて考えてもみなかったよなぁ

あの頃の自分はまさかこんな日が来るなんて、夢にも思わなかったでしょう。それだけ「趣味で書くweb小説の世界」が、あの頃とは何もかも変わったってことなんですが
水を差すようだけど、「コンテストのお題が、涙」っていうたまたまと、仮にティアーの名前が「涙さん」じゃなかったとしたら、今回の名誉はなかった可能性が高いんじゃ……
やだなぁ、あたしの名前が「涙」じゃないなんて、ありえないじゃ〜ん
そういう、ストーリー上の必然の話はしてねーよ!
豊さんの言う2点に加えて、募集時期にたまたま、私がまだエブリスタにいたという条件も追加されます
作者の頑張り以上のラッキーが重なった結果……


「運も実力のうち」って言葉、こういう時に使うのかな?

運営さんからいただいたメール選評はあまりにも面白い内容だったので、チャットノベル版「TEAR」の完結後、最終話以降に追加する「おまけのページ」に詳しく掲載して語りたいと思ってます。


現在公開済みの「clovernote」でやっているおまけを他の作品でもやろうと思っているので、あんな感じになると思っていただければ想像しやすいかと。

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登場人物紹介

作者。あおくさ。


普段のネット活動では長年、sohko3(ほしのそうこ)と名乗ってますが、この日記の中に限っては「あおくさ」と名乗ります。

名前:イリサ (青)


コウ君の影の中に住んでる謎の女性。

スーパーポジティブ

名前:コウ君 (青)


紙の日記を書く習慣がある。

スーパーマイペースな方のコウ君(多分)

名前:みく (み)


sohko3全作品の中で最も普通な、16歳の女の子。

だが、実はとんでもない裏話を秘めている

名前:秘密

通称:鏡の魔女 (み)


みくの友達だけど、同じ世界に暮らしてない。お酒好き。

名前:羽香奈(はかな)ちゃん (葉)


葉織君が好きすぎて、ちょっぴりヤンデレ? な女の子。小学6年生。

名前:葉織(はおり)君 (葉)


羽香奈ちゃんの「いとこ」だったが、家庭の事情で「きょうだい」になる。不思議な能力を持つ男の子。小学6年生。

新品のスマホ様


作者が買ったばかり、ピカピカのスマホ。

イリサをはじめ、キャラクター達が知るはずのない現代のネット事情について語る時、彼らの中へ情報をアップロードするために現れる

名前:敦(あつし) (涙)


とある長編の主人公。「ノベルゲームやギャルゲーの没個性主人公」をイメージして作られたので、実はバックボーンが薄いという弱点がある

名前:ティアー (涙)


とある長編のヒロイン。狼少女なので嘘をつく。


()←この中のセリフが本音

名前:豊(ゆたか) (涙)


作品執筆中はストーリーに都合のよいだけの便利なサブキャラでしかなかったのに、作者が忘れた頃に読み返したら性癖に刺さって最愛の推し息子のひとりになってしまった。

名前:血染め地蔵


sohko3全作品の中で最も謎が深い。

作者の現実息子が作ったキャラクター。


この日記の中では息子の言ったことを代弁するためにも使います

名前:山あざらしのサン


sohko3作品全キャラクターの中で最もツッコミ属性。

作者の現実娘が作ったキャラクター。

この日記の中では現実娘の言ったことを代弁するためにも使います。

通称:パー様 (パ)

名前:パーシェル


文字で表現した創作活動であればなんでも褒めてくれる神様。本に対しては滅法優しいが、人間に対しては常に塩対応

名前:エリーさん (パ)


パー様の従者だが、主神(しゅじん)に対して態度が大きい。恋バナ出来る貴重な人材。

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