第6話 間奏曲「アルカラの竜騎兵」
文字数 1,263文字
(前回「セギディーリャ」の続きです)
ホセはまだ激しい葛藤の中にいます。
この女の色香に屈してはいけない。
分かってはいるけれど……
ついにホセは、カルメンの縄をほどいてしまいました!
スニーガが紙を手に戻ってきます。
カルメンはホセをつつき、そっとささやきます。
カルメンの計画通り。護送中に突き飛ばされたホセは派手に転び、その隙を突いてカルメンは脱走します。
縄は解かれていたので、お手のもの。
荷車がひっくり返り、積まれていた野菜がころがっていき、人々が悲鳴を上げます。
広場は騒然として大パニック。
スニーガは直ちに何が起こったかを理解します。
起き上がったホセを別の兵士が捕らえ、怒鳴りつけるスニーガ。そんな大混乱を背景に、オーケストラが派手にフィナーレを掻き鳴らし、幕が閉じられていくのです。
これにて、第一幕が終了。
さて第二幕が始まる前に、間奏曲(アントラクト)が演奏されます。
この曲は「アルカラの竜騎兵」といい、これまた有名な曲です。第二幕でホセが再登場する時、このフレーズを歌いながら出てくるので、ぜひ聞いてみて下さい!
竜騎兵「ドラグーン」の名称から、小説の作者がそのようにイメージしたんじゃないかな?
銃のような火器は、口から火を吹くわけなので、そこから「ドラグーン」と呼ばれるようになったんじゃないかって言われてるよ。