第88話 真雪はみんなとオンエア部!
文字数 1,359文字
私、ばかだ。
何もできないのに、一人ではりきってやろうとして。
真雪は走って屋上にやってきた。
ここなら誰もいないと思ったからだった。
だが、
「おととと。どうしたの、真雪ちゃん」
「西瓜せん……ぱ……い? どうしてここに」
「校内の人混みは苦手だからね~。ここで休んでたってわけ」
そこには、寝転がっていた西瓜がいた。
西瓜を見て、真雪は目から涙がぽろぽろとあふれてきた。
「ちょ、ちょっと、いきなり泣き出しちゃってどうしたのよ。誰かにいじめられたとか?」
「……違うんです……私」
真雪は今日のことを話した。
西瓜は真雪の話を真剣に聞いてくれた。
「そっかあ……。大変だったね。でも、真雪ちゃん一人で頑張ったじゃない」
「でも……私、何もできませんでした。この文化祭はオンエア部の活動が認めてもらえるチャンスだったのに」
「真雪ちゃん……」
そのとき、
ドン!
屋上につながるドアが開いた。
そこには、明夏、日菜、樹々の三人がいた。
「やっぱりここだった! 先輩、真雪を発見しました!」
「……よかった。どうやら無事みたいね」
樹々、そして明夏、日菜は、ほっとした顔をしていた。
「……あら? 西瓜、あなたも一緒だったの? クラスの手伝いをさぼって、こんなところに?」
「え……いやー、私はちょっと休んでただけ……かな? それよりも、みんなは、どうしてここに?」
「ゆきちゃんをさがしてたのす。日菜たちが廊下を歩いてたら、ゆきちゃんがすごいスピードで走り去っていったのですよ」
「もう、真雪に何かあったんじゃないかって心配してたんだから」
「みんな……」
真雪は涙をふいた。
そして、西瓜先輩は真雪の肩をぽんとたたいて、勢いよく立ち上がった。
「さ、真雪ちゃんたちの教室に戻ってオンエアの再開だ! 今度はみんなで、公開オンエアをするよ!」
「先輩。あまりでしゃばりすぎないでくださいよ? いつも先輩の暴走で収拾がつかなくなるですから」
「お、明夏ちゃん言うねえ。もし私が暴走したら、やさしく止めてね? 樹々は怒るとこわいから……明夏ちゃんのほうがいいよ」
「あら、私そんなにこわくないわよ? それに最近裏方ばっかりだったし、私だって久しぶりに表舞台でオンエアをやりたいと思ってるのよ?」
「つまらなくなったら、日菜が面白い話で盛り上げるでし。新しいネタも用意してるでしよ」
みんながそろって、オンエアのことを楽しそうに話す。
真雪は自分のことを考えていた。
私、うまくやらなきゃいけないってずっと考えてて、オンエアを楽しむことを忘れてた。
オンエア部って、元々は学校の中で楽しいことをやりたい人が集まってできた部活だったんだよね。
その気持ちが周りで見ている人みんなに伝わるんだ。
そんな昔のオンエア部の姿を見て、すごく憧れていたのに。
私、いつの間にか忘れてた……。
真雪の中で何かが変わった。
みんなを見ていると、自然な笑顔が出せるようになった。
「みんな、行こう」
真雪が口を開いた。
「私、もう一度オンエアやってみる!」
真雪がみんなの輪に入っていった。
なぜかみんなに囲まれて、頭をくしゃくしゃにされた。
でも、真雪はなんだか嬉しかった。
私、オンエア部に入って本当によかった!
そして五人は、みんなで楽しい話をしながら校舎の中へと戻っていった。
何もできないのに、一人ではりきってやろうとして。
真雪は走って屋上にやってきた。
ここなら誰もいないと思ったからだった。
だが、
「おととと。どうしたの、真雪ちゃん」
「西瓜せん……ぱ……い? どうしてここに」
「校内の人混みは苦手だからね~。ここで休んでたってわけ」
そこには、寝転がっていた西瓜がいた。
西瓜を見て、真雪は目から涙がぽろぽろとあふれてきた。
「ちょ、ちょっと、いきなり泣き出しちゃってどうしたのよ。誰かにいじめられたとか?」
「……違うんです……私」
真雪は今日のことを話した。
西瓜は真雪の話を真剣に聞いてくれた。
「そっかあ……。大変だったね。でも、真雪ちゃん一人で頑張ったじゃない」
「でも……私、何もできませんでした。この文化祭はオンエア部の活動が認めてもらえるチャンスだったのに」
「真雪ちゃん……」
そのとき、
ドン!
屋上につながるドアが開いた。
そこには、明夏、日菜、樹々の三人がいた。
「やっぱりここだった! 先輩、真雪を発見しました!」
「……よかった。どうやら無事みたいね」
樹々、そして明夏、日菜は、ほっとした顔をしていた。
「……あら? 西瓜、あなたも一緒だったの? クラスの手伝いをさぼって、こんなところに?」
「え……いやー、私はちょっと休んでただけ……かな? それよりも、みんなは、どうしてここに?」
「ゆきちゃんをさがしてたのす。日菜たちが廊下を歩いてたら、ゆきちゃんがすごいスピードで走り去っていったのですよ」
「もう、真雪に何かあったんじゃないかって心配してたんだから」
「みんな……」
真雪は涙をふいた。
そして、西瓜先輩は真雪の肩をぽんとたたいて、勢いよく立ち上がった。
「さ、真雪ちゃんたちの教室に戻ってオンエアの再開だ! 今度はみんなで、公開オンエアをするよ!」
「先輩。あまりでしゃばりすぎないでくださいよ? いつも先輩の暴走で収拾がつかなくなるですから」
「お、明夏ちゃん言うねえ。もし私が暴走したら、やさしく止めてね? 樹々は怒るとこわいから……明夏ちゃんのほうがいいよ」
「あら、私そんなにこわくないわよ? それに最近裏方ばっかりだったし、私だって久しぶりに表舞台でオンエアをやりたいと思ってるのよ?」
「つまらなくなったら、日菜が面白い話で盛り上げるでし。新しいネタも用意してるでしよ」
みんながそろって、オンエアのことを楽しそうに話す。
真雪は自分のことを考えていた。
私、うまくやらなきゃいけないってずっと考えてて、オンエアを楽しむことを忘れてた。
オンエア部って、元々は学校の中で楽しいことをやりたい人が集まってできた部活だったんだよね。
その気持ちが周りで見ている人みんなに伝わるんだ。
そんな昔のオンエア部の姿を見て、すごく憧れていたのに。
私、いつの間にか忘れてた……。
真雪の中で何かが変わった。
みんなを見ていると、自然な笑顔が出せるようになった。
「みんな、行こう」
真雪が口を開いた。
「私、もう一度オンエアやってみる!」
真雪がみんなの輪に入っていった。
なぜかみんなに囲まれて、頭をくしゃくしゃにされた。
でも、真雪はなんだか嬉しかった。
私、オンエア部に入って本当によかった!
そして五人は、みんなで楽しい話をしながら校舎の中へと戻っていった。