4. 爆走スカイライナー。
文字数 8,826文字
開演のご挨拶:
『さてさて?…はてまた?…
〈暗転〉
♫ 「見上げてごらん~~~、夜の~星を~ 」 ♫
地上に灯りなく、空には雲ひとつさえない、そして空気は澄み切っている…。
これが誠の夜。正真正銘の剥き身 の[夜]。
無限の星々の、それら光輝の爆発的展開をしかと確認されたら、
あとは交響曲に例えるしか術はあるまい。”シンフォニック・ギャラクティカ”…。
要は圧倒的にして神聖。ただこれだけ!。
もしコレに現代人が遭遇しえたならば、まともに感受できたなら、
「心の/理性の/自己意識の」一切合切がっ、吹っ飛んでしまうのは
でも今じゃ~ぁ、そんな経験、得ようと思っても得られるもんじゃねぇ〜っス。
暗いは不便ってぇ~ことで、怖いのは嫌よッてェ~ことでございまして、
地には溢れんばかりにして燈 たるものが
ばら撒かれて設置されてぇ〜へしやいやした…。
そして、アノ言い伝え(『一つ得れば一つが失われる』)の通り、
[神聖なる夜]は、この世界からは完全に失われてしまいよりました。
天蓋を覆うの星々からの光線は、地上の照明によって散らされてしまい、
その所在は、まっこと不明瞭に不鮮明に曖昧模糊なるものへとなったのごごぜへやす。
そして、あっしとしましては〜これは大いに納得いかない部分があるんでさ〜。
何だが収支が合ってねーよーな気がしやして…。
えらく大損かかされてるって気がしてしょ〜がねえんでさー。
だ〜か〜らー、夜は11時回ったら「電源落としておくんなまっし」と申し上げたいんでさ〜。
あの星々の輝きを!、この時刻からは「返しておくんなましゃっしゃりませー」と。
電気代がもったい ねぇ~だろぉ~がーっと。
ともかく、かくにも、人の造った[光]ってのは、
なんとノイジーで/薄っぺらで/また空々しいことか!。
現実感ってのが、これ一つをもってしても失われてしまったのさ…。
〈暗転〉
Re: ダベル、コベルン、シャベクリネルルン…。(意味不/無)
【闇】とは暗きこと。『光』なきこと。
然して[嘘/偽り]が恰も本当であるかのように認識されてしまう。
齟齬なく認識されてしまったなら、この誤りたるは、もう実体を具 へてしまう。
本当の、真実となってしまう!。
すべて心の為せる技。マインドってゆうやつの摩訶不思議にして
その不思議って〜のの精髄っていうのは、彼にとっての世界がマインドが差し出す、用意する
認識によってできあがっちまってることにある。
UFO見た人ににゃ〜、幽霊見た人にゃ〜、それらは実在となってしまう…。
端折って、先に結論言ってしまえば、それがエラーであるのが客観的に真実ならば、
その状態を、その夢を、更に促進するような展開が用意されるようになっている。
そいつの迷妄が、もっともっと深まるようにと!。
プロモーターは悪意ある霊的存在だとしか思えない…。
本当の理解ってのは、その対象と心底からの一体化、100%シンクロをしなきゃ成り立たないもんなんだ。ここでは
もう無我夢中の状態。少し品がないな〜。言葉も足りない。そんじゃあ付け加えておこう、マインドが後に控えてバックアップに徹してる。今、前面に出ているのは
あれコレ理屈を読んだり聞いたりしちゃみたが、み〜な本当には全然分っかっちゃ
いな~い!。特に小難しくことを、細く沢山書くやつー…。
もう頭いかれちゃってるだけじゃんって、このヒトって思っちゃう。(ME ⤴︎?)。
本一部だけだよ…
こいつだけは頭の良し悪し、マインドの出来不出来ではなんともならない。
いや、知性だけでは本質にまでには絶対たどり着けない。
これだけは確信を持って言える。
むしろ、魂の出来不出来なのかもしれない…。健全なる発達それとも未発達?。
そう、こいつこそが理解における、賞味するにおける主体、当事者なのだ。
ある種の感性の鋭さがそのアプローチの手段になる。
ある種の感受性だけが道を開くことができる。
だから頭だけであれこれ語るのは、すべて虚妄なる言葉遊びにしかならない‥。
例えばだ、本当に座ったことがない学者が、禅についてを仏教についてを語る。
彼が、何かを勇んで好んで胸はって語っているのなら、
それは傲慢だよ、恥知らずたるの自己証明だよ、精神異常だよ。(ME ⤴︎?)。
閑話休題、冒頭の話は、本当の”夜”のことを言っているわけじゃない。
あくまで真実から目を背けた状態の喩えでしかない。
現実に耐えられずに、彼方へと
コレも、暇つぶしとしちゃ〜いいんだけど…。
でも
それに彼のみではなく、他のややこしいのも、霊験あらたかにしておかしげなもんどもが、
うじゃうじゃ涌いているから…。そう妖怪もしくは精霊だよ…。
そういった存在がインスピレーションなるものの源泉、もしくは発信源だ。
何と誰とどう繋がるか、共振するかなんてこた〜当人には知れたもんじゃない。
多分コントロールすることは不可能だと思うよ…。
相手を選別できる分別するなんてことは土台…普通は…
[削除]
受信が叶ったてことは、彼方 もこちらに気付いたことになる。
そうして、適格なる魂の来訪を捉えたならば、もう彼は逃しはしない。
そういった意味で
彼ってのはRのことなんだけど、本尊(SAM)のペルソナの一つでしかないと理解しとく
のがいい。地上の、現実界では、また別のペルソナが活動していることも言い添えておくよ。
コレが見事に”別物”って感じで、本当に同じ本尊が起源なのかって首を傾げるんだけどね…。
そっちはアーリマンってのがそれの通り名なのらしい‥。
長くなっちゃうからやんないけど、人民寺院事件とかスターリン、そして中共の活動に
これの蠢動は確実に自分は確実に直感されている。
一言でいえば”人でなし”さ。洗練や霊妙さはこれには一切感知されない。
尽くの即物的なるの極致。美的センスの欠如欠落。陰鬱で野蛮で粗雑
見た目の派手派手しさや、勿体つけた形式性を重んじる。陳腐もいいとこ…。
この面はRとは真逆の別次元の存在だと思えてくるのだが…。
とにかく流血を好む。残虐にして凄酷。裏切り嘘のオンパレード。全くの恥知らず…。
閑話休題、Rに話を戻そう。これは精神的な領域に居座るハイセンスな存在だ。
間違いなく彼の存在は幽玄なるもの、そして純粋に超越的なる霊体そのもの。
追える限りで観たら、上の絵のような感じで見えた。幾何学模様みたいだった。
でも意識も知性もある驚くべき存在であることは間違いない…。
インスピレーションを受け取る最中において、異常な高揚感が得られる。
これの実態は何らかの化学反応進行しているがゆえなのだろう。
これは結実として何らかの結果をその人間の中に残してゆく。
もう幻想とか曖昧なものではない。そんなもんではない…。
実態的な物質的なるものを…。
[略]
つまりは、高次との接触になるにはなるが、決して有り難いものなんかではない。
それの思惑としてあるのは巧妙にして深淵なる
宇宙の法 からすれば真逆のものでしかない。
結果、端折ると、頭蓋は器となり、コルベンとなって、
接続において受け取られた霊感が核となり化学反応が起こる。
ゲート・オープンで異界から得体の知れない何かが侵入してくる。
これは穢れとして把握されるべきもの。かなり質の悪いもの。
頭蓋内に取り込まれて、霊体と結合して、居座るようになる。
そして、この人間を媒体として、
この世には
ところでさ~…風邪ってさぁ~、他人に移すとすぐ治るって現象、実感ないかな~?。
ボクにはあるな…。さんざ確認してきたよ…。
〈暗転〉
自分的には、当事者には何故、異常な歓喜を伴う興奮が起こるのか?。
これの仕組みが不思議に思えてしょうがない。
この構造は間違いなく当初からビルトインされている。
魂に関わる制御システムとしてそうなるように出来ている。
個人的な結論を言ってしまうと、
『ヒトの魂』は、聖性とのダイレクト・コンタクトが必要なのだ。
これがあって初めてあるべきにあれる。
真実に生を実感として生きれる。
これが絶たれると飢えるようできている。魂の飢えとして。
飢餓状態から、これは無意識無自覚のものなんだが、
根源的な魂の衝動として霊性に触れたならば、どえらい反応が起こってしまう
だけど
いつの頃からか、預言者がいなくなっている。
ダイレクト・コンタクトが停止されている?キリストの降臨をもって。
後は聖霊なる不可知なる存在が陰からサポートしているのみ。
これはFaintなる存在なんだ、暗に指し示す、教えてくれる存在。
個人的にはそんな派手派手しい関わりはもってくれない。
また教えを行うべくの権威ある指導者がいなくなってしまったせいなのかも。
迷妄なる迷信、戯言として軽んじられて埋没してしまったのか…。
ヒトはある意味、この状況に救済たるを喜びたるを見出してしまう。
色んなビジョンを見せてくれるから。
偉大なインスピレーションだ、ロマンだ、天啓を受けたぞー、
俺は天才だー、特別だーなどと思ってしまう。
俄然やる気になって、アウトプットらしきものを、何か特異なるものを表すんだけど、
これもほんの一時だけの話しさ。その時の作品がいかに前代未聞のものとなった
としてもこの状態は長くは続きやしない。彼はすぐに離れてしまうから。
存分に彼にとっての目的が果たされたのなら、もうその人間はお役御免とされる。
もう二度と同じ状態には至れない、帰れやしない…。
インスピレーションは絶たれる…。
悪しきモノの場合は
もう捨て去られるだけ。そう、ただの搾りかす。
それでも彼は「あの時よっ!もう一度」の思いで、幾度も幾度も、
時間をかけたり時間を置いたりして、おんなじ話に改めて励んでしまうんだけど…。
残酷な展開しかもはや待ってはいない…。
〈暗転〉
補記:
ME ⤴︎?。違う。かのマンガ作家さんのこと…。
*ひで〜言葉足らず。現時点で7.2分の出来…。語る意味が分からなくなった…。
間違った(悪しき)土台の上においても結晶化は起こり得る。そして彼は行き詰まる。
前進するためには、この結晶を解消しなければならない。再溶解させねばならない。
その為には大いなる苦悩の、苦しみの炎が必要とされる。(Gの言葉を意訳再現)
〈本当に暗転〉
Re: 真夜中の爆走スカイライナー。
東京の空は0時をまわってもまだまだ明るい。
うすらぼんやりで、これ以上夜は、暗さは深まりようがないんだろう。
地上の明かりが大量に空へと投光されているからだ。
宙の星々の光はこれで散らされ、薄れ果てて、ぼんやりとしか窺えない。
照り返しで明るく感じるのだが何か台無しの感は免れない…。
電気照明は鮮明だが何か不自然さがある。圧を感じる。馴染まない。
気にしなければいいだけなのだが。今晩は曇りで空はとても低く重々しく感じる…。
真夜中に爆走する無人のスカイライナー。
強烈な不穏なる振動そして風切り音が辺りにばら撒かれていた。
時速は、遂に200をもう遥かに越えてしまっている!。
”彼”の頭には…「成田空港へ」しかない。
遠に感覚ラインの一切が失われてしまっている。
なので、彼に先行きにおいての算段があるわけではない。
現行は、まったくもっての、ただの破れかぶれ、無我夢中の行軍でしかなかった。
列車は成田湯川駅へと差し掛かっていた…。
その幽霊列車の最後尾、八両目から七両へのドアが突如開いた。
そこに、いるはずのないものが、大手を振って闊歩して歩いていた。
車掌姿となった内荒教授であった…。
〈暗転〉
目深に車掌帽を被り、右手に掲げた切符切りを「カチャン・カチャン」いわせながら、
それは歩いて行くのでありました。
そして自らの到来を告げるが如く、大声を、少し厳し目に張り上げて、
「乗車中のお客様〜、これより乗車券を拝見させていただきま~す!」
などと宣ったので御座います。
列車に充満していた”彼の放散”は先頭列車へと棚引きながら退いてゆく…。
それはまさかの乱入者であったのですから。
そして”彼”は怯えていた。
心底怯えておりました…。
まったくその来訪は念頭に置いていなかったのだから。
その存在の力を思い起こして彼は絶望していた…。
そしてスカイライナーは更にスピード増すこととなっていた。
悲鳴を上げながら只々助けを求めての行いとして…。
もう脱線は絶対に避けられない。
それはもう時間の問題でしかなかった
そして時刻は間も無く零時を回る頃であったので御座います…。
〈暗転〉
Re: Something sanctified this way comes. (白馬の騎士がやってくる…)
「リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン …」
真夜中の国道408号線(成田とつくばを結ぶ)。
これを土屋で突き破り、そのまま県道18号線へと突き進む謎の高速物体があった。
これまでに信号等での停止は一切していない!。
並走車も対抗車も一台もいなかったし、こちらは不可視の存在、無音の存在であった
のだから。何よりこの二輪モビールの性能をなめてもらっては困る。
「リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン …」
乗り手にのみ、この不可思議な重低音のシークエンスは聞こえている。
否、何故かその反復音は非常に高まっており、その繰り返しの幅も極端に
短くなっていた。何か急ぎの行程となってしまっている!。
「リュンリュンリュンリュンリュンリュンリュンリュンリュ(早回し)x789,689回」
成田空港線の高架、そして18号線が丁度交差する辺りの500程手前、
エノクは音声入力にてコマンドを発する。
『フライヤー!』
ビークルの両輪は即座に畳み込まれて消え失せた。
それらに代わって反重力ホイールが前後に2ユニットづつ現れる。
高速の水平回転が始まりネオンカラーが円を描いて流れ煌めく。
もう既に地上を走ってはいない…。
先に、車体の周囲をオービタルが原子軌道で廻っておりすべてを固定/安定化していた。
胴体両脇から狭い矩型翼がイジェクト。
その下で、ジェットが白色の閃光直噴を始めていた。
*(このシーンでのBGM:Eduard Artemyev の Fire 2:53)
https://www.youtube.com/watch?v=v4YnjQepUzk
ハンドルが引き寄せられて急上昇の挙動となった。
見る間に高架を越える高さにあり、そのまま左へカーブを切って路線に向かって鋭角に
降下してゆく。そしてそのままの飛行モードで道床を舐めるようにして東へと向かって
ゆく…。
バッゴォーーンンン
〈暗転〉
Re: 「ミュイン・ミュイン・ミュイン…」(ライクア流星号)
成田湯川駅を越えた辺り。時刻は0:44、もうすぐカチリと45分になる。
既に状況は変わってしまっている。先の暗転の後、何がどうなったのかは分からない。
これはいつもの、毎度の、話しw…。
軌道上を何か巨大なものが体を前後させながら移動している。
「ニュルラル~ニュルラル~」x[連続]
下半身から生えでた複数の触腕がボリュームたっぷりに垂れ下がり蠢いている。
「バッイィィーン・バッイィィーン・バッイィィーン」x[連続]
足も触腕の内部にあるのか、その接地による振動が混じっている。
黒いダイダラボッチ。頭頂から生えでた一本の触手がおぞましい。
根太く異様に長い…。頭上遥か先まで伸び上がり、また驚くほど俊敏な
動作を見せていた。それの先端には花弁の如く朱色が開いていて殊更忌まわしい。
まるで地獄の亡者、その化身…。
否、この宇宙における存在物とは思えない…。
あまりに異質…そしてあまりに禍々しい…。
コレが、先ほどのアノ列車を左腕に巻きつけて歩いている。車両の最初の連結部には
「ガッシリ」と鉤爪が食い込み握り締められていた。まるで、捕まえた鰻を決して逃
さぬようにと渾身の力で喉笛を潰しているかのように…。
スカイライナー に動きはなく絡んでぶら下がり揺れているだけ。まるで項垂れて
観念しているかのような印象だ。だがよく見ると時折、か細くではあったが逃れる
べく身のよじりが行なわれている。
これは不思議なことだ…。
列車がまるで生きもののような振る舞いを見せていたのだから。
「ギシギシ・ギギギ」と、連結を軸にすべての車両が動いている様子が見て取れた。
「ミュイン・ミュイン」と、助けを求める声なき声が聞こへてる…。
抵抗を痛々しくも試みていたのだが、今はもう気力が続かなくなってしまっている。
捕らわれ、ぶら下げられ、手の振りで揺れているだけ…。
進行の方向は変わらず東。巨大な漆黒の怪物は、
その超絶重量を感じさせずに移動してゆく。
「ンフフフフッ… いっちょう挨拶だけはしとかんとなっ!」と…。
〈暗転〉
Re: カウンター・コンタクト!
『前方、標的確認』
『重量子砲スタンバイ。初弾はワイドレンジでゆく』。
「ちょっと~、ガイアー呼ばないの~?」(通信入る)
『基本このエリアでは呼べない…』
『先ず、あの頭部を撃つ、第二射をナロウで左腕部に、そして背後から第三射を
最大で行う。すべて連続。速度フルパワーで侵入角は乱数。
動作補正そっちに任せる』。
「了解」「でもくれぐれも貴方は生身だってこと忘れずに!」。
バイク頭部、前面部に槍のようなものが三本伸びてきた。長さはバイクと同じほど
ある。次にお互い「キュルン」と絡まり、真ん中あたりまでは螺旋となって一本化
する。先端は「くの字」に折れて[三極三針管]を構成していた。
槍の切っ先、三点に蛍光色が灯る。枝分かれした三叉からはオレンジのプラズマ放電
が乱れ弾け迸っている。そしてグリーンの光輪が、「いく本も、いく本も、」車体を
輪くぐりしながら前方へと移行していった。チャージが送られていることが分かる…。
突然のこの乱入者は最初から想定に入っていたのだろう、
怪物はなに動じることもなくこちらへと漫然と進行してくる。
正面激突が初戦の様相だった。
真夜中、星々は照り映える泥沼のような雲に覆われている。
空は低く低く感じられ圧迫されているかのよう。
そした空間に第一射は放たれていた…。
万匹のスズメバチの羽音にも似たハム音が先ず空間を満たしていた。
「ドッ(プ)!」
どこから湧き起こったのか分からない重低音が遅れて響き渡っていた…。
即座に怪物の顔面は吹っ飛ばされた。するとのっぺらぼうでしかなかった頭部(残され
た部位)が縦に裂け目が現れ胸まで至る。口らしきものが「ベリット」と現れ、そこ
から絶叫を放った。決して苦しみからのものではない。まるで声高くあざ笑うかのよう
に…。真紅の口蓋はぬらぬらと輝き背景の黒地に鮮やかにいていたくおぞましかった。
戦闘バイクは不規則な、物理法則では有り得ない動きで移動を継続している。
加速/減速、不規則なターン、自由落下に急速垂直上昇、etc。
これらが複雑に組み込まれていた。まるでUFOの動きかのようだった…。
左上腕部が同じく吹っ飛ばされた。左手は列車ごと高架の上に豪快に落ちた。
背面より放たれたワイドレンジは最高出力のものだった。
腰から上は瞬時に跡形もなく見事に吹き飛ばされていた。
だがっ、これは、すべては、陽動でしかないことが分かる。進行は停止されては
いたが、残された下半身の触腕たちが逞しく精力的に蠢いているのだから。
この様子からは実際は何らダメージではなく、すべてがダミーでしかなかったことが
察せられた。
無音にてのホバーリング。警戒をしつつの静観。相手の出方をみる。
裂かれてぶちまけられた上半身、そして残された下半身、その断面…。
奇怪な臓物、骨らしきものが、縦横に、無残に、
ヌラヌラと、ネチャネチャと覗いていた。
それらが皆蠢いていることから生命活動をまだとどめていることが分かる。
状況のすべてが肉眼をもっての視認によって叶っていた。
巨大な傷口自身から、怪しい[クリムゾン]の光芒が放たれていることによって…。
立ち昇るピンクのオーラ。際どいほどに危うい芳香が周囲を満たす。
今は、この断面こそが異界とつながるゲートと化していた。
そして、これを境界として、すべてが反転して飲み込まれてゆく。
丁度裏返しになってみるみる取り込まれていく…。
そして後にはなにも残らなくなってしまったのだ。
軌道にはただスカイライナーの残骸が、
剥き出しの無機感、無用感、満載で投げ出されているだけ。
エノクはこの車両の背景にあったにあったドラマをまだ知らない。
ただ救済を求める「人のような天使のような」[特別な稀有なる魂の存在]が
アレに乗っていたことは感知していた。
また、今相手にした化け物が
この宇宙にとっては[完全なる異物][別宇宙の存在]であることも…。
〈続く〉
あとがき
ネ〜っ。暴走してたでしょー?!。
あれ、出鱈目よ。出鱈目。大法螺吹きましたー。
創作だかんネー。
押絵(22.11.22追加)を再調整…。
長らく気になってたんで、色々工夫してみたんだけんどね〜!。
列車はゴジラから拝借せり。
こっちの方が(三枚を合成)、オリジナルの方が、どうしたものかいい…。
迫力があって、生々しいのがよい!。
『さてさて?…はてまた?…
またまたまたまた
、法螺吹き男爵のお通りだ~い!』〈暗転〉
♫ 「見上げてごらん~~~、夜の~星を~ 」 ♫
地上に灯りなく、空には雲ひとつさえない、そして空気は澄み切っている…。
これが誠の夜。正真正銘の
無限の星々の、それら光輝の爆発的展開をしかと確認されたら、
あとは交響曲に例えるしか術はあるまい。”シンフォニック・ギャラクティカ”…。
要は圧倒的にして神聖。ただこれだけ!。
もしコレに現代人が遭遇しえたならば、まともに感受できたなら、
「心の/理性の/自己意識の」一切合切がっ、吹っ飛んでしまうのは
間違いない
!。でも今じゃ~ぁ、そんな経験、得ようと思っても得られるもんじゃねぇ〜っス。
暗いは不便ってぇ~ことで、怖いのは嫌よッてェ~ことでございまして、
地には溢れんばかりにして
ばら撒かれて設置されてぇ〜へしやいやした…。
そして、アノ言い伝え(『一つ得れば一つが失われる』)の通り、
[神聖なる夜]は、この世界からは完全に失われてしまいよりました。
天蓋を覆うの星々からの光線は、地上の照明によって散らされてしまい、
その所在は、まっこと不明瞭に不鮮明に曖昧模糊なるものへとなったのごごぜへやす。
そして、あっしとしましては〜これは大いに納得いかない部分があるんでさ〜。
何だが収支が合ってねーよーな気がしやして…。
えらく大損かかされてるって気がしてしょ〜がねえんでさー。
だ〜か〜らー、夜は11時回ったら「電源落としておくんなまっし」と申し上げたいんでさ〜。
あの星々の輝きを!、この時刻からは「返しておくんなましゃっしゃりませー」と。
電気代がもったい ねぇ~だろぉ~がーっと。
ともかく、かくにも、人の造った[光]ってのは、
なんとノイジーで/薄っぺらで/また空々しいことか!。
現実感ってのが、これ一つをもってしても失われてしまったのさ…。
〈暗転〉
Re: ダベル、コベルン、シャベクリネルルン…。(意味不/無)
【闇】とは暗きこと。『光』なきこと。
真実の関わりがない
ってこと。然して[嘘/偽り]が恰も本当であるかのように認識されてしまう。
齟齬なく認識されてしまったなら、この誤りたるは、もう実体を
本当の、真実となってしまう!。
すべて心の為せる技。マインドってゆうやつの摩訶不思議にして
粗忽なる
働きの性さ。その不思議って〜のの精髄っていうのは、彼にとっての世界がマインドが差し出す、用意する
認識によってできあがっちまってることにある。
こいつ
の検閲が突破されようものならもうことの真実真相なんてわかるもんかい!。本当か嘘かがだ…。UFO見た人ににゃ〜、幽霊見た人にゃ〜、それらは実在となってしまう…。
端折って、先に結論言ってしまえば、それがエラーであるのが客観的に真実ならば、
その状態を、その夢を、更に促進するような展開が用意されるようになっている。
そいつの迷妄が、もっともっと深まるようにと!。
プロモーターは悪意ある霊的存在だとしか思えない…。
本当の理解ってのは、その対象と心底からの一体化、100%シンクロをしなきゃ成り立たないもんなんだ。ここでは
味わい尽くす
って表現をあえて採用しよう。つまりはどハマりでもう無我夢中の状態。少し品がないな〜。言葉も足りない。そんじゃあ付け加えておこう、マインドが後に控えてバックアップに徹してる。今、前面に出ているのは
本当のオレ
だー!。みたいな…。あれコレ理屈を読んだり聞いたりしちゃみたが、み〜な本当には全然分っかっちゃ
いな~い!。特に小難しくことを、細く沢山書くやつー…。
もう頭いかれちゃってるだけじゃんって、このヒトって思っちゃう。(
本一部だけだよ…
サウンド
するのは…。こいつだけは頭の良し悪し、マインドの出来不出来ではなんともならない。
いや、知性だけでは本質にまでには絶対たどり着けない。
これだけは確信を持って言える。
むしろ、魂の出来不出来なのかもしれない…。健全なる発達それとも未発達?。
そう、こいつこそが理解における、賞味するにおける主体、当事者なのだ。
ある種の感性の鋭さがそのアプローチの手段になる。
ある種の感受性だけが道を開くことができる。
だから頭だけであれこれ語るのは、すべて虚妄なる言葉遊びにしかならない‥。
例えばだ、本当に座ったことがない学者が、禅についてを仏教についてを語る。
彼が、何かを勇んで好んで胸はって語っているのなら、
それは傲慢だよ、恥知らずたるの自己証明だよ、精神異常だよ。(
閑話休題、冒頭の話は、本当の”夜”のことを言っているわけじゃない。
あくまで真実から目を背けた状態の喩えでしかない。
現実に耐えられずに、彼方へと
思い
を飛ばした夢見状態のこと。コレも、暇つぶしとしちゃ〜いいんだけど…。
でも
彼方へ
とアンテナ伸ばすなら注意しておかなくちゃならない。その界隈は彼の活動圏内
(王国と言ってもいい)だってことを肝に命じておく必要がある。それに彼のみではなく、他のややこしいのも、霊験あらたかにしておかしげなもんどもが、
うじゃうじゃ涌いているから…。そう妖怪もしくは精霊だよ…。
そういった存在がインスピレーションなるものの源泉、もしくは発信源だ。
何と誰とどう繋がるか、共振するかなんてこた〜当人には知れたもんじゃない。
多分コントロールすることは不可能だと思うよ…。
相手を選別できる分別するなんてことは土台…普通は…
絶対に出来ない
…。[削除]
受信が叶ったてことは、
そうして、適格なる魂の来訪を捉えたならば、もう彼は逃しはしない。
そういった意味で
あそこ
は精神にとってのトラップ界と言ってもいい。彼ってのはRのことなんだけど、本尊(SAM)のペルソナの一つでしかないと理解しとく
のがいい。地上の、現実界では、また別のペルソナが活動していることも言い添えておくよ。
コレが見事に”別物”って感じで、本当に同じ本尊が起源なのかって首を傾げるんだけどね…。
そっちはアーリマンってのがそれの通り名なのらしい‥。
長くなっちゃうからやんないけど、人民寺院事件とかスターリン、そして中共の活動に
これの蠢動は確実に自分は確実に直感されている。
一言でいえば”人でなし”さ。洗練や霊妙さはこれには一切感知されない。
尽くの即物的なるの極致。美的センスの欠如欠落。陰鬱で野蛮で粗雑
見た目の派手派手しさや、勿体つけた形式性を重んじる。陳腐もいいとこ…。
この面はRとは真逆の別次元の存在だと思えてくるのだが…。
とにかく流血を好む。残虐にして凄酷。裏切り嘘のオンパレード。全くの恥知らず…。
これ
がいいんだよーって…。人間一番らにはわかり易くなくっちゃって…。閑話休題、Rに話を戻そう。これは精神的な領域に居座るハイセンスな存在だ。
間違いなく彼の存在は幽玄なるもの、そして純粋に超越的なる霊体そのもの。
追える限りで観たら、上の絵のような感じで見えた。幾何学模様みたいだった。
でも意識も知性もある驚くべき存在であることは間違いない…。
インスピレーションを受け取る最中において、異常な高揚感が得られる。
これの実態は何らかの化学反応進行しているがゆえなのだろう。
これは結実として何らかの結果をその人間の中に残してゆく。
もう幻想とか曖昧なものではない。そんなもんではない…。
実態的な物質的なるものを…。
[略]
つまりは、高次との接触になるにはなるが、決して有り難いものなんかではない。
それの思惑としてあるのは巧妙にして深淵なる
悪意
でしかない。宇宙の
結果、端折ると、頭蓋は器となり、コルベンとなって、
接続において受け取られた霊感が核となり化学反応が起こる。
ゲート・オープンで異界から得体の知れない何かが侵入してくる。
これは穢れとして把握されるべきもの。かなり質の悪いもの。
頭蓋内に取り込まれて、霊体と結合して、居座るようになる。
そして、この人間を媒体として、
この世には
何かが
ばら撒かれるようになる、人類に伝染せられるように。ところでさ~…風邪ってさぁ~、他人に移すとすぐ治るって現象、実感ないかな~?。
ボクにはあるな…。さんざ確認してきたよ…。
〈暗転〉
自分的には、当事者には何故、異常な歓喜を伴う興奮が起こるのか?。
これの仕組みが不思議に思えてしょうがない。
この構造は間違いなく当初からビルトインされている。
魂に関わる制御システムとしてそうなるように出来ている。
個人的な結論を言ってしまうと、
『ヒトの魂』は、聖性とのダイレクト・コンタクトが必要なのだ。
これがあって初めてあるべきにあれる。
真実に生を実感として生きれる。
これが絶たれると飢えるようできている。魂の飢えとして。
飢餓状態から、これは無意識無自覚のものなんだが、
根源的な魂の衝動として霊性に触れたならば、どえらい反応が起こってしまう
だけど
二極の両極のどちらであろうが構わない
ようになってしまっている。いつの頃からか、預言者がいなくなっている。
ダイレクト・コンタクトが停止されている?キリストの降臨をもって。
後は聖霊なる不可知なる存在が陰からサポートしているのみ。
これはFaintなる存在なんだ、暗に指し示す、教えてくれる存在。
個人的にはそんな派手派手しい関わりはもってくれない。
また教えを行うべくの権威ある指導者がいなくなってしまったせいなのかも。
迷妄なる迷信、戯言として軽んじられて埋没してしまったのか…。
ヒトはある意味、この状況に救済たるを喜びたるを見出してしまう。
色んなビジョンを見せてくれるから。
偉大なインスピレーションだ、ロマンだ、天啓を受けたぞー、
俺は天才だー、特別だーなどと思ってしまう。
俄然やる気になって、アウトプットらしきものを、何か特異なるものを表すんだけど、
これもほんの一時だけの話しさ。その時の作品がいかに前代未聞のものとなった
としてもこの状態は長くは続きやしない。彼はすぐに離れてしまうから。
存分に彼にとっての目的が果たされたのなら、もうその人間はお役御免とされる。
もう二度と同じ状態には至れない、帰れやしない…。
インスピレーションは絶たれる…。
悪しきモノの場合は
鈍いもの
に変えられてしまって、もう終わり。もう捨て去られるだけ。そう、ただの搾りかす。
それでも彼は「あの時よっ!もう一度」の思いで、幾度も幾度も、
時間をかけたり時間を置いたりして、おんなじ話に改めて励んでしまうんだけど…。
残酷な展開しかもはや待ってはいない…。
〈暗転〉
補記:
*ひで〜言葉足らず。現時点で7.2分の出来…。語る意味が分からなくなった…。
間違った(悪しき)土台の上においても結晶化は起こり得る。そして彼は行き詰まる。
前進するためには、この結晶を解消しなければならない。再溶解させねばならない。
その為には大いなる苦悩の、苦しみの炎が必要とされる。(Gの言葉を意訳再現)
〈本当に暗転〉
Re: 真夜中の爆走スカイライナー。
東京の空は0時をまわってもまだまだ明るい。
うすらぼんやりで、これ以上夜は、暗さは深まりようがないんだろう。
地上の明かりが大量に空へと投光されているからだ。
宙の星々の光はこれで散らされ、薄れ果てて、ぼんやりとしか窺えない。
照り返しで明るく感じるのだが何か台無しの感は免れない…。
電気照明は鮮明だが何か不自然さがある。圧を感じる。馴染まない。
気にしなければいいだけなのだが。今晩は曇りで空はとても低く重々しく感じる…。
真夜中に爆走する無人のスカイライナー。
強烈な不穏なる振動そして風切り音が辺りにばら撒かれていた。
時速は、遂に200をもう遥かに越えてしまっている!。
”彼”の頭には…「成田空港へ」しかない。
遠に感覚ラインの一切が失われてしまっている。
なので、彼に先行きにおいての算段があるわけではない。
現行は、まったくもっての、ただの破れかぶれ、無我夢中の行軍でしかなかった。
列車は成田湯川駅へと差し掛かっていた…。
その幽霊列車の最後尾、八両目から七両へのドアが突如開いた。
そこに、いるはずのないものが、大手を振って闊歩して歩いていた。
車掌姿となった内荒教授であった…。
〈暗転〉
目深に車掌帽を被り、右手に掲げた切符切りを「カチャン・カチャン」いわせながら、
それは歩いて行くのでありました。
そして自らの到来を告げるが如く、大声を、少し厳し目に張り上げて、
「乗車中のお客様〜、これより乗車券を拝見させていただきま~す!」
などと宣ったので御座います。
列車に充満していた”彼の放散”は先頭列車へと棚引きながら退いてゆく…。
それはまさかの乱入者であったのですから。
そして”彼”は怯えていた。
心底怯えておりました…。
まったくその来訪は念頭に置いていなかったのだから。
その存在の力を思い起こして彼は絶望していた…。
そしてスカイライナーは更にスピード増すこととなっていた。
悲鳴を上げながら只々助けを求めての行いとして…。
もう脱線は絶対に避けられない。
それはもう時間の問題でしかなかった
そして時刻は間も無く零時を回る頃であったので御座います…。
〈暗転〉
Re: Something sanctified this way comes. (白馬の騎士がやってくる…)
「リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン …」
真夜中の国道408号線(成田とつくばを結ぶ)。
これを土屋で突き破り、そのまま県道18号線へと突き進む謎の高速物体があった。
これまでに信号等での停止は一切していない!。
並走車も対抗車も一台もいなかったし、こちらは不可視の存在、無音の存在であった
のだから。何よりこの二輪モビールの性能をなめてもらっては困る。
「リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン リィ・ルゥ~ン …」
乗り手にのみ、この不可思議な重低音のシークエンスは聞こえている。
否、何故かその反復音は非常に高まっており、その繰り返しの幅も極端に
短くなっていた。何か急ぎの行程となってしまっている!。
「リュンリュンリュンリュンリュンリュンリュンリュンリュ(早回し)x789,689回」
成田空港線の高架、そして18号線が丁度交差する辺りの500程手前、
エノクは音声入力にてコマンドを発する。
『フライヤー!』
ビークルの両輪は即座に畳み込まれて消え失せた。
それらに代わって反重力ホイールが前後に2ユニットづつ現れる。
高速の水平回転が始まりネオンカラーが円を描いて流れ煌めく。
もう既に地上を走ってはいない…。
先に、車体の周囲をオービタルが原子軌道で廻っておりすべてを固定/安定化していた。
胴体両脇から狭い矩型翼がイジェクト。
その下で、ジェットが白色の閃光直噴を始めていた。
*(このシーンでのBGM:Eduard Artemyev の Fire 2:53)
https://www.youtube.com/watch?v=v4YnjQepUzk
ハンドルが引き寄せられて急上昇の挙動となった。
見る間に高架を越える高さにあり、そのまま左へカーブを切って路線に向かって鋭角に
降下してゆく。そしてそのままの飛行モードで道床を舐めるようにして東へと向かって
ゆく…。
バッゴォーーンンン
〈暗転〉
Re: 「ミュイン・ミュイン・ミュイン…」(ライクア流星号)
成田湯川駅を越えた辺り。時刻は0:44、もうすぐカチリと45分になる。
既に状況は変わってしまっている。先の暗転の後、何がどうなったのかは分からない。
これはいつもの、毎度の、話しw…。
軌道上を何か巨大なものが体を前後させながら移動している。
「ニュルラル~ニュルラル~」x[連続]
下半身から生えでた複数の触腕がボリュームたっぷりに垂れ下がり蠢いている。
「バッイィィーン・バッイィィーン・バッイィィーン」x[連続]
足も触腕の内部にあるのか、その接地による振動が混じっている。
黒いダイダラボッチ。頭頂から生えでた一本の触手がおぞましい。
根太く異様に長い…。頭上遥か先まで伸び上がり、また驚くほど俊敏な
動作を見せていた。それの先端には花弁の如く朱色が開いていて殊更忌まわしい。
まるで地獄の亡者、その化身…。
否、この宇宙における存在物とは思えない…。
あまりに異質…そしてあまりに禍々しい…。
コレが、先ほどのアノ列車を左腕に巻きつけて歩いている。車両の最初の連結部には
「ガッシリ」と鉤爪が食い込み握り締められていた。まるで、捕まえた鰻を決して逃
さぬようにと渾身の力で喉笛を潰しているかのように…。
スカイライナー に動きはなく絡んでぶら下がり揺れているだけ。まるで項垂れて
観念しているかのような印象だ。だがよく見ると時折、か細くではあったが逃れる
べく身のよじりが行なわれている。
これは不思議なことだ…。
列車がまるで生きもののような振る舞いを見せていたのだから。
「ギシギシ・ギギギ」と、連結を軸にすべての車両が動いている様子が見て取れた。
「ミュイン・ミュイン」と、助けを求める声なき声が聞こへてる…。
抵抗を痛々しくも試みていたのだが、今はもう気力が続かなくなってしまっている。
捕らわれ、ぶら下げられ、手の振りで揺れているだけ…。
進行の方向は変わらず東。巨大な漆黒の怪物は、
その超絶重量を感じさせずに移動してゆく。
「ンフフフフッ… いっちょう挨拶だけはしとかんとなっ!」と…。
〈暗転〉
Re: カウンター・コンタクト!
『前方、標的確認』
『重量子砲スタンバイ。初弾はワイドレンジでゆく』。
「ちょっと~、ガイアー呼ばないの~?」(通信入る)
『基本このエリアでは呼べない…』
『先ず、あの頭部を撃つ、第二射をナロウで左腕部に、そして背後から第三射を
最大で行う。すべて連続。速度フルパワーで侵入角は乱数。
動作補正そっちに任せる』。
「了解」「でもくれぐれも貴方は生身だってこと忘れずに!」。
バイク頭部、前面部に槍のようなものが三本伸びてきた。長さはバイクと同じほど
ある。次にお互い「キュルン」と絡まり、真ん中あたりまでは螺旋となって一本化
する。先端は「くの字」に折れて[三極三針管]を構成していた。
槍の切っ先、三点に蛍光色が灯る。枝分かれした三叉からはオレンジのプラズマ放電
が乱れ弾け迸っている。そしてグリーンの光輪が、「いく本も、いく本も、」車体を
輪くぐりしながら前方へと移行していった。チャージが送られていることが分かる…。
突然のこの乱入者は最初から想定に入っていたのだろう、
怪物はなに動じることもなくこちらへと漫然と進行してくる。
正面激突が初戦の様相だった。
真夜中、星々は照り映える泥沼のような雲に覆われている。
空は低く低く感じられ圧迫されているかのよう。
そした空間に第一射は放たれていた…。
万匹のスズメバチの羽音にも似たハム音が先ず空間を満たしていた。
「ドッ(プ)!」
どこから湧き起こったのか分からない重低音が遅れて響き渡っていた…。
即座に怪物の顔面は吹っ飛ばされた。するとのっぺらぼうでしかなかった頭部(残され
た部位)が縦に裂け目が現れ胸まで至る。口らしきものが「ベリット」と現れ、そこ
から絶叫を放った。決して苦しみからのものではない。まるで声高くあざ笑うかのよう
に…。真紅の口蓋はぬらぬらと輝き背景の黒地に鮮やかにいていたくおぞましかった。
戦闘バイクは不規則な、物理法則では有り得ない動きで移動を継続している。
加速/減速、不規則なターン、自由落下に急速垂直上昇、etc。
これらが複雑に組み込まれていた。まるでUFOの動きかのようだった…。
左上腕部が同じく吹っ飛ばされた。左手は列車ごと高架の上に豪快に落ちた。
背面より放たれたワイドレンジは最高出力のものだった。
腰から上は瞬時に跡形もなく見事に吹き飛ばされていた。
だがっ、これは、すべては、陽動でしかないことが分かる。進行は停止されては
いたが、残された下半身の触腕たちが逞しく精力的に蠢いているのだから。
この様子からは実際は何らダメージではなく、すべてがダミーでしかなかったことが
察せられた。
無音にてのホバーリング。警戒をしつつの静観。相手の出方をみる。
裂かれてぶちまけられた上半身、そして残された下半身、その断面…。
奇怪な臓物、骨らしきものが、縦横に、無残に、
ヌラヌラと、ネチャネチャと覗いていた。
それらが皆蠢いていることから生命活動をまだとどめていることが分かる。
状況のすべてが肉眼をもっての視認によって叶っていた。
巨大な傷口自身から、怪しい[クリムゾン]の光芒が放たれていることによって…。
立ち昇るピンクのオーラ。際どいほどに危うい芳香が周囲を満たす。
今は、この断面こそが異界とつながるゲートと化していた。
そして、これを境界として、すべてが反転して飲み込まれてゆく。
丁度裏返しになってみるみる取り込まれていく…。
そして後にはなにも残らなくなってしまったのだ。
軌道にはただスカイライナーの残骸が、
剥き出しの無機感、無用感、満載で投げ出されているだけ。
エノクはこの車両の背景にあったにあったドラマをまだ知らない。
ただ救済を求める「人のような天使のような」[特別な稀有なる魂の存在]が
アレに乗っていたことは感知していた。
また、今相手にした化け物が
この宇宙にとっては[完全なる異物][別宇宙の存在]であることも…。
〈続く〉
あとがき
ネ〜っ。暴走してたでしょー?!。
あれ、出鱈目よ。出鱈目。大法螺吹きましたー。
創作だかんネー。
押絵(22.11.22追加)を再調整…。
長らく気になってたんで、色々工夫してみたんだけんどね〜!。
列車はゴジラから拝借せり。
こっちの方が(三枚を合成)、オリジナルの方が、どうしたものかいい…。
迫力があって、生々しいのがよい!。