第52話 やばい、伯爵が来た!
文字数 1,735文字
第1幕 第6景
一人で興奮しまくっていたケルビーノ。
一度は部屋を出て行こうとしましたが、すぐに戻ってきます。
間の悪いことに、彼が誰よりも恐れるアルマヴィーヴァ伯爵がここへやってきたのです!
というのも、女性に恋をしまくっているケルビーノは、昨日バルバリーナとの逢引現場を見とがめられたばかり。
今ここで見つかったら、今度はスザンナと逢引していたと誤解されてしまいます。
ケルビーノは椅子の後ろに隠れ、スザンナはその上から見えないように布を掛けます。
伯爵は当然のように部屋に入ってきます。
ここも注釈が要りそうだね。
西洋のお城では、男性の主人に仕える人と、夫人に仕える人とできっちり分けられていたの。スザンナは夫人に仕える立場なので、伯爵と二人きりでいるのは明らかに不自然なんだ。スザンナが「人に見られちゃまずい」と言っているのはそういう意味です
伯爵は優しくスザンナの手を取ります。
あからさまに振り払うことのできないスザンナ。
それでも必死に逃れます。
ここで「秘密の大使夫人」に任命されてはかないません。
スザンナは何とか恐ろしい任務から逃れようと画策しますが……
言われるや否や、伯爵は大興奮!
スザンナの頼み事とあらば、何でも聞いてやるつもりです。
伯爵はスザンナを抱き寄せ、再び彼女の手を取ります。
顔を歪めるスザンナ。
スザンナが明らかに嫌がっているのに、伯爵はしつこく口説き続けます。
そのとき、外で声がします。
城に出入りの音楽教師、バジリオのようです。
伯爵の方も、こんな所を見られたくないのです。
二人とも慌てふためき、部屋を見回します。
と言いながら、本当に椅子の後ろに入り込んでしまう伯爵。スザンナは止めようとしましたが、間に合いません。
あわやケルビーノは見つかったか!
と思いきや、間一髪。身軽な少年はするりと抜け出て、椅子の前に回り、今度は椅子の上に乗り込みます。
スザンナはケルビーノを部屋着で覆って隠します。
こちらは第一幕全体の動画です(単独の動画が見つからず、すみません)。
今回のお話に対応する部分は、31.00~32.55付近。スキンヘッドの伯爵が、強烈な印象です!