第6話 ロザリーの胸の内
文字数 833文字
お披露目パーティーの次の日から、私は忙しくなった。
午前中は教養やダンス、綺麗に見える所作のレッスン。
午後は、お茶会の予定が入るか、キャロル様とのお勉強に充 てられた。
そして、王子たちが最低限参加しないといけない夜会だけは、私も参加させられていた。
「ロザリー様の所作はキレイですね」
所作のレッスンの後、エイミー様が私をほめてくれた。
「そうですか? 自分では良くわからなくて」
「わたくしもその内に、縁談が決まると思うのですが……。よその国に嫁ぐとなると不安で」
エイミー様はうつむき加減でそう言った。
そうよね。私も不安だったもの。皆、同じなのね。
「ロザリー様はすごいですわ。一人で嫁いできても、前向きに頑張ってらして」
「え……っと。でも、わたくしもこちらに来たばかりの頃、夜泣いてしまったのですよ。不安で」
「そうなんですか」
ちょっと、気恥ずかしいけど……。
「だけど、クリス様が優しく、わたくしをなぐさめながら添い寝してくださったの」
「まぁ。素敵ですわ。クリス殿下、お優しいのですね」
目をキラキラさせて、エイミー様が言っている。
そうなのよね。普段はそっけないのに、時々優しいの。
何でかしら?
日中忙しく疲れているせいか、クリス様が何も言わなくても私は早々にベッドに入るようになっていた。
別に、嫌われている訳では無く。クリス様が、年相応の行動を好むと、だんだんわかってきたからだけど。
仕事が終わったのか、私の横にクリス様が入ってきたのが分かった。
「ん~。クリス様?」
私はクリス様の方に、自然と寝返りを打ってその腕に収まってしまう。
なんだか、頬を突かれた気がした。
眠くて目が開けられないけど、少し笑った気配がする。
「ダメだよ。僕の前でそんな無防備にしては。僕はね。君を死なせてしまっても何とも思わない……賢者の石の欠片で出来ているのだからね」
何だか物騒な事を言われた気がしていたけど。
クリス様に深く抱き込まれて、私は安心して眠ってしまっていた。
午前中は教養やダンス、綺麗に見える所作のレッスン。
午後は、お茶会の予定が入るか、キャロル様とのお勉強に
そして、王子たちが最低限参加しないといけない夜会だけは、私も参加させられていた。
「ロザリー様の所作はキレイですね」
所作のレッスンの後、エイミー様が私をほめてくれた。
「そうですか? 自分では良くわからなくて」
「わたくしもその内に、縁談が決まると思うのですが……。よその国に嫁ぐとなると不安で」
エイミー様はうつむき加減でそう言った。
そうよね。私も不安だったもの。皆、同じなのね。
「ロザリー様はすごいですわ。一人で嫁いできても、前向きに頑張ってらして」
「え……っと。でも、わたくしもこちらに来たばかりの頃、夜泣いてしまったのですよ。不安で」
「そうなんですか」
ちょっと、気恥ずかしいけど……。
「だけど、クリス様が優しく、わたくしをなぐさめながら添い寝してくださったの」
「まぁ。素敵ですわ。クリス殿下、お優しいのですね」
目をキラキラさせて、エイミー様が言っている。
そうなのよね。普段はそっけないのに、時々優しいの。
何でかしら?
日中忙しく疲れているせいか、クリス様が何も言わなくても私は早々にベッドに入るようになっていた。
別に、嫌われている訳では無く。クリス様が、年相応の行動を好むと、だんだんわかってきたからだけど。
仕事が終わったのか、私の横にクリス様が入ってきたのが分かった。
「ん~。クリス様?」
私はクリス様の方に、自然と寝返りを打ってその腕に収まってしまう。
なんだか、頬を突かれた気がした。
眠くて目が開けられないけど、少し笑った気配がする。
「ダメだよ。僕の前でそんな無防備にしては。僕はね。君を死なせてしまっても何とも思わない……賢者の石の欠片で出来ているのだからね」
何だか物騒な事を言われた気がしていたけど。
クリス様に深く抱き込まれて、私は安心して眠ってしまっていた。