4. ネフィリムIII

文字数 5,919文字

「さて」っと、大ボラの戯言の再開だ!…。

〈暗転〉

[土工]に納めらたネフィリム。魂は天使とヒトの合成体である。
それが永久稼働の動力と究極の物理強度を備えた肉体に納められていた。
奇跡でも起こったかのように崩壊の進行は止んでいた。
不思議だ。見事に親和している。まるで誂えたかのようにして。
最初からそうなることを見越してかのように…。

怪異なる巨躯の中、核となってネフィリムは生きている。
理論的には不死である。こうした存在は全部で千体いた。


「いる…。」


〈暗転〉


草原に一体のネフィリムがいる。片方の足は立て膝で、もう片方は正座で座っている。
俗に言う[エジプト座り]である。全くの不動で投目には何か巨大な静物にしか見え
ない。時は昼下がり、雲ひとつない晴天の下である。

彼はジッと堪えていた。精神の不快感が止まないのだ。意識は絶えず霞みがかって
重く感じる。こころがささくれだってきてしょうがない。

ずっとそうなのだ…。だから、ジッとして動かずにいる。
考えることも、感じることもしないで…。

肩に鳥と呼ばれる生物がのった。体表がかってに作動した。
鳥は接地部のみにて接合された。その体内がスキャンされる。
内部の構造と情報のすべてが読み取られていた。
何の関心も展開もなく接合は解かれ、鳥はまたどこぞへか飛んでいった。

これが最初の出来事になる…。

その後も多くの地球上の生物たちが彼に接触を果たす。
みな留められ同じくされた。みんな自動的に体が勝手に行うのだ。

ある時に変化があった。接合後に解除は為されず、その生き物はそのまま
彼の体内に取り込まれてしまったのだ。直ぐに肉体に変化が起こる。
取り込んだ生物の特徴部と思われる機能が肉体の中で再現がなされていた。
それも彼の肉体スケールにおいてである!。

取り込んだ魂は滅せず、彼と共に生きて残った。なんだか仄かな温かみ
として彼には感じられた。ほんの少しだけ、気分が良くなったように感じた。
その生き物が大きめの肉体組成がかなり複雑なものだったからかもしれない。
獅子とか皆は呼んで恐れていたものだった。

その後は彼自身の意思でこれを行う。他のネフィリムたちにも教えてやった。
地上の生き物だけではなく、水中の生き物、空飛ぶ生き物たちのすべてに試してみた。
ただの気晴らしにしか過ぎない。「がっ!」ころころと身内に集められた命は増えれば
増えるほど何だが彼は嬉しく楽しく感じていた。暖かみがたくさん欲しくなっていた。
どこか心の奥で『だめだ!』との感触はあったが、どうしようもなかった。

しかし…

精神の不快感は全然止まない。意識は絶えず霞みがかって重く感じたままだ。
こころがささくれだってきてしょうがない。
これではいつか気が狂ってしまうかもしれない…。


〈暗転〉


Re: ネフィリムとギバーリームの違い

両者はともに天使とヒトの混血児として生まれたものである。
霊体としての存在がヒトの体を模倣し、まとったもの。『天使』
御霊を核として塵から創られ獣の体に住まいするもの。『ヒト』
この二者の混合成果…。

二種の子らは「不死なる」ものと「有限なる」もので区分けされる。

ネフィリムは父たる天使と同じく不死であった。
ただし[適切な器]があればの話ではあるが…。
応急処置として土工に収められたことは、彼らにとって不幸だったのかも知れない。
この地球において生態系の一環として適応しない順応しない異物としかならなかった
のだから。よって排除/摘出/抹消が定められることは避けられない。

ギバーリームには寿命があった。
母方からの遺伝による制約だったのかもしれない。
ヒトを器に人外の魂が収まっているの状態。
超越的な力を持つが性格はいたって人間臭かった。
また地球の懐が深かった性もあるのだが一応世界に順応する存在である。
後日に、天は自然淘汰を目算にして自由放置を決定される。
否、大洪水による完全消去をも前提とされていたのだろう。

女親をクローズアップ。ヒトの女。
そはすべての生きるものの母なりしもの。

女性の受身たるの、その生来の傾向性:

具体的に優勢なる強者に頼る…。
それと一体化することに惹かれる…。
優れた子種を与えてくれる…。
より安全に安定的に庇護され得る…。
自分を特別と、美しいと見做してくれる…。
我儘を叶えてくれる…。
これらが、すべての事の始まりに関与してくれている。

女たる存在は、かって原初のアダムより抜き取られた一本の肋骨から創造されたもの。
結果、アダムたる存在を探し求めざるにはおられない。
改めて元の鞘に収まり、完全体とならんとするのが自然な欲求、流れであるだけ。

問題はだ、間違えてしまうことに(だけ)ある…。

選ぶべきではなく選ばれるべきであることが!

「いつも、いつも、いつも…。」

追記しちゃる:

こころに留めておくべきことはただひとつ。
受動性が生まれながらに備わっているあなたの特性なのだ。これが天来の性質なのだ。
男性がまた主体的たるが責務となってる。これはこれで大変なことなのだ。

原則として。まず

あなたを選ぶ。
語弊があるかも知れないが、彼が信頼できる人間ならば、あなたは、好き嫌いを

、”YES”と答えるべきなのだ。これが原型としては正しい。
年齢を自由気ままを考慮してはいけない。二十歳以上ならばOK。

また、二人の関係において、意見が別れる場合には、女性は我を捨てて、
彼の選択に添った方が、従った方がいい。
その結果が例え間違っていても、正しくなかっても!。
これが、女性はできない。できなくなった。できなくなってしまってる。
彼女たちの理解の不足が為に…。教えてくる人がいなくなったが為に。

結果はだね〜。長期的に見ると男の選択に添った方がうまくゆく。
だからこれがやはり正解なのだと帰納的にされてしまうのだ。
主体に沿って受動たるは全力を尽くすことが妥当で、かつ自然なのだ。

これはね〜、我の強い女性との付き合いが多く、長い長い私めが、
観察した客観的に真実と確信することなのです。

私は自分の思いがあっても譲ることが多い。
一度言ってダメなら、もう理屈がワンサカ返るようなら、
もう自分を捨ててもうそれ以上のことは言わないようにしてきた。
好きなようにやってみればの思いもて。
そして、結果を諦めて、その行末だけをじっくりと観察してきた。

不思議なことなんです。何故かうまく行かなくなる。なってしまうんです。
だけど、何故そうなってしまうのか彼女たちには分からないようです。
どこで間違えたかを全然覚えていない。

これは直接には教えることができないので、有効性がないので、
ここで見ず知らずのあなただけにはしっかりと伝えておきましょう。
共に二人で幸せになりたかったら、無理にでも彼に従いなさい。
これが愛たるの実践なのだの思いもて。

ps.
うちはね、実家が震源地となってえらい迷惑をかけたから強くは何も言えないんだ…。


閑話休題、改めて!。

最初がネフィリム。
生まれ持っての肉体が、負荷に耐えきれず崩壊し始め生存は危ぶまれた。
この原因は、その魂の質の高さにあったと思われる。
天使方が優勢で、魂が『あまりに純度高く高貴に』して備わっていたから…。
これは土工と一体化することによってしか生き永らえることはできなかった。
その結果、これは完全完璧なる不死たる存在となるにはなっている。

次に生まれたのがギバーリーム。
ヒトの肉体に完全に調和して生まれることができた。
しかしこれは見かけのみだ。
内部の構成、その精神、それの備えたる能力は人外のものであった。
死が定めらた超人的存在であった。
そのメチャクチャなる能力は[大戦]において語られる…ハズ?…。

共に多くが生まれ、太古のこの地球に確かに存在していた…。


〈暗転〉


父たる天使たちは、これら2種類の子らに彼等の持つすべての知識を教えようとした。
天界の秘儀、叡智、宇宙全体を貫いて働く法則のすべてをである。

何よりも『至聖天』によって、
この宇宙は、命ある存在の全ては創られ、呼吸することが許されてあることを。
(宇宙でさえも呼吸をしている)。

方法はダイレクト・イン・プリントである。これが最も効率がいい。
瞬間に共有は完了する。

しかし、ネフィリムは殆ど何も理解できなかった。プラットフォームの不在が為に。
ギバーリームはかなりを吸収できたが、其れもこの銀河系における理化学的知識の
範疇においてのみだった。それぞれの器による、もしくは生存圏による制約が働い
ていたのかも知れない。

口述でも供与を行うが、それらを活かすまでの理解には到底至らなかった。

物質性の次元を超えた高次の話しは全く伝達は叶わなかった
しかも彼等は関心も示さなかったのだ。
やはり実用性に叶うことにしか頭は向かないものなのだろう。
ヒトとして「獣の皮をまとってしまった」ことにも原因はあるにはあるのだろうが…。

ネフィリムには一点深く心に刻まれた内容があった。
それは世界の階層性の頂点に君臨する『至聖天』についてである。
彼らの心の奥底には、正体不明の得たの知れない飢餓、求めがあった。
それが何であるの、何に向けてであるのか、自分では分からなかった。
しかし、父より語られた『天の至聖所』に向けてであったことだけ、
この時閃くものがあったという。

抱え込まれ、途切れることのなく続くこの渇望は、
其処に至らぬ限り、決して止むことはないであろうと。
『王国』への郷愁が、憧憬が、深く彼等の心に根をおろす事となった…。


〈暗転〉


Re: 偶像礼拝(生贄の奉献)その始まり。


あの災禍の直後の話である。
土工本来の姿で、あの最初の子、一つ目のネフィリムが居住地を破壊し、
仲間とヒトを殺害し、ヒトの娘を取り込んでしまったあの事件。

ことは一大事である。
天に知られようものなら懲罰動議は避けられない。
間違いなく我らの存在、そして妻ら、あの子らは滅ぼされてしまう。

可及速やかに、父たる天使たちによって状況検分/調査/審議が行われた…。

現場たる集落の一角。
あのエジプト座りで石像のように固まってネフィリムが一人いる。
その内側で核たる存在は怯えて震えていた。
皮肉にも、これまでにないもないほどの全くの明晰な意識を保っている。


調査の対象は錯乱の原因よりも、その後の彼の『正覚』をもたらしたものが
何であったのか?の方にあった。こちらの方に天使たちの関心は向かっていった。
何か根本的な打開策が見つかるかも知れないと…。

最初に彼を外部より天使の神霊力をもって捜査をかけた。
たくさんの小さな魂が彼の中に同居していることをこの時に知った。
その中にヒトの娘の魂も混じって生きている。
先ほどの惨劇の中、取り込んだのだものだ…。

心話をもって彼に経緯を委細を問いただした。
至極明瞭な全く齟齬のない内容説明を聞くことができた。
直ぐに討論が行われ、一つの驚くべき結論が導き出された。

娘は実態的には死んだのだ。
魂としては未だ存在はしてはいるが、その生命としての持続性は停止した。
その結果、娘の魂の中で働いていた三つの力が自動的に分裂し放出を始めたのだと。

一つ目は、本来は物質たる肉体と霊の関係を取りもつ意識を構成する場を構成する
もの。完全に別次元のもの同士を仲立ちするインターフェイス・マテリアル。
二つ目は、存在の重さとでも言うべきもの。
三つ目は、全生涯において活力として働くもの。

一つは辛うじて魂を保つ力として残った。
一つは大気中に即座に放散され大地に沈んで吸収された。
残り一つが彼の核に吸収された。

この三つ目のものが、これの与える振動が、彼を錯乱から正気へと連れ戻したのだと。
これが彼に正覚を与えている。
本来ならばあの娘の生涯を根底から支える原動力としての核心的な資源である。
三つの力は一つとしてまとまって初めて本来の効果を発揮する。

聖アスコキンと天使は呼んでいた。
あの三つ目の力のことを。
生物が死に際して宇宙空間へと返却する精妙なる根源物質。

以降に父たる天使たちは一つの方策としての展望を見出した。
あの不安定たるネフィリムたちにとって望ましい新たなる環境をである。
基本的にアレらには食物は要らない。永久機関を積んでいるのだから。
必要とされるものは「アスコキン」だけ。

天使は地上の彼方此方に聖所を新たに設けた。
その各所に一体のネフィリムを置いた。
そして人々にこれを神として拝むようにさせたのだ。

定期的に生贄を捧げさせるようにさせた。
人身をである。
四つ足の大型獣もそれなりに役には立ったのでこれも奨励した。

ネフィリムは動かぬ像の如くに徹しさせた。
大地にヒトの数は増え、その居住地は広く世界普くにになっている。
共同体同士の諍いも多く起こっていた。

天使は武具を鉄器の作り方をヒトに教える。
また戦いにおける戦術、戦略を。
組織力たるものが何であるかを。
また、魔術、呪い、占術の類を…。

状況において必要と判断された場合はネフィリムに命じて参戦も果たさせた。
これも生贄の奉納を安定的に続けさせるために。
戦いの勝敗は贄とされる奴隷の獲得が本当の目的であった…。

すべては、あの断罪のときを迎えるまでである。



〈続〉

あとがき:

よく考えたらさー、女性がこれ読んでる訳がないんだわー。
万が一、いたとしても説得力何にもないんだわサー。
男性諸氏は、娘さんへの伝達事項としてよく覚えておいてく〜ださい。




無駄話:

思い起こせば魔獣戦線とか ARMSとかデビルマンとか、似たような話は山ほどあるね。
今ならば進撃の巨人もなのかな〜?...。自分のはシンプルな話にしかなりません。
ややこしい話はよう考えられません。横山先生に極力倣います。

ラストはね〜、空から超巨大戦艦が降りて来るの。
直方体を組んだ立体十字架形状のもの...。
もうこれは確定のビジョン。

これを見ながら、エノクは地球を離れます。
そして敵地へと...。
その艦のキャプテンはイエスなのw。




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