第68話 何とビックリ七重唱!
文字数 1,730文字
今度はマルチェッリーナ、バルトロ、そしてバジリオが、つかつかと入ってきます。
敵は一気に四人になりました。迎え撃つ方策は見つかるのでしょうか?
何とか伯爵に取りすがろうとするフィガロ。
伯爵は新たにやってきた三人の味方なのです。
(フィガロだけ、借金の時の契約書を思い出してドキっ)
三人、声を揃えて言い返します。
ここから4対3の合唱の掛け合いが始まります。
つまり、七重唱! 聞きどころにして、超難曲として知られます。
以下、左側の4人のシルエットは、マルチェッリーナ・バルトロ・バジリオ・伯爵。
右側の3人は、フィガロ・スザンナ・伯爵夫人です。
20分にも及ぶ、長大な第二幕フィナーレ曲の中で、ラストを飾る部分です。
一人が間違えると、次々と間違いが連鎖……ということも(練習では)あるのだとか。というわけで緊張感たっぷりの曲でもあります。
七人の息がピッタリと合ったこの歌をぜひご堪能ください。
しかし別々のセリフが同時進行、というのは、本当にオペラならではの表現だね。
小説ではもちろんだけど、演劇やミュージカルでも見ないような気がする
(※特殊な例ではあるそうです)
オペラの場合、セリフで細かい情報を伝えるよりも、音楽で雰囲気を伝えるのが優先。
その点ではやっぱりオペラは「演劇」じゃなくて「音楽」なんだな~(ちなみにオペラのお客さんは、一般的に「観客」ではなく「聴衆」と呼ばれます)
だけど物語にリアリズムが求められるようになったのは、大まかに言えば19世紀以降のこと。
オペラの演目の多くは古いものなので、今の感覚とはギャップがあるんだよ。そこを埋めていくのが、演出の役割だね
フィガロは借金のために、マルチェッリーナと結婚しなければならないのか⁉
と不安を抱かせたところで、第2幕は終了。
小休止の後、第3・4幕はペースを上げてご紹介する予定です。
フィガロたちの運命がどうなるか、ぜひ今後も見守って下さい!