第9話 五重唱「うまい話があるのさ」
文字数 1,872文字
さてさて。
人がいなくなった夜更けのパスティアの店に、怪しげな人相の男たちがやってきました。
※アイコンはキャラ説明です。演者の容姿とは何ら関係がありません。
おだまり、レメンダード!(作者より)
さんざんもったいぶった挙句、カルメンはようやく理由を口にします。
みんな、絶句します。
えー!!
仕事ができない理由ってそれかよ!
クインテット「うまい話があるのさ」は、早口言葉のような五人の掛け合いが楽しい曲です。
こちらの動画は大阪弁で字幕が出るのですが、コミカルなこの曲の雰囲気がとてもよく表現されています。ぜひご覧下さい!
恐らく今夜、営倉から出されたホセが会いにくる……。
カルメンはここで待っていたいと仲間に打ち明けます。
遠くからホセの歌声が聞こえ始めます。
仲間たちは身を隠し、カルメンは一人で彼を待つことに。
ちなみに「アルカラ」とはホセの所属する連隊の名。
原作小説と初期の台本では「アルマンサ連隊」となっていたのを、ビゼーが響きを良くするために「アルカラ」と改めたそうです。
原作小説と初期の台本では「アルマンサ連隊」となっていたのを、ビゼーが響きを良くするために「アルカラ」と改めたそうです。
歌声は次第に大きくなっていきます。
やがて扉が開けられ、そこには待ちに待ったホセがいました。
抱き合って再会を喜ぶ二人。
ここでカルメンがカスタネットを片手に歌うのが「あんたのために踊りましょう」という曲
(下の動画ではカスタネットが見当たらず、カルメンはかわらけ(陶器片)を代用して踊ります)。
ホセのために、お色気満載で歌い踊るカルメン。ホセも喜び、食い入るように見つめますが……
途中から帰営ラッパの音がかぶさってきます。
この二つの音色が重なる部分がみごと。音楽自体が魅力的なだけではなく、その流れで物語を説明できているところがすごいですね!
ホセが何を言っても、カルメンは事情を理解しません。
自分に付き合う気がないのなら、さっさと帰れと言い出します。