第42話 暴力沙汰2
文字数 746文字
悠也は壁にもたれて小さくなり、頭を抱えて下を向いていた。僕は息を整えて、悠也の前にしゃがんだ。
「ベッドに戻ろうか」
もちろん、彼からの返答はなかった。僕と目を合わせようとせず、ずっと下を向いたままだった。
僕はポケットから、樹が残していった写真を出した。
「これ、あげるよ」
僕はそう言って、悠也に写真を握らせた。
悠也は、握らされた写真に目をやると、何かを呟いて、その写真を見つめた。
僕は、その悠也の姿を見続けた。
音も匂いもない部屋で、僕と彼の間には時間だけが存在し、それはただただ過ぎていった。
いつの間にか、彼の興奮はおさまっていた。
夜明け前、彼はゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩いてベッドに入った。そして一言、「頭痛い」と言った。
「痛い?どんなふうに?」
「……痛い」
彼は、あの虚ろな目で天井を見ていた。
僕は自分の部屋に戻った。光はベッドで眠っていた。そして部屋を出てシャワーを浴びて、また自分の部屋に戻った。ドアを閉めた音で、光が目を覚ました。
「おはよう」
「……ん。もう朝?」
「そうだよ」
光は、目をこすりながらベッドから出た。
「あいつは、どうだった?」
「悠也?大丈夫、落ち着いてるよ」
「そうか。……お前、寝てないのか」
「え?う、うん」
「……」
僕は、光から少し寝るように言われたので、お言葉に甘えてベッドに入った。悠也のことが少し心配だったので、後のことを光に頼んだ。
「悠也、頭痛いんだって。点滴を入れて、その中に鎮痛剤も一緒に入れてくれる?」
「あぁ分かった。でも……」
「でも?」
「もう、暴れないかな」
「……もう大丈夫だよ」
「……それならいいけど」
光は支度をして部屋を出ていった。
部屋に残った僕は、樹が残していった音楽プレーヤーを聞きたかったけど、猛烈に眠くなって、すぐに眠ってしまった。
「ベッドに戻ろうか」
もちろん、彼からの返答はなかった。僕と目を合わせようとせず、ずっと下を向いたままだった。
僕はポケットから、樹が残していった写真を出した。
「これ、あげるよ」
僕はそう言って、悠也に写真を握らせた。
悠也は、握らされた写真に目をやると、何かを呟いて、その写真を見つめた。
僕は、その悠也の姿を見続けた。
音も匂いもない部屋で、僕と彼の間には時間だけが存在し、それはただただ過ぎていった。
いつの間にか、彼の興奮はおさまっていた。
夜明け前、彼はゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩いてベッドに入った。そして一言、「頭痛い」と言った。
「痛い?どんなふうに?」
「……痛い」
彼は、あの虚ろな目で天井を見ていた。
僕は自分の部屋に戻った。光はベッドで眠っていた。そして部屋を出てシャワーを浴びて、また自分の部屋に戻った。ドアを閉めた音で、光が目を覚ました。
「おはよう」
「……ん。もう朝?」
「そうだよ」
光は、目をこすりながらベッドから出た。
「あいつは、どうだった?」
「悠也?大丈夫、落ち着いてるよ」
「そうか。……お前、寝てないのか」
「え?う、うん」
「……」
僕は、光から少し寝るように言われたので、お言葉に甘えてベッドに入った。悠也のことが少し心配だったので、後のことを光に頼んだ。
「悠也、頭痛いんだって。点滴を入れて、その中に鎮痛剤も一緒に入れてくれる?」
「あぁ分かった。でも……」
「でも?」
「もう、暴れないかな」
「……もう大丈夫だよ」
「……それならいいけど」
光は支度をして部屋を出ていった。
部屋に残った僕は、樹が残していった音楽プレーヤーを聞きたかったけど、猛烈に眠くなって、すぐに眠ってしまった。