第5話 いざオンエア部へ!
文字数 1,406文字
真雪は日菜に腕を引っ張られるような形で、学食までやってきた。
昼休みとは違って、誰もいないので静かな場所になっている。
「ゆきちゃん、ここが学食だぴょ?」
「うん、じつは今日初めて来て、カレーライス食べたよ」
「本当カニ? じゃあ、学食には『南国スペシャルカレー』っていう裏メニューがあるのは知ってるでゲソ?」
「えっ、それっておいしそう。今度行ったときは、頼んでみようかな」
「うっそぴょーん」
日菜は両手をあげて喜んだ。
「……」
日菜の独特なテンションに、たまについていけなくなることがある。
「そしてこっちがオンエア部の部室があるところなのです」
日菜は学食に行く通路の横にある抜け道を指さした。
そこは昼休みに真雪が見つけた場所だった。
「しっ、静かに。ここからは隠密行動だにょろ」
日菜が足音を立てないように、横の抜け道に入っていった。
真雪はどきどきしながらそれに続く。
そろーりそろーり。
私たち、何やってるんだろう……。
気になった真雪は、ひそひそ声で日菜に話しかける。
「……あの、日菜ちゃん」
「何ぜよ」
「どうして隠密行動してるの?」
「敵にばれずに行動するのは忍者の基本でござる」
「私たち、いつから忍者に……」
「しっ、ここが目的のオンエア部でござんす」
奥のほうにあるドアの前。
ドアには『第二放送室』と書かれていて、オンエア部という張り紙もしてある。
ついにここまで来ちゃった。
真雪は少しどきどきしてきた。
「……」
「……」
ドアの前までやって来たのはいいが、二人は何もしゃべらずにいた。
そして、どちらからともなく、二人は顔を見合わせる。
「えっと、なんて言えばいいのかな。『オンエア部に興味があるから、見学させてください』とか?」
「それは日菜もよくわからないのす」
「そうだよね。とりあえずお話を聞いてみたほうがいいのかな」
真雪はドアの前にグーの手をかざして……そのまま固まってしまった。
「どうしたぜよ?」
「ちょっと緊張して……もし中にいるのが怖い人だったらどうしよう」
「ゆきちゃん、心配性ぺぽー。日菜が代わりにやってあげるのです」
トントン。
日菜がオンエア部のドアをノックした。
二人はしばらくドアの前で黙って待つ。
……。
……。
「およ? 反応がないですねえ」
ドンドン!
日菜がもっと強くドアをノックした。
…………。
「誰もいないのかな」
「ゆきちゃんよく見て。ドアに小さな張り紙がしてあるぜよ?」
ご用の方はひもを引っ張ってください。
と書いてある。
よく見ると、ドアの上の方からひものようなものがぶら下がっている。
「これ……かな?」
真雪はひもを軽く引っ張ってみた。
すると、
ぶちっ!
そのひもは簡単に切れてしまった。
「どどど、どうしよう。これ、切れちゃったよ!」
真雪は切れてしまったひもをぶんぶん振り回した。
振り回されたひもは、日菜にも容赦なく襲い掛かってくる。
「ゆきちゃん、落ち着くにょろ! それは大型モンスターの尻尾じゃないから、怒って襲ってこないのだにゅ!」
ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!
日菜は目の前に迫り来る真雪の振り回したひもを、拳法の達人のごとくぜんぶ器用にかわしていった。
そのとき、
「オンエア部に何かご用?」
二人は後ろから突然声をかけられた。
「うわぁ!」
「うつぼっ!」
真雪と日菜は、それぞれの驚き方をした。
そこには一人の女子生徒が、買い物袋を持って立っていた。
昼休みとは違って、誰もいないので静かな場所になっている。
「ゆきちゃん、ここが学食だぴょ?」
「うん、じつは今日初めて来て、カレーライス食べたよ」
「本当カニ? じゃあ、学食には『南国スペシャルカレー』っていう裏メニューがあるのは知ってるでゲソ?」
「えっ、それっておいしそう。今度行ったときは、頼んでみようかな」
「うっそぴょーん」
日菜は両手をあげて喜んだ。
「……」
日菜の独特なテンションに、たまについていけなくなることがある。
「そしてこっちがオンエア部の部室があるところなのです」
日菜は学食に行く通路の横にある抜け道を指さした。
そこは昼休みに真雪が見つけた場所だった。
「しっ、静かに。ここからは隠密行動だにょろ」
日菜が足音を立てないように、横の抜け道に入っていった。
真雪はどきどきしながらそれに続く。
そろーりそろーり。
私たち、何やってるんだろう……。
気になった真雪は、ひそひそ声で日菜に話しかける。
「……あの、日菜ちゃん」
「何ぜよ」
「どうして隠密行動してるの?」
「敵にばれずに行動するのは忍者の基本でござる」
「私たち、いつから忍者に……」
「しっ、ここが目的のオンエア部でござんす」
奥のほうにあるドアの前。
ドアには『第二放送室』と書かれていて、オンエア部という張り紙もしてある。
ついにここまで来ちゃった。
真雪は少しどきどきしてきた。
「……」
「……」
ドアの前までやって来たのはいいが、二人は何もしゃべらずにいた。
そして、どちらからともなく、二人は顔を見合わせる。
「えっと、なんて言えばいいのかな。『オンエア部に興味があるから、見学させてください』とか?」
「それは日菜もよくわからないのす」
「そうだよね。とりあえずお話を聞いてみたほうがいいのかな」
真雪はドアの前にグーの手をかざして……そのまま固まってしまった。
「どうしたぜよ?」
「ちょっと緊張して……もし中にいるのが怖い人だったらどうしよう」
「ゆきちゃん、心配性ぺぽー。日菜が代わりにやってあげるのです」
トントン。
日菜がオンエア部のドアをノックした。
二人はしばらくドアの前で黙って待つ。
……。
……。
「およ? 反応がないですねえ」
ドンドン!
日菜がもっと強くドアをノックした。
…………。
「誰もいないのかな」
「ゆきちゃんよく見て。ドアに小さな張り紙がしてあるぜよ?」
ご用の方はひもを引っ張ってください。
と書いてある。
よく見ると、ドアの上の方からひものようなものがぶら下がっている。
「これ……かな?」
真雪はひもを軽く引っ張ってみた。
すると、
ぶちっ!
そのひもは簡単に切れてしまった。
「どどど、どうしよう。これ、切れちゃったよ!」
真雪は切れてしまったひもをぶんぶん振り回した。
振り回されたひもは、日菜にも容赦なく襲い掛かってくる。
「ゆきちゃん、落ち着くにょろ! それは大型モンスターの尻尾じゃないから、怒って襲ってこないのだにゅ!」
ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!
日菜は目の前に迫り来る真雪の振り回したひもを、拳法の達人のごとくぜんぶ器用にかわしていった。
そのとき、
「オンエア部に何かご用?」
二人は後ろから突然声をかけられた。
「うわぁ!」
「うつぼっ!」
真雪と日菜は、それぞれの驚き方をした。
そこには一人の女子生徒が、買い物袋を持って立っていた。