第9話 真雪の部活動探し
文字数 1,226文字
オンエア部の部室に行って、入部を断られてから一週間。
真雪はいったんオンエア部のことを忘れて、いつも通りの生活に戻っていた。
放課後。
真雪は教室に残って、机の上に置いてあるノートとにらめっこをしていた。
「真雪、ばいばーい」
「うん、ばいばーい」
ノートを見たまま、真雪は挨拶を返した。
「真雪、あんぱーんち」
「うん、ばいばいきーん」
集中していても、振られたネタにはしっかりお返しをする。
「真雪、今じゃ入手困難のレトロゲームを持ってきたよ」
「うん、ばいばーい。……って、ん? レトロ?」
真雪が顔を上げると、目の前に大きな紙袋を持った明夏がいた。
「明夏ちゃん、何それ?」
「じゃーん、中には昔のゲーム機が入っているんだよ。古いけど、まだまだ動くみたい」
「どうしてそんなものを学校に……」
「さっきレトロゲーム部の部室に遊びに行ったら貸してくれたの。『いまどき希少な女子だ!』って感動されて。いやー、まいったね。真雪、今から視聴覚室に行って、一緒に遊んでみようよ」
「ちょっと興味はあるけど、今はいそがしいから」
「ちぇ、つまんなーい」
明夏が見ると、真雪の机の上にあるノート一面に、何かがびっしりと書かれてい
た。
「吹奏楽部、合唱部、軽音楽部、ラップ部、レゲエ部、都コン部……って、何これ? 部活の名前がたくさん書いてあるけど」
「私、部活やってみようかな~って思ってるんだよ。でも、どれがいいのか正直迷っちゃって」
「なんか、音楽関係の部活が多いね」
「私、音楽を聴くのが好きだから、こういうのがいいかなーって」
「オンエア部は? 私はてっきり、オンエア部に入ったのかと思ってたけど」
「もうすぐ廃部になるから、もう部員の募集はしてないって言われたんだよ」
「あらら、それは残念」
「だから違う部活を探してるんだけど、なかなかぴんとくるものがなくて。どうしようかな」
「これなんてどう? 私も部活動をいろいろ探してるんだけどさ、面白いのがあったんだよ」
明夏はポケットから、小さく畳まれた一枚のコピー用紙を取り出した。
真雪が広げてみると、地球のイラストとともに、「来たれ、パンゲア部!」と大きく書かれている。
「アゲパン部?」
「パンゲア! 大昔、地球にあった大きな大陸のことらしいよ。そこから分裂して、今みたいなたくさんの大陸になったんだって」
「へぇ。どんなことをする部活なの?」
「パンゲア大陸のことについて毎日議論してるって」
「……それは……すごいね」
この間のとりかただと、真雪はあまりパンゲア大陸には興味はないらしい。
と、そのとき、
「ふんふ~ん♪ びっくにゅーすびっくにゅーす。あ、ゆきちゃんにめいちゃん、びっくにゅーすがあるヨロシ」
真雪と明夏以外、誰もいなくなった教室に、日菜が軽快なスキップをしながらやってきた。
「日菜がオンエア部の新しい情報を持ってきましたヨ。ちょっと聞いてクダサーイ」
ごすっ!
日菜はいきおい余って、二人の間あった机に足をぶつけてしまった。
真雪はいったんオンエア部のことを忘れて、いつも通りの生活に戻っていた。
放課後。
真雪は教室に残って、机の上に置いてあるノートとにらめっこをしていた。
「真雪、ばいばーい」
「うん、ばいばーい」
ノートを見たまま、真雪は挨拶を返した。
「真雪、あんぱーんち」
「うん、ばいばいきーん」
集中していても、振られたネタにはしっかりお返しをする。
「真雪、今じゃ入手困難のレトロゲームを持ってきたよ」
「うん、ばいばーい。……って、ん? レトロ?」
真雪が顔を上げると、目の前に大きな紙袋を持った明夏がいた。
「明夏ちゃん、何それ?」
「じゃーん、中には昔のゲーム機が入っているんだよ。古いけど、まだまだ動くみたい」
「どうしてそんなものを学校に……」
「さっきレトロゲーム部の部室に遊びに行ったら貸してくれたの。『いまどき希少な女子だ!』って感動されて。いやー、まいったね。真雪、今から視聴覚室に行って、一緒に遊んでみようよ」
「ちょっと興味はあるけど、今はいそがしいから」
「ちぇ、つまんなーい」
明夏が見ると、真雪の机の上にあるノート一面に、何かがびっしりと書かれてい
た。
「吹奏楽部、合唱部、軽音楽部、ラップ部、レゲエ部、都コン部……って、何これ? 部活の名前がたくさん書いてあるけど」
「私、部活やってみようかな~って思ってるんだよ。でも、どれがいいのか正直迷っちゃって」
「なんか、音楽関係の部活が多いね」
「私、音楽を聴くのが好きだから、こういうのがいいかなーって」
「オンエア部は? 私はてっきり、オンエア部に入ったのかと思ってたけど」
「もうすぐ廃部になるから、もう部員の募集はしてないって言われたんだよ」
「あらら、それは残念」
「だから違う部活を探してるんだけど、なかなかぴんとくるものがなくて。どうしようかな」
「これなんてどう? 私も部活動をいろいろ探してるんだけどさ、面白いのがあったんだよ」
明夏はポケットから、小さく畳まれた一枚のコピー用紙を取り出した。
真雪が広げてみると、地球のイラストとともに、「来たれ、パンゲア部!」と大きく書かれている。
「アゲパン部?」
「パンゲア! 大昔、地球にあった大きな大陸のことらしいよ。そこから分裂して、今みたいなたくさんの大陸になったんだって」
「へぇ。どんなことをする部活なの?」
「パンゲア大陸のことについて毎日議論してるって」
「……それは……すごいね」
この間のとりかただと、真雪はあまりパンゲア大陸には興味はないらしい。
と、そのとき、
「ふんふ~ん♪ びっくにゅーすびっくにゅーす。あ、ゆきちゃんにめいちゃん、びっくにゅーすがあるヨロシ」
真雪と明夏以外、誰もいなくなった教室に、日菜が軽快なスキップをしながらやってきた。
「日菜がオンエア部の新しい情報を持ってきましたヨ。ちょっと聞いてクダサーイ」
ごすっ!
日菜はいきおい余って、二人の間あった机に足をぶつけてしまった。