第42話 『レクイエム』・『リゴレット』

文字数 1,266文字

『椿姫』、『アイーダ』以外にも、ヴェルディの有名な作品ってあるの?
いっぱいあるよ。全部はご紹介しきれませんが、「これは!」というものをいくつか挙げてみましょう
まずはオペラじゃないんだけど、この曲はいかがでしょう。

みんな、一度は聞いたことがあるんじゃないかな?

『レクイエム』といって、カトリックのミサ曲です。中でも「ディエス・イレ(怒りの日)」は超有名!

おお~、知ってる、知ってる。

これもヴェルディの曲だったんだ!

まさに怒号の連続! 迫りくる恐怖!

打楽器がバンバン叩かれて、世界の終わりがやってくるような感じがするよね(嬉)!

そこで興奮する?

いや、何というか……

レクイエムっていうタイトルなのに、これじゃ鎮魂どころか、死者がよみがえっちゃいそうだね

授業で「当たりませんように」と祈ってると、そういう時に限って当たっちゃったりして。

……そんな場面で、このフレーズがオレの頭の中を流れるんだよなあ

何でここまで激しい曲なの?
だって最後の審判を描いた曲だもん。神の怒りに恐れおののく人間たちを表してるの。


あまりにドラマティックなので、当時も「これは教会じゃなくて劇場のための音楽だ」という批判がずいぶんあったんだって

でも、間違いなく傑作だよね。

気分が落ち込んでいるような時でも、この曲を聞くと元気になれるような気がする

そう。爆発的なパワーがあるからね。


だから賛否両論だったとはいえ、やがては前向きな評価が非難の声を打ち消しました

次はオペラです。


『リゴレット』という演目で、ヴィクトル・ユゴーの戯曲が原作。「女心の歌(女は気まぐれ)」という歌が有名です。

物語は呪いをテーマにしていて、父親が愛する娘を殺してしまうという悲劇なんだけど、この歌にはあっけらかんとした明るさがあります

というわけで、少しだけチャットノベルを。
(オレはマントヴァ公爵。富も地位も思いのまま。女を口説き落とすのが生き甲斐さ!)


女は気まぐれ。風の中の羽根のように、言葉が変われば思惑も変わる。

いつも愛らしく、優雅な顔立ち。泣いていても笑っていても、それは嘘だ

(私は道化師リゴレットの娘、ジルダ。そっと覗き見して、彼の正体を知ります)


私が愛した彼が、こんな人だったなんて……シクシク

舞台は6世紀。

マントヴァ公爵が軽薄な女心を歌いながら、ジルダとは別の女性を口説く場面です。

ヴェルディの曲の特徴は、メロディーの覚えやすさにありますが、この曲には特に強くそれが感じられます。

初演後、ヴェネツィア中のゴンドラ漕ぎがみんなこの歌を口ずさんだという言い伝えも!

やべえ。

今だったらセクハラで訴えられそうな歌だな

軽薄なのは女じゃなくて、あんたでしょ! って突っ込むところかな。

でも、聞いててなんか楽しいね~!

ヴェルディ自身にとっても会心の作だったんだろうね。

「これはヒットする」という確信を抱き、初演の直前まで伏せていたとか。歌う歌手にさえ、ギリギリまで楽譜を渡さなかったと言われているよ

そりゃ、歌手がかわいそうだ~
ヴェルディの傑作はまだあるの。

あともう一回、おまけ記事にお付き合い下さい!

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