第78話 明夏を仲間に
文字数 1,197文字
「明夏ちゃん、オンエア部しよっ!」
学校に着くと、真雪は大声で明夏に言った。
普段は物静かな真雪の大声に、一瞬だけみんなが真雪のほうを向いた。
「……ちょっと、いきなりどうしたのよ。オンエア部しよってどういうこと?」
「私たちでまたオンエア部の活動をするんだよ。日菜ちゃんや樹々先輩も一緒に」
それを聞いて、明夏は唖然とした。
「でもさ、オンエア部はもう廃部になったじゃん?」
「だ・か・ら、また私たちで始めるんだよ。新しいオンエア部」
「また始めるって……どうしたの真雪、何かあったの?」
「あったから言ってるんだよ。ねーねーやろうよー」
「あ~、脳みそが揺れる~」
真雪が明夏の胸ぐらをつかんで、そのままぶんぶんと揺らした。
いつになく積極的な真雪に、明夏は困惑していた。
「やろうよ~。絶対に楽しいから~」
真雪がきらきらとした目で明夏を見つめる。
「そうは言ってもねぇ。私もレトロゲーム部の活動があるし」
「そうだぞ。明夏二等兵殿は我がレトロゲーム部のエース。オンエア部なんかに簡単に渡せるものか」
「ちょっとあんたたち。なに人の話に入ってきてるのよ……」
「これは明夏二等兵殿だけの問題ではないげす。我々レトロゲーム部の問題でもあるのでげす」
いつの間にか、明夏の後ろにレトロゲーム部のメンバーが三人くらい並んでいた。
レトロゲーム部員たちは、明夏を手離すまいと、真雪に対して一歩も譲らない姿勢だった。
「……私、わかったんだよ。毎日楽しい学校生活を送るために、なにをやったらいいのか」
真雪が明夏とレトロゲーム部部員に向けて話し始めた。
「私たちがみんなと楽しめる空間を共有したい。そうすることで、もっともっと楽しくなる。そんな学校生活を、明夏ちゃんやみんなで作っていきたい」
真雪は、きらきらした目ではっきりと言い切った。
そんな姿を見て、レトロゲーム部員たちは、なにやら苦しみだす。
「まっ、まぶしい! 真雪殿の放つオーラは我々にはまぶしすぎる!」
「部長、ここは退却しましょう。我々とは志の大きさが違いすぎます」
「ぐぶっ……そのようでげすね。……真雪殿、明夏二等兵殿をよろしく頼むでげす……」
レトロゲーム部員たちは素早く教室を去っていった。
真雪と明夏は、ぽかんとした顔でそれを見ていた。
「……すごいね真雪。ねばり強さが売りのレトロゲーム部を、一瞬ではねのけるなんて」
「え、そんな。私はただ思っていたことを言っただけで……」
「ううん、それでいいと思うよ。なんかさ、真雪のそういう顔、久しぶりに見た」
「え?」
「オンエア部に入る前のさ、入部したいって思ってた時と同じ。なにか楽しそうなことを始めるとき、真雪ってそんな顔になるよね」
「明夏ちゃん……」
明夏は真雪の手を握った。
「面白そうだから一緒にやろうかな。それに、真雪一人じゃ心配だからね」
「……ありがとう。明夏ちゃん」
ちゃららら~。
明夏が仲間になった!
学校に着くと、真雪は大声で明夏に言った。
普段は物静かな真雪の大声に、一瞬だけみんなが真雪のほうを向いた。
「……ちょっと、いきなりどうしたのよ。オンエア部しよってどういうこと?」
「私たちでまたオンエア部の活動をするんだよ。日菜ちゃんや樹々先輩も一緒に」
それを聞いて、明夏は唖然とした。
「でもさ、オンエア部はもう廃部になったじゃん?」
「だ・か・ら、また私たちで始めるんだよ。新しいオンエア部」
「また始めるって……どうしたの真雪、何かあったの?」
「あったから言ってるんだよ。ねーねーやろうよー」
「あ~、脳みそが揺れる~」
真雪が明夏の胸ぐらをつかんで、そのままぶんぶんと揺らした。
いつになく積極的な真雪に、明夏は困惑していた。
「やろうよ~。絶対に楽しいから~」
真雪がきらきらとした目で明夏を見つめる。
「そうは言ってもねぇ。私もレトロゲーム部の活動があるし」
「そうだぞ。明夏二等兵殿は我がレトロゲーム部のエース。オンエア部なんかに簡単に渡せるものか」
「ちょっとあんたたち。なに人の話に入ってきてるのよ……」
「これは明夏二等兵殿だけの問題ではないげす。我々レトロゲーム部の問題でもあるのでげす」
いつの間にか、明夏の後ろにレトロゲーム部のメンバーが三人くらい並んでいた。
レトロゲーム部員たちは、明夏を手離すまいと、真雪に対して一歩も譲らない姿勢だった。
「……私、わかったんだよ。毎日楽しい学校生活を送るために、なにをやったらいいのか」
真雪が明夏とレトロゲーム部部員に向けて話し始めた。
「私たちがみんなと楽しめる空間を共有したい。そうすることで、もっともっと楽しくなる。そんな学校生活を、明夏ちゃんやみんなで作っていきたい」
真雪は、きらきらした目ではっきりと言い切った。
そんな姿を見て、レトロゲーム部員たちは、なにやら苦しみだす。
「まっ、まぶしい! 真雪殿の放つオーラは我々にはまぶしすぎる!」
「部長、ここは退却しましょう。我々とは志の大きさが違いすぎます」
「ぐぶっ……そのようでげすね。……真雪殿、明夏二等兵殿をよろしく頼むでげす……」
レトロゲーム部員たちは素早く教室を去っていった。
真雪と明夏は、ぽかんとした顔でそれを見ていた。
「……すごいね真雪。ねばり強さが売りのレトロゲーム部を、一瞬ではねのけるなんて」
「え、そんな。私はただ思っていたことを言っただけで……」
「ううん、それでいいと思うよ。なんかさ、真雪のそういう顔、久しぶりに見た」
「え?」
「オンエア部に入る前のさ、入部したいって思ってた時と同じ。なにか楽しそうなことを始めるとき、真雪ってそんな顔になるよね」
「明夏ちゃん……」
明夏は真雪の手を握った。
「面白そうだから一緒にやろうかな。それに、真雪一人じゃ心配だからね」
「……ありがとう。明夏ちゃん」
ちゃららら~。
明夏が仲間になった!