第52話 新しいオンエア
文字数 1,221文字
真雪、日菜、樹々の三人は、揃って廊下に出た。
図書室からちょっと離れた、声を出しても大丈夫な場所まで移動した。
そこで、真雪が樹々先輩に聞いてみた。
「先輩、仮の学食ができるそうなんですが、オンエア部は活動ができるんですか?」
それを聞いた樹々は、なるほどといった感じで話をする。
「仮の学食での活動、私もそれを考えてたわ。先生にも聞いてみたけど、プレハブの学食には放送する部屋がないし、残念だけどそれは無理だって言われたのよ」
教室でゴブが言っていたことと同じことを言った。
真雪はがっかりしていたが、日菜はまだあきらめていない様子で、樹々先輩に聞いてみた。
「先輩。なんとかしてオンエアできないかにゅす? 放送機材を使わないで、みんなの目の前でライブオンエアとか」
「ライブでオンエア? ……そうねえ」
樹々先輩はぽんと手をたたく。
「そういうやり方は頭になかったわ。できるかどうか、先生に聞いてみる価値はあるかもしれない」
「やった! ゆきちゃん、もしかしたらオンエアできるかもしれないなるよ!」
日菜は喜んでいたが、その意見には、真雪はあまり乗り気ではなかった。
「みんなの前でオンエアするの? そっ、それはちょっと無理かも……」
真雪が一人、恥ずかしがっていた。
「真雪さん、以前やったチェケラの勢いでまたやってみたらどうかしら?」
「もうそんなことしません!」
真雪はこの前のオンエアを思い出して、ますます恥ずかしくなった。
「ゆきちゃんがいつも教室でやってる近所の猫のモノマネ、学食のみんなの前で披露することができるっすよ?」
「恥ずかしいっすよ!」
真雪は語尾が変になったことにも気づかないで、顔を真っ赤にしていた。
「……でも、さっきの日菜さんの意見。もし学食での生オンエアができるなら、部の存続のためにもやる価値があるわよ。それに、第二放送室が使えなかった頃、昔のオンエア部は、ライブオンエアみたいなことをしていたらしいから」
「でも私、みんなの前でオンエアなんて……」
「先輩、どうするっすか? ゆきちゃん、かなり恥ずかしいみたいにゃのですけど」
「そうね……何かいい方法はないかしら」
樹々は窓から外を見た。
昔のオンエア部のことをよく知ってる人からアドバイスをもらえたらよさそうね。
特に、真雪さんみたいにシャイな子には。
しばらくして、樹々は真雪たちのほうに向き直った。
「……真雪さんと日菜さん、今から時間あるかしら?」
「はい、私は空いてますけど」
「日菜は毎日空いてるでぷよ?」
「よかった。だったら、今から私の家に来ない? ちょっと会って欲しい人がいるから」
「会って」
「欲しい人っすか?」
真雪と日菜は顔を見合わせた。
「そう。オンエア部のことをよく知っている人よ」
「???」
樹々は二人の背中を押す。
「さ、行きましょう! 真雪さんも、もしかしたらやる気になるかもしれないわよ!」
よくわからなかったけど、二人は先輩の家に行ってみることにした。
図書室からちょっと離れた、声を出しても大丈夫な場所まで移動した。
そこで、真雪が樹々先輩に聞いてみた。
「先輩、仮の学食ができるそうなんですが、オンエア部は活動ができるんですか?」
それを聞いた樹々は、なるほどといった感じで話をする。
「仮の学食での活動、私もそれを考えてたわ。先生にも聞いてみたけど、プレハブの学食には放送する部屋がないし、残念だけどそれは無理だって言われたのよ」
教室でゴブが言っていたことと同じことを言った。
真雪はがっかりしていたが、日菜はまだあきらめていない様子で、樹々先輩に聞いてみた。
「先輩。なんとかしてオンエアできないかにゅす? 放送機材を使わないで、みんなの目の前でライブオンエアとか」
「ライブでオンエア? ……そうねえ」
樹々先輩はぽんと手をたたく。
「そういうやり方は頭になかったわ。できるかどうか、先生に聞いてみる価値はあるかもしれない」
「やった! ゆきちゃん、もしかしたらオンエアできるかもしれないなるよ!」
日菜は喜んでいたが、その意見には、真雪はあまり乗り気ではなかった。
「みんなの前でオンエアするの? そっ、それはちょっと無理かも……」
真雪が一人、恥ずかしがっていた。
「真雪さん、以前やったチェケラの勢いでまたやってみたらどうかしら?」
「もうそんなことしません!」
真雪はこの前のオンエアを思い出して、ますます恥ずかしくなった。
「ゆきちゃんがいつも教室でやってる近所の猫のモノマネ、学食のみんなの前で披露することができるっすよ?」
「恥ずかしいっすよ!」
真雪は語尾が変になったことにも気づかないで、顔を真っ赤にしていた。
「……でも、さっきの日菜さんの意見。もし学食での生オンエアができるなら、部の存続のためにもやる価値があるわよ。それに、第二放送室が使えなかった頃、昔のオンエア部は、ライブオンエアみたいなことをしていたらしいから」
「でも私、みんなの前でオンエアなんて……」
「先輩、どうするっすか? ゆきちゃん、かなり恥ずかしいみたいにゃのですけど」
「そうね……何かいい方法はないかしら」
樹々は窓から外を見た。
昔のオンエア部のことをよく知ってる人からアドバイスをもらえたらよさそうね。
特に、真雪さんみたいにシャイな子には。
しばらくして、樹々は真雪たちのほうに向き直った。
「……真雪さんと日菜さん、今から時間あるかしら?」
「はい、私は空いてますけど」
「日菜は毎日空いてるでぷよ?」
「よかった。だったら、今から私の家に来ない? ちょっと会って欲しい人がいるから」
「会って」
「欲しい人っすか?」
真雪と日菜は顔を見合わせた。
「そう。オンエア部のことをよく知っている人よ」
「???」
樹々は二人の背中を押す。
「さ、行きましょう! 真雪さんも、もしかしたらやる気になるかもしれないわよ!」
よくわからなかったけど、二人は先輩の家に行ってみることにした。