第32話 「私達はジプシー。遠くの国からやってきた」
文字数 1,356文字
第二幕・第二場
ここはヴィオレッタの友人、フローラ・ベルヴォワの屋敷。
舞台上には、賑やかなパーティーの光景が浮かび上がっています。
人々に愛嬌を振りまくフローラ。
ドビニー侯爵は異様に情報が早いですね!
ガストーネはアルフレードの友達なのに、何も聞いていないのでビックリ!
人々から驚きの声が上がります。
中でもグランヴィル医師は、ヴィオレッタを診察するために頻繁に二人に会っているので腑に落ちません。
不穏な空気になりましたが、ここで舞台は一転。
余興として、楽しい舞踊が始まります。
タンバリンを手に入ってきた女性ダンサーたちは、ジプシーの娘に仮装しています。
女たちはまずフローラの手相を見ます
続いてドビニー侯爵。
物語の行く末を暗示するように、再び女たちが踊ります。
今度は男性の踊り子たちによる出し物です。
闘牛士の姿に仮装して、いさましく部屋に入ってきます。
娘は言った。「一日で五頭の牛を倒せる? できたら私の身も心もあなたのものよ」
闘牛士は言った。「やってやろうじゃないか」
さあ五頭の牛と対決だ。
彼は見事、勝者となった。あっぱれ、これこそ愛の証し!
望みの褒美を、彼はしっかりと腕に抱いたとさ
パーティーは大変な盛り上がりで、踊り子たちと一緒に踊り出す貴族もいます。
性的なお誘いも(こっそりだけど)もちろんアリ!
男性の踊り子たちは、賭博の台を指してしめくくります。
というわけで、『椿姫』にも舞踊のシーンが登場します。
実際に昔の貴族の屋敷で行われたパーティーでも、こんな余興が用意されていたと言われています。