1. タクラマカン

文字数 3,032文字

宣託:

 世界は日々、新たに創造される。
 これが ” 真実 ”。
 これが自然たるものの秘せられたる " 働き "。

『真』と『(あやまり)』の判別は目覚めにかかっている。
 本来は迷うべくもなく、自ずと知れるはずのもの。
 ならば真実問うてみるがいい。


  『我は在りや無かりしか!?』


 いつになっても分別がつかないのならもう(しきい)はなくしてしまおう…。
 汝らは[夢]を[出鱈目]を[逆しま]を存分に生きればいい。
 その求めには偽りの自然が応えてくれることだろう…。

 頽落の痴なる潮流が興る。
 これはとても悲しいこと。
 とても…とても…とても…


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Re: タクラマカン。

この語の意味するところは「死の世界」「永遠に生命が存在し得ない場所」「一度入ったら
二度と出られない死の砂漠」であるらしい。なるほど…どこかの知能の低い空想作家もどきが
このことを知ったらば、妄想逞しくもありもしない出鱈目話をでっち上げるには” 格好 ”とみなすのは「 間違いない!」。

最初に少し現実の話をしておこう…

地理上の悪条件からか、この砂漠は19世紀末ヘディンによって探検されるまでは、
ほとんど世界からは忘れさられていた。この人はスウェーデンの探検家さん。
あそこを縦断されたそうだ。この報道を境として調査が行われるようになっていく。
でもえらく僻地で、劣悪な環境地帯であることからあまり大した調査はされなかった。
それがだ、石油需要の逼迫を起動力として1980年代の後半になってからやっと探査は
本格化する。その結果、タリム盆地全体に眠る石油は1200億バレルを超えるであろう
との試算が上がってくる。これはサウジの確認埋蔵量の半分にあたる。
でも場所が場所なもんで、またいろんな地政学的な事情からも開発のスピードは
かなりゆっくり。実際の稼働は2000年に入ってから。
それもまだほんの序の口程度でしかない。

2015年、タリムの地下には大きな「海」が眠っている可能性があるとの報道を
中国のメディアは行なっている。これ本当の話!。当地の地質研究所の発見で、
この水源を「地下海洋」と表現した。なぜかと言うと、”水”には高濃度の塩分が
含まれていたかららしい。しかし、この” 海” やら” 海洋 ”っていう表現の根拠は
なんだったんだろね? このことに関しての情報は報道ではまったく触れられていない。

タクラマカン砂漠は中央アジアのど真ん中に位置する(中国西部)。
まだまだ砂漠についての話は続くぜ。なんせ情報集めと整理には苦労させられたからな。
東西に約1,000、南北は約400Km、面積は33万7600平方Km。北海道の4個分、砂漠としては
世界第2位の広さになる。気候としてはだいたいだけど気温は-15~40℃(トルファン参考)。
そして雨はまず降らない。これは確実。なので暑さだけで言えば世界一過酷な砂漠だね。

ここの面白いのはその地理地形にある。
まずは大きく笑った口をイメージしてもらうのがいい。
北方にある上唇が『天山山脈』(最高峰7,439 m/全長は2500km)。
そして南方にある下唇が『崑崙山脈』(最高峰7,723m/全長約3000km)。
この二つの巨大山脈に囲まれた(タリムなる)盆地帯にこの砂漠はあるわけさ。
参考までに盆地自体の面積は56万平方Km。
日本(約38万)が丸ごとスッポリ入る。
で、タクラマカンはその60%を占めている。
まあ、大体のイメージを掴んでもらわんのと、また伏線とする為に「口」ってのを
使ったまでではあるがwww。

さてっと、砂漠についてだ。流動砂丘が85%、砂丘の高さは80~3000mだそうだ。
標高は、なんととても低くいんだ!。最低海抜はマイナス130メートル。ここいらが
盆地であることを考えれば、大水でもあれば間違いなく全ての排水の要、漏斗の口と
なるのは確実な話だろうね。*ここ重要だからね!。

さて、ここからが後半。眉唾パートだぜ。

昔々のその昔、大洪水があったてぇ~話だよね。それも地球全土を覆うばかりの
スケールのデカいやつが。これがいつの時代のことだったのかはハッキリ分かっちゃいない。
でも旧約より古いとされる、シュメの神話やギルの叙事詩にその話があるので、少なくとも
今から10000~5000年前ぐらいになんか大きな天災が本当にあったんじゃないかな~。
もしくは、もっと遥かな大昔?。絶対何かがあったんだと思うんだが、
そん時のタクラマカンはどんな様子だったんだろうか?。

あそこは太古においては” レン高原 ”って呼ばれてたんだ。かっては高台だったてぇー話だ。
それがある時、地殻のドタバタで地の底へと沈んでしまう。造形的には真上から「ぎゅー」と
押し込められたようなもんだったんだ。それはまるで忌むべきものをこの世から切り離して
封じ込めるにも似た変動劇だった。その証拠に地底深くに追いやられた空間は底も縁も全~部、
花崗岩の岩盤層でぶ厚く覆われてしまっている。滅ぼすことが叶わないので、永久に閉じ込めたってな感じかな。そして更には駄目押しで大洪水によって蓋がなされた。
そして今じゃあそこは死の砂漠。のっかってる砂の総堆積量は想像を絶する。
周囲には油田の存在があちこち確認されている。
てっことは、あれはジュラ紀以前の出来事なのか!?

さて、タクラマカン砂漠の下には一体何があると思う?。

なんでもあそこの下にゃ〜” 海 ” があるって話じゃあないか....(しっかり間をおく)

『 あそこの下には”

”が眠っている!!!』 (大声荒技括りでっ!)


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それらのものらは最初から存在していた。

究極のものとして完成されていた。
いかなる極限的な環境にも難なく耐えうる強靭な肉体、そして無限の動力源。
さらには星々を渡ることさえ可能であった。
その数多く多種に渡った。
しかし… 魂は与えられてはいなかった。
よって生命とは呼べないもの。一代限り一幕限りの存在でしかなかった。

彼らの存在意義は惑星の環境、その開拓整備にあった。
撒かれた種がやかて健やかに育つための土壌の準備。
煮えたぎるマグマの地表に立ち、粛々とその役目は果たされていた。
また冥府の如き深海にて群れをなし、営々と労役は勤め上げられた。
永劫とも思える時の経過も彼等にはなんの意味もなさなかった…。

今の言葉で言えば”土工” となるのだろう。



〈続〉



予告:次回は『タイタン出撃!』


「ぎゅーと押し込められた」には、母ちゃん思いだした。
 なかなかに逞しい女性でした。
 スギちゃん入ってる?
 割愛したのは『いつまでも綱と蛇を見間違えるのなら...』。元はこれが入ってた。
 多分だが...ラーとサリーとウラヌスが一枚噛んでたんじゃないかな〜? 
 タイタンもか〜いっ!。
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