第80話 勘違いの嵐
文字数 1,674文字
第3幕 第12~14景
最悪のタイミングで、伯爵がやってきます。
全く気付かず、スザンナ(に見せかけた伯爵夫人)に迫るケルビーノ。
伯爵はケルビーノの存在に気づき、かっとなって近づいていきます。
スザンナを守ろうとして、二人の間に割って入る伯爵。
しかし……
ブチュ。
……ケルビーノと伯爵は、思いっきりキスをしてしまいました。
一方、別方向から近づいてきたフィガロ。
スザンナと伯爵はこれからお楽しみを始めるところだと、まだ思い込んでいます。
パーン!
平手打ちを食らわせますが……
あれあれ? 叩いた相手はケルビーノではなくフィガロではありませんか。
しかし気づけばケルビーノは逃げていったようですし、フィガロも頬を押さえて退散していきます。
こうなったら、伯爵はにんまり顔。
甘ったるい声で伯爵はスザンナを誘い、館へ連れ込もうとします。
ところがここで、まだ周囲をうろうろしているフィガロの姿が見えてしまうのです。
見とがめられてはなりません。別々に館に入って行こうということになり、いったんこの二人は別れます。
フィガロは大真面目に言っているのに、近くの茂みの中から咎める声が。
フィガロの目に入ったのは、伯爵夫人の被り物です。
パン、パン、パン!
すぐに仲直りした二人。
暗闇でギュッと抱き合います。
二人の歌声が混じり合い、オーケストラが盛り上げます。
ところがまた、近くからあの人の声が…
あの人を懲らしめてやらねば気がすみません。二人は夫人のためにも「伯爵夫人とフィガロ」の不倫現場を演じ続けることにします。
ぎょっとする伯爵。
この人にとって、夫人の浮気は耐えられるものではありません。
怒り狂った伯爵は、どうするのでしょうか。
次回、いよいよ最終回です。