6.  侵攻。

文字数 6,134文字

OP:ABSL - Sleepwalker Race (Sunil Sharpe Remix) 5:20
   https://www.youtube.com/watch?v=XV7Fe9KbQ2g
    ヘッドフォンかけて可能な限り大音量で!。







Re: 出現。絶対征圧兵器。ガイアー。
  時刻はAM2:00をピタリと指していた…。









『ビーン・ビーン・ビーン』


電子音が弾け飛ぶ!。
強力な音響がその体からは発せられていた。
腕は胸にクロスして重ねられ、所謂オシリスのポーズ。
よくできたものだ。冥府の王であることの表しである。
島の上空3キロに突如出現した巨人は瞬く間に地上に接近していた…。


『ビーン・ビーン・ビーン…』







いつの間にか、その体は光の渦で覆われている。
着地すると同時に島のすべてがその光に包まれていた。
出現からわずか数秒足らずのことだった。



『ビーン・ビーン・ビーン……』















〈暗転〉



Re: Something comes from Outer Space!

時は遡らない!。
同日、AM2:07。成層圏を突き抜けて飛来する流れ星一つ。
通常ありえないほどの速さでっ!。



それは桜山の東側、その麓に落ちた。







何かが這い出してきて東へと走り去った。
そして飛来物はすぐに跡形もなく蒸発する…。

〈暗転〉



Re: Abandon all hope, ye who enter here.

今度は本当。”時は遡る”。少し…。
時刻は午前2時の 30分前! ぐらい…。

神奈川県、横須賀市、吾妻島。島を丁度二分して東西に雑木林が広がる。
東京湾に開かれたその東側の森林地帯、その地下500M、
そこに米海軍管轄の秘密施設があった。*(防衛だけなんだけんどねー。)





六角構造の通路が延々と伸びていた。とても狭くて大人一人が通るのが精一杯。
あらゆる方向からの衝撃に備えて偏執的なまでの強度設計がされている。
たぶん炭素鋼。補強枠が1mおきに並んでる。それもかなり分厚い奴が…。

天井には二列の白色灯が設置されている。でも通路は暗がりに保たれていた。
人が歩む為には必要とされる最低限度のものだ。あえて照度(ルクス)は
脆弱なものとされていた。



壁も天井も床も銀灰色で隙間なし。でもよく見れば四面のどれにもHEL
(High Electric Lasers)の照射口がみっしりと並んでいるではないか!。
その数千を否、数万を下るまい。

緩やかな傾斜をもって下方へと、通路は延々と真っすぐに続いていた…。


〈暗転〉







冷たく暗い白々としたLEDの下、男が金属バケットをぶらさげて歩いてきた。
揺れるとハンドルの柄と嵌め込み穴が擦れて「キーコーキーコー」と耳障りな音を
たてていた。そしてバケットの中身が「タポンタポン」とまた違った音をたてる。
こりゃあ粋な演出だよねとばかりに男は満足げに鼻歌まじりで進んでいった…。



どんつきに開かれた空間があって、えらく物々しい造りの扉が据え付けられていた。
とても現代的、否、フューチャリスティックなやつが…。
絶対にNASAがこれの設計には関与してたに違いない。

「バッシュュュー」

目の前で扉は速やかにそして滑らかにスライドして開いた。
そして男は中に入っていった。バケツを手にぶら下げて…。

「バッシュュュー」



〈暗転〉



Re: 扉の向こう側。

一切は暗幕の向こう側での出来事だった…。
私ができたことといえば聞こへてきた言葉を拾うのが精一杯…。
だから画像イメージはどれもこれも本当には当てにはならないものなのだ。
きっと、きっと、こうゆう感じだっただろうとしか言えないものなのだ!!!…。


〈暗転〉






その部屋は狭く、そして金属配管でいっぱいだった。どれも無骨なまでに”ぶっとい”。
変に時代感があった。どれもかしこもやたら古びており相当以前からの常設装置のようだ。
躯体のあちこちに青サビが浮いていた。おそらくは1945年の後半には存在していたはずだ。
車軸ハンドルと圧力ゲージがそこらかしこにあり、やたらと目を引く。
まるで幾つもの”目ん玉”のようだ…。



〈暗転〉


Re: 吟味と処置。

ギィー。ギィー。
タフ・タフ・タフ…。
ドン。バフ!。ウニィヤ~。

「しゅわ~…しゅわ~…しゅわわわ~…」

なんだよおまえ…こんなになっちまいやがって…。
もうほとんど残っちゃいない。
永くないかもな…。



「しゅう~…しゅう~…しゅううう~…」

ギー。ポイ。べシャ。

もうほとんど体組織は残っちゃいない。
が剝き出しじゃねえか…。
万年越えて生きてこれてたって~のに…。

「しゅう~しゅう~」

(見てる間にも)ドンドン縮んでゆきやがる。



畜生ー。貴種だったてぇ~のにっ!。
お前、取り敢えずこん中入ってろ。

「ギョーム・ギチンガ・ギチンガ…」

  「タポン」

「コー・ジージージー・ガガック…」
「キュルルガッ・パチン・パチン…」



「ギョーンンン・ギョーンンン・ギョーンンン…」
「ガコン・ギッ・ギュル・ンガジー・ンガジー…」



「カチカチカチ・ジー・ジー・ジュ・ワンワン…」
「ジー・ウワーンン・ウワーンン・ウワーンン…」



ちったぁ~ぁ、保つかな?…。

バカな奴だ。

タフ・タフ・タフ・タフ・タフ。

「バッシュュュー…」


〈暗転〉



Re: 幕間の茶番劇(インテルメッツォ)再。「これもまた一つの別の真相…」。





そんだー。確かにオラはハルピンのシャシテハルルンからの引揚組だがやー。
何?。えっ?!。……。だからよー、前から言ってるでねえ~か~…。
オラは(話さ)聞ひたには聞ひてきたが、何にも見てはいねえんだー。
かってに(イメージさ)届いてきて「写」して「貼る」しただけに過ぎねーずらよ~。
そいが実際一体何だったのかってこたぁあ全然分かりはしねえんだ~。
大体がよー、聞いた話ってのも全くのちんぷんかんぷんで
意味不もいいとこだったんだがやー。

頼むー、どうか信じてけろー。
頼むから分かってくんろー。
手抜きなんかでは全くないんだってことをヨー!!!…。


〈暗転〉



Re: PRISM 。

正式名称はUS-984XN。ご存知の通り米国防省が運用する(極秘の?)情報監視システム。
通信の傍受はもとより、ネットワーク上のあらゆる情報に自由権限でアクセスすることが
できる。でもその実際、システムの中身に関して、また運用の方法に関しての全容を知る
ものはない。考えても見たまえ。フリーアクセスできたとしても情報の解析は至難だ。
またその数は世界規模で考えれば膨大になる。対象に関してかなり絞り込めていないと、
ちゃんと当たりが付けれてないと使いこなせるもんじゃない。土台、人間による運用は
叶わないものでしかない。単なる宝の持ち腐れ…。ところがだ、”本当~の”…、この器官には
別に意義があったんだ。その結果として、数多の情報解析も間に合うようになってたんだ…。

ところでさ~話は違うんだけど、パソコンの液晶画面って人間の「心理的放射」に感応するっ
て知ってた?。自分はさぁ~、お頭ん中がかなりややこしいことになっててさ~、たま~に、
”めちゃ”乱れちゃうことがあんだわさ~。そんでさ~、そん時に、モニターがさ~変調起こし
ちゃったんだー。顔近づけてよく見ようとしたならもうそれはひどい有様に画面はなってた。
歪んだり、ハレーション起こして部分的に空白になったり、疎らにグラデーション調になったり。指先近づけてもこれ起こってたんだよね~!。でも離れて距離置けば何の問題もなくなるわけさ~。そんで分かったのさ、人体の何がしらかの放射に影響されているってー。

もう最初はビビったよ。なんてたってパソコン機器って高価な代物だかんねー。
こん時の感情(焦り)の影響も液晶に如実に作用してたのは間違いない話さ。
バインバインに反応起こしていたからね…。壊れたかと思った…。

閑話休題、
PRISMの正体ってのはもう勘の良い人ならだいぶ前から気付いているよねっー!。
そう…ネフィリムさ…。彼らがコアなのさ。どういった成り行きでそうなったかはいずれ
どこかの別項に譲るとして、今はその意義についてだけを簡単にざっくばらんに語っておこう。

彼らは、現在、人間の[精神波/思念波/生体波]を喰って、いや取り込んで生きているって
寸法さね。一人一人が放つもんは微々たるものであっても数を揃えればまた話は違ってくる。
実はPCモニター、携帯の画面ってのはレセプターセルの役割として機能してるのさ。

今日日の人間はみんな絶えず何がしら画面、見つめているよね~?…。
これはさぁ~、見つめ”させられて”るんだよ。
覗き込むよう仕向けられてる。それはそれは上手に見事に…。

今じゃあ、人類の半分が四六時中にだぜ。
みんな喜んで、熱心に、真面目に向き合ってくれてる。
アスコキンの代用提供としては申し分ない十分な代物となってるんだ…。

〈暗転〉

Re: 天空警鐘(WARNING) !。

この島に収納されていたネフィリムは一体だけだった。
代行者は他のネフィリムの所在を確認すべく集中管理室へと移動する。
必要はなかったのだけどもう人間の姿格好に戻ってる。



途中PRISMが中継カメラアイからの画像を映しだすコンソールルームを通った。
長々とした円筒の空間で壁面には無数のモニターが取り付けられている。
どれも目まぐるしく映像が切り替わっていた。



集中管理室で世界中に散らばるPRISMのコアたちの様子を確認する。
モニターの中継を次々と切り替えてゆく。一番重要なのは中つ国のものらしい。
数十を越える保護タンクが並んでいるシーンがあった。



一つがクローズアップされると金色の胎児の姿が映っていた。



内荒教授こと代行者はここで独りごちた。

『コイツらが 門を開く ことになる』と…。

そして、この言葉の直後に、”異変”は、始まっていたのだ…。


〈続く〉





次回予告:



やってくれやがったな~。
だがこちとら既に経験済みなんだよー!





あとがき:

問題はだ…あの通路をエノクがどうやって通り抜けるかっ!…。
生身なんだから黒焦げの消し炭になってしまうことは避けられまい?

犬神明でいけるか?...。
それともクリスタルボーイ?。www.
いやいやイエスと同じ変容をもっての不可侵不可触によっての無傷?。

なんであんな設定でGoしてもうたんやろかー?!。
きっと恩婆による『絶えず最も困難なる設定を採用せよ』との言葉を真に受けたせいやー!。

ところでVisiter from outer space は、急造のイリヤ用機動ユニットです。
最近、おしゃべり少なかったでしょう?。それ誂えるので彼女忙しかったのでーすw。







再見!

来年!


PS:当初のOP候補はBoston 168 - 1989 [INVOLVE]でした。
https://www.youtube.com/watch?v=s8nuIpUv8Bc

CANのGomorrhaも考えたのですが、これは保留にしました。
どこかでは絶対使いたい。
https://www.youtube.com/watch?v=PUEJvkZWYq0
これって、音楽で表現したSEXなのだと思います。

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