第74話 第三幕フィナーレ

文字数 1,155文字

第3幕 第14景

多くの人々が集まって、二組の結婚式が粛々と行われます。

フィガロ&スザンナ、マルチェッリーナ&バルトロの二組です。


花嫁のヴェールを持った娘が二人、人々の前に立って歌います。


揺るがぬ心の、恋する娘

名誉を貴ぶ娘たち

領主様を称えましょう

人を辱め、傷つけるあの特権を手放してくれたのですから

他の人々も歌います。
歌おう。称えよう。

このように立派なご領主様を

二人の花嫁には、順にヴェールが授けられます。

伯爵夫人はニコニコ笑顔ですが、伯爵はムスっとご機嫌斜め……


しかしその時です。

スザンナは他の人々に見えないように、伯爵に手紙を渡しました!

……
ん……? 何だ、スザンナ

(すぐに察して、手紙を懐に入れる)

行進曲は一転、切ないメロディーのファンダンゴが流れます。


人々が踊りを始めると、伯爵はこっそり脇へ行き、手紙を開封します。

いきなり、ピンで指を刺してしまう伯爵。

いてっ。まったく女はなぜ手紙をピンで止めるんだ
ぶつぶつ文句を言い、傷口を舐める伯爵。

でもスザンナの文面に目を落とした途端、はっとします。

ほう。分かったぞ、スザンナ。

今夜、私と会ってくれるのだな?

一方、スザンナと踊っているフィガロは、伯爵の様子をチラ見して、怪訝な顔。
(スザンナを抱き寄せ、耳打ち)

誰か、お殿様に恋文を渡したようだぞ?


さっそく指を怪我してやがる……あの人も間抜けだなあ(笑)

……(うまくいくかしら。ヒヤヒヤだわ(汗))
伯爵は、スザンナと逢引ができると思い込み、途端に機嫌が良くなりました。

こうなったらもう、みんなに大盤振る舞いです!

さあ、皆の者。もう下がるが良い。

今宵は披露宴だぞ! 最高のパーティーにしてやろう

歌に花火に、晩餐会。思い切って豪勢にやろうではないか。


これで皆にも分かろうぞ。私がいかに領民思いであるか

素晴らしい!!

伯爵様、バンザイ!!

人々は伯爵を取り囲んで大喜び!

これにて第3幕は終了です。

ここでも、東京二期会さんの舞台より。

第3幕全体の動画ですが、37.00~ラストが今回の内容です。

伯爵は懲りない奴だな。

また「騙された~!」って怒り出すんじゃねえの?

よっぽどスザンナにご執心、とも言えるね。

スザンナを愛人に仕立てあげようとしていたバジリオも、何だかちょっと不満そうだし……まだ解決していないところがいくつもあるなあ

伯爵は最後までダメ男のままなのか?
いやいや、それじゃ「一件落着」とはならないでしょ。

誰かがシャキっと立ち直らせないと、この物語は終わらないよ

その通り!

誰が立ち直らせると思う?

フィガロか……スザンナか……
まさか、伯爵夫人とか?
そこは、第4幕のお楽しみってことで~(笑)。


でも確かに、伯爵夫人はだんだんしっかりしてきていますよね。彼女が下す強力な鉄槌にご注目を。


というわけで、第4幕もよろしくお願いします!

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