第76話 リスペクト元について語る【その他編】(み)
文字数 3,013文字
本日お話する作品は、一身上の都合によりタイトルを明かせません
オマージュが絡む話で後ろめたいって……つまり、そういうこと?
盗作ではないですからね!?
私は長年、ブログで版権作品の二次創作をしていました。
と言っても二次創作と聞いて多くの人が想像するような、「好きな作品の漫画や小説を書く」わけではなくて。
好きな作品のキャラクター人形やフィギュアを作って遊んで、その写真をブログで公開していました
二次創作というより、ファン活動のひとつという印象を受けるわね
※イタリア料理を食べたら、イタリア出身のキャラクターと一緒に
※コーヒーを飲んだら、コーヒーと関係する以下同文
※プラネタリウムへ行ったら以下同文
※江ノ島へ行ったら以下……
他にも無数にありますが、例を挙げるとこんな感じ。自分が何かをする、どこかへ行く際、常に「どの版権キャラクターを関わらせようかな」って考えてました。
しまいには「私が好きなコーヒーやイタリアに関わったから、その版権キャラが好きになる(人形にして遊んだら楽しそう)」といった、本末転倒なことにもなってました
たまごが先か、にわとりが先か……みたいになっちゃったね
2008年になって「旅するイリサ」を始めようとした時。この企画をどのキャラクターで開始するか? という選択で非常〜〜に迷いました。
当時大好きだった版権キャラクターでやるか、イリサでやるのかという選択ですね
迷うようなことかなぁ……それを始めようとした時、版権キャラクターとイリサさんのどちらの方がより好きなのか、ってだけじゃない?
邪な話ですが、私のオリジナルキャラクターでやるよりも、版権キャラクターの方が需要があって閲覧してもらえると思って迷いました
当時の私の選択はご覧の通りです。旅するイリサは、イリサで始めました。
この企画は私の人生の記録でもあるので、自分が生み出したわけではない他者の創作物に頼るのは危険だと思いました
閲覧数よりも、もっと大事なことを優先出来たみたいだね
そう言われると良い話に聞こえそうですが(そうか?)、もうひとつ、本音があります。
その当時だ〜〜い好きなキャラクターで「旅する◯◯」を始めたとして、私がそのキャラクターを、いつまでも同じ熱量で好きでいられる保証はないと思ったんです。
つまり、「私がそのキャラクターに飽きた時が悲惨かもしれない」と、どうにも胸の奥の「嫌な予感」が払拭しきれませんでした
「旅するイリサ」は16年続いてるそうだけど、もし別のキャラクターを選んでいて、あなたが「そのキャラクターに飽きていた」としたら。16年のどこかで終わっちゃってたかもしれないね
ちなみに、「旅する◯◯」の候補になっていたのはどんなキャラクターなの?
……? 一度はそういうことをしてみようって思うくらいに好きだったんだよね? 覚えてないなんてある??
あの頃の私にだってさすがに予想できませんでした、まさか「忘れてしまう」なんて……あんなに好きだったのに、今はもう、「で、あの頃の私は誰が好きだったっけ?」って記憶が曖昧なんです
オンナの好きは上書き保存〜、って言うものね。アナタにとっては2次元の人物もそうだったってことじゃない?
子供の頃に好きだったキャラクターなんかは遠い日の思い出になっていて、たまに思い出しては「懐かしい〜、今でも大好き〜」ってなるんですが。大人になってから特定の時期に好きだったキャラクターに関しては、色々と「嫌な記憶」に上書きされることが多いのか、「なんで好きだったんだっけ……?」って、自分で自分の感情や記憶が曖昧になってしまったんです
その闇に関しては明日のエッセイで深掘りします。
「clovernote」や「江ノ島〜」は、オマージュ元があるというよりは、「私の好きな特定のジャンルを題材にした作品」があって、例えば江ノ島へ出かける時にはそのキャラクターの人形を持っていって写真を撮ったりしました。
ある年、自分が撮った江ノ島の思い出をフォトブックにまとめようと思った時……
版権キャラクターと江ノ島を一緒くたにした写真だらけで、いざという時に「私の撮った江ノ島の写真集」として、堂々と世の中に出しにくいことに気が付きました
版権キャラクターと江ノ島の組み合わせが大好きな人にとっては、見ていて楽しい写真集なんじゃないかと思うけど……
実を言うと私もほんの僅か、二次創作で小説を発表したことがあります。そのキャラクターが大好きなごく一部の人が喜んで思い出にしてくれた。それは確かにそう。
ですが、私自身の心境の変化によって、「自分のキャラクターじゃなく版権キャラクターで書いた小説だから、今はもう表に出す気がしない……」
小説を書くための労力は一次創作も二次創作も変わらないのに、後者は堂々と「私が書きました!」って言いにくい(別名義でこっそりやってた)
二次創作なんて読むのも書くのもま〜ったく考えたこともないから、僕には書く人の心境の変化っていうのがちっともわからないよ……ごめんなさい
みくにはまだわからないでしょうけど、書く人か否か、というだけじゃなくて。歳を重ねることによる精神の変化も関係しているのかも……って、ワタシは聞いてて想像しちゃうけど
おそらくその想像は正しいです。
心境の変化があった結果、「自分の好きなものを表現するために、版権キャラクターの力を借りることに、虚しさを感じるようになってしまった……」
なので、今までは「リスペクトする作品の好きなキャラクター」を借りて表現していたことを、今後は自分のキャラクターだけで表現出来るようにしていきたい。
みくさん達や葉織君達は元からいたキャラクターですが、具体的に「どんなジャンルを担当するか」がまだ決まっていなかったので……
ワタシお酒、彼らは江ノ島……みたいな、役割の振り分けをしつつ、小説を書くことになったのね。
そうすると、みくの「虫や星や自然など、好きな物がた〜くさんある」っていうのは盛りすぎな気がするけれど
みくさんは私の夫のブログの看板娘なんですから。そのブログで頻出する話題にはどれも関心があるよ〜ってするのが自然じゃないですか
お酒だけは未成年の僕には担えないから、もうひとりの「彼女」が後から生まれてきたのかなぁ
「鏡の魔女」さんはある日突然に夫が「実はみくさんはもうひとりいるんだ」って隠し子みたいに言い出したので
「おまえは一体何を言っているんだ??」
って、私は宇宙猫と化したんですが。夫の深層で役割分担が始まった結果としてみくさんが分裂したのかもしれないですね
※と、いうわけでリスペクト元のタイトルを明かせないのはその作品を好きな人が見たら気を悪くする可能性があるからでした。ブログの方を読んでくださっていた方がここを見たら察してしまうかもしれませんが。
ついにほぼ3000文字になっちゃいましたが今日だけは文字数抑えきれませんでした!
奇遇なことにこの日記を書いている8月8日は、こういった経緯でプラネタリウムお出かけ係に任命されたみくさん達で、ノベルデイズ版clovernoteの表紙に使った写真を撮影した日でした
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)