第5話 お披露目パーティー
文字数 1,493文字
「ロザリー・アルンティルでございます。みなさま、よろしくお願いします」
クリス様が自分の婚約者として簡単に紹介してくれた後、私は少し緊張しながら挨拶をした。
クラレンス様が言っていた通り、親の世代の参加は無い。
主に王子や王女、その婚約者が参加する、言わゆる王宮の中庭を使った立食式のお茶会といった感じだった。
挨拶まわりが終わった後は、私の横にずっとキャロル様が付いてくださっている。
クリス様は、どこに行かれたのか姿が見えなくなっていた。
「ロザリー様。このお菓子美味しいのよ。遠慮しないでね」
「はい。ありがとうございます」
お茶やお菓子の取り分けから、挨拶に来た方への対応までお世話してくれている。
まるで、お母さま……と言っては失礼だわ。お姉さまのよう。
キャロル様の側は、なんだかとても居心地が良い。
その内に、クリス様が私の側までやってきた。
周りには、先ほど紹介してもらったダグラス様と後は……。
「アーノルド・ムーアクロフト公爵が娘、シルヴィアと申します。ダグラスの婚約者ですわ。ロザリー様にお目にかかれるのを、楽しみにしておりました」
キレイな所作だわ。すごい。
ついつい、見惚れてしまうわ。
「ハーボルト王国第二王女、エイミーでございます」
「同じく第三王女、ベティでございます」
「「お目にかかれて光栄ですわ」」
私と同じくらいの、女の子たちが挨拶をしてくれている。
「これから私たちと一緒にお勉強頑張りましょうね」
そういって、エイミー様が自分たちの挨拶を締めくくった。
って、お勉強? 一緒に?
思わずクリス様の方を見てしまったのだけど、答えてくれたのはダグラス様だった。
「ロザリー姫は、まだ10歳だろう? ちょうどうちのエイミーも同じ歳なんだ。ベティはまだ8歳だけど。一緒に勉強をしてくれるかな?」
優しいお兄さんの顔でダグラス様が言ってくれた。
私は、思いもかけない申し出に嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
「はい。ありがとうございます」
本当に嬉しい。同じ年の女の子と仲良くなれるなんて。
「ロザリー。これから君には、お茶会や夜会にも参加してもらう事になるけど。最初の内は、シルヴィア嬢とキャロル嬢に色々教えて貰って、一緒に行動するといいよ」
クリス様が私にそう提案してきた。
「まぁ。最初はね、じゃないですわよね。ずっと仲良くしてましょう。ロザリー様」
シルヴィア様が心外とばかりの顔で言ってきた。
「本当ですわ。夜会なんて、イヤな事が多い場所ですもの、ずっと一緒に居ましょうね」
そう言われて私はキャロル様に抱き寄せられた。
「こらこら。あまり甘やかさないでくれよ? 後で困るのは、ロザリーなんだら」
クリス様はやれやれと言う感じでこっちを見ているけど、確かにそうよね。
自分一人で、何でも出来るようにならなくっちゃ。
「みなさま。ご指導よろしくお願いします」
そう言って、私は礼を執った。
「ああ。キャロル。君、貴族の相関図が頭に入っていたよね。それを、ロザリーに教えてやってくれる? すぐにでも社交を始めないといけないから」
私が挨拶をした後、すぐにクリス様はキャロル様に話を振っていた。
「そうよね。ロザリー様にデビュタントは無かったんだわ。分かったわ。わたくしだって、公爵夫人としてやっていけるだけの知識はあるんだから」
任せて頂戴、ってキャロル様は胸をポンと叩いてる。
その様子にクリス様は呆れたように
「キャロル。君には王妃としてやっていけるだけの教養も入っているはずなんだけどね」
そう、こぼしていた。
この二人は、本当に仲が良いのだか悪いのだか分からないわ。
クリス様が自分の婚約者として簡単に紹介してくれた後、私は少し緊張しながら挨拶をした。
クラレンス様が言っていた通り、親の世代の参加は無い。
主に王子や王女、その婚約者が参加する、言わゆる王宮の中庭を使った立食式のお茶会といった感じだった。
挨拶まわりが終わった後は、私の横にずっとキャロル様が付いてくださっている。
クリス様は、どこに行かれたのか姿が見えなくなっていた。
「ロザリー様。このお菓子美味しいのよ。遠慮しないでね」
「はい。ありがとうございます」
お茶やお菓子の取り分けから、挨拶に来た方への対応までお世話してくれている。
まるで、お母さま……と言っては失礼だわ。お姉さまのよう。
キャロル様の側は、なんだかとても居心地が良い。
その内に、クリス様が私の側までやってきた。
周りには、先ほど紹介してもらったダグラス様と後は……。
「アーノルド・ムーアクロフト公爵が娘、シルヴィアと申します。ダグラスの婚約者ですわ。ロザリー様にお目にかかれるのを、楽しみにしておりました」
キレイな所作だわ。すごい。
ついつい、見惚れてしまうわ。
「ハーボルト王国第二王女、エイミーでございます」
「同じく第三王女、ベティでございます」
「「お目にかかれて光栄ですわ」」
私と同じくらいの、女の子たちが挨拶をしてくれている。
「これから私たちと一緒にお勉強頑張りましょうね」
そういって、エイミー様が自分たちの挨拶を締めくくった。
って、お勉強? 一緒に?
思わずクリス様の方を見てしまったのだけど、答えてくれたのはダグラス様だった。
「ロザリー姫は、まだ10歳だろう? ちょうどうちのエイミーも同じ歳なんだ。ベティはまだ8歳だけど。一緒に勉強をしてくれるかな?」
優しいお兄さんの顔でダグラス様が言ってくれた。
私は、思いもかけない申し出に嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
「はい。ありがとうございます」
本当に嬉しい。同じ年の女の子と仲良くなれるなんて。
「ロザリー。これから君には、お茶会や夜会にも参加してもらう事になるけど。最初の内は、シルヴィア嬢とキャロル嬢に色々教えて貰って、一緒に行動するといいよ」
クリス様が私にそう提案してきた。
「まぁ。最初はね、じゃないですわよね。ずっと仲良くしてましょう。ロザリー様」
シルヴィア様が心外とばかりの顔で言ってきた。
「本当ですわ。夜会なんて、イヤな事が多い場所ですもの、ずっと一緒に居ましょうね」
そう言われて私はキャロル様に抱き寄せられた。
「こらこら。あまり甘やかさないでくれよ? 後で困るのは、ロザリーなんだら」
クリス様はやれやれと言う感じでこっちを見ているけど、確かにそうよね。
自分一人で、何でも出来るようにならなくっちゃ。
「みなさま。ご指導よろしくお願いします」
そう言って、私は礼を執った。
「ああ。キャロル。君、貴族の相関図が頭に入っていたよね。それを、ロザリーに教えてやってくれる? すぐにでも社交を始めないといけないから」
私が挨拶をした後、すぐにクリス様はキャロル様に話を振っていた。
「そうよね。ロザリー様にデビュタントは無かったんだわ。分かったわ。わたくしだって、公爵夫人としてやっていけるだけの知識はあるんだから」
任せて頂戴、ってキャロル様は胸をポンと叩いてる。
その様子にクリス様は呆れたように
「キャロル。君には王妃としてやっていけるだけの教養も入っているはずなんだけどね」
そう、こぼしていた。
この二人は、本当に仲が良いのだか悪いのだか分からないわ。