第5話 カルメン逮捕と「セギディーリャ」
文字数 1,430文字
ミカエラの手から、ホセは母親の手紙を受け取りました。
焦った様子で、また走り去ってしまうミカエラ。
ホセは首を傾げ、その後ろ姿を目で追いますが、手紙を読んでその理由が分かります。
しんみりと目を閉じ、感慨にふけるホセ。
しかしここで、タバコ工場から「キャー」っと悲鳴が上がるのです。
不穏な音楽とともに、タバコ工場から女工たちがどっと飛び出してきます
女工たちは口々にわめき、スニーガに訴えます。
どうもカルメンと他の女工・マヌエリータが、口喧嘩の果てに取っ組み合いを始めてしまったようです。
女工たちはスニーガをはさみ、真っ二つに分かれてどっちが悪いと大論争。
女工たちは葉巻を作るため、小刀を持っています。
凶器があるだけに、危ない!
実際、カルメンはマヌエリータに怪我を負わせてしまったようです。
ホセはタバコ工場へと駆けこんで行きます。
やがて、縛られたカルメンが、ホセに引っ立てられて外に出てきます。
やはりマヌエリータは怪我を負い、カルメンが加害者であることは間違いないようです。
スニーガはホセに、もっと詳しく取り調べをするよう命じます。
ところが……
スニーガは怒りを露わにして立ち去ります。
二人きりになったカルメンとホセ。
ここでカルメンが怪しい動きを始めるのです。
超有名な、この誘惑の場面。
ここで歌われるのが「セギディーリャ」という曲です。
(セギディーリャとはスペインの詩型の一つで、さらにその詩を用いた民謡・舞曲を指します)
やっぱりそうか……。
ま、多くの男性が、サバ君と同じ感想を持つかもね。
実際、ホセ役のテノール歌手にとって、この場面を演じるのはとっても難しいんだって。つい冷静さを失い、膝を屈してしまう男の性(さが)を、わざとらしくなることなく、自然に演じなければならないからね