第37話 第三幕への前奏曲
文字数 1,405文字
こちらの動画、指揮者は故ゲオルク・ショルティさんです。
ショルティさんはユダヤ系だったこともあり、戦争の時はずいぶん苦労をされたそうです。戦後は音楽の力で平和を実現しようと、さまざまな試みをしたことが知られています。
第三幕
一か月後。薄暗い、ヴィオレッタの病室。
シーツや寝間着には、吐血した跡が。
咳き込むヴィオレッタ。急速に病状が悪化していることが感じられます。
慌てて駆け寄り、ヴィオレッタに水を飲ませるアンニーナ。
アンニーナが光を入れると、同時に来客が。
少しして、アンニーナはグランヴィル医師を連れて部屋に戻ってきます。
ヴィオレッタは立ち上がろうとし、グランヴィル医師は慌てて彼女を椅子に座らせます。
他に見舞いに来てくれる客はほとんどいないので、ヴィオレッタはグランヴィル医師に対しひたすら恐縮しています。
グランヴィル医師を見送りつつ、アンニーナはこっそり聞きます。
わっと泣き崩れるアンニーナ。
アンニーナが病室に戻ってくると、ヴィオレッタは一通の手紙をじっと見つめています。
(手紙の朗読は次回で!)
暗い病室と対照をなすように、外からは賑やかな声が聞こえてきます。
バカ騒ぎの様子が聞こえてきます。
ヴィオレッタは昔、自分もそういう狂乱の中に身を置いていたことを思い出します。
手持ちの資金は、ほとんど底をついています。
アンニーナは当然戸惑います。
残された時間がわずかだと気付いているヴィオレッタ。
今の望みは、愛するアルフレードにもう一度会うことだけです。
アンニーナを急かし、外へ行かせるヴィオレッタ。
アルフレードからの連絡をひたすら待っているのです。というのも、彼がいずれここへ来ると聞いているから。