4. 楽園追放†エグリゴリ

文字数 5,860文字

抜粋:創世記より

さて、[蛇]は、神が作られた野にあるどの動物よりも、
   “ Subtil ” (微妙で、とらえがたく、名状しがたい…)なモノであった。

神は蛇を呪う:

『お前が行ったことのゆえに、お前は最も呪われたる存在として分離される、 
 地球上にて飼われる家畜の凡てと、また野にて生きる全ての獣のうちから。
 お前は、一生腹ばいのまま地を這いずり回り、”塵” を喰らって生きよ。』

『これより後、お前と女は敵同士となる。お前の末裔と女の子孫たちにおいてもそうなる。』
 お前は彼の踵を攻撃し、また彼はお前の頭を砕くであろう。』

神はイブに罰を与える:

『行ったことに後悔するよう、汝の嘆きを大いに増やす。』
『子を身に宿すにおいて、汝は痛みを味わう。あなたは苦しんで子を産む。』
『また汝の願いは夫へと向かう。そして彼は汝を統治する。』

神はアダムを呪う:

『汝は妻の言葉に耳を傾け、そしてわたしが食べてはならないと言った木から取って食べた。
 その為に、大地は呪われたものとなった。汝には、一生、悲しみがつきまとう。
 生活の糧をここから引き出さんが為に。汝の為にと大地からは荊棘と薊が生じる。
 あなたは、これらの薬草(災禍)を食べなければならない。

 *額に汗して働いて初めてパンにありつける。大地に還るその日まで‥。

 *生涯に渡り、このことの意義/意味を『熟練理解』(master)するべく、
  汗を流さねばならない。あなたに死が訪れる、その日まで。

 そしてあなたは大地へと還る。汝が来たその場所へと。
 汝は塵から創造されたがゆえに塵へと還る。』

 アダムは彼の妻を”Eve”と名づけた。
 その意味は、”すべてのヒトに人生を与える母”であった。
 主なる神は、アダムとその妻に動物の皮でできた衣を着させて楽園より追放した。


注:欽定訳+他英訳のものから訳出。チャンポンした。

大事なのは、”イバラ”と”アザミ”で例えられる【苦難災禍】。
これが『薬草』(herb)とされていること。
ここだけは欽定訳は”流石”と言わざるを得ない。

日本語訳のものは(文語も含めて)言ってはなんだが、どれもこれも理解不足からか
全くなっちゃいない。英訳の多くも勝手な思い込みで文章組んでる感があった。
”イバラ”と”アザミ”への肯定的な理解がまったくないんだ‥。
困った困った…。

決定的なことは【死】が這い入り、定めらてしまったってこと!。

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さてッと、やっと本題に入れる。ここからの話は、ちょっと乱暴になる。
また言葉足らずもいいとこなんだ…。

とりあえずは、上の抜粋がベースになるので、「ヨック」理解しといて貰いたい。
じゃないと、最後にゃぁ「

」だけに終わっちまうなんてことになるからね!。怒髪天をつくになっちゃうからねー。
老婆心から言っとくけど、創世記は見掛けと違って情報量は桁外れに多いから。

では、” 大ボラ”を始めるとしよう……。


Re: 前振り

人が追放されたのは物質次元としての地球。
関わる”元々”の[すべて]は同時に転写されて、” ここ” に合った辻褄で再構成された。

その実際、結果だけを見てみよう(断片としてネ)。

動物の皮でできた衣を着させてだよね…。例えば体内の臓器。ここでは人間の内部を構成する枢要なる臓器は、原始的な生物から始まり、徐々に複雑な生命に進化するプロセスの中で徐々に完成準備されるといった物語となった。扁形動物は消化管へと、海綿動物は肺胞に、そして原生動物は消化吸収の効率を上げるべく大腸へとやがては配される。環境に合った試行錯誤を経ての最良解がDNAに記録される。(メディアはこれ以外にもある。)あらゆる変動を加味して用意周到に練りは果たされている。そして捕食によって伝播蓄積保管され、終局、人が纏う肉体がまとめ上げられたになった。彗星が運んできた種に、この生命の発生進化のプログラムは最初からすべて納めてあった。

他のお話も見てみよう。
ここにおいては、あらゆる有機生命体の存在の目的は、天空の高次の星々からの放射を受信すること、またこれを変換して他方へと放射伝達を行うことにある。オクターブにおける作用の結束点としての役割が与えられていた。宇宙へと伸びるシステムの鎖の一環として組み込まれているわけさ。(この次元として”だけ”成立するお話だからね。)嘘だと思うんだったら考えてみてよ、太陽がなくして命がここ地球にあり得たのかどうか?。すべては宇宙全部、総体として関係している。

ここでの生存において、ヒトは思い知らされることとなる。ここが、いかに非情にして残酷な環境であるかを。『これでもか』というほどに!。システムのあり様は、いたく即物的かつシビアなものだ。苦しんで高次へと変換して吐き出すか、自身を取り崩して贈与する(喰われる)か。ヒト本来の魂からすれば、こんなのに組み込まれて生存することは乱暴なこと甚だしい。「低き次元の制約に雁字搦めとなった」が実相だ。(上ではイバラとアザミとして語られている。)

ここ、物質界としての地球は、ヒトにとって、呪われた境遇と呼ぶにふさわしい。宇宙へと伸びる歯車の一つとして組み込まれてしまったのだから。しかし、また、このことは可能性として利用することができた。そうされることが望まれてのことだった。十全な意味における『試練』。この語にその本質が、秘密が、すべて表されている。もし、あることが正しく果たされたならば!、薬効としての効果が期待され得る。気づきへと至るよう導いていってくれるよう働く。そして、最終、脱出への毅然たる決意がヒトに獲得されるようになる。そうなるべくして環境が利用されるってのが主の願いだった…。

「器」は全景(全体)から切り離された境界でしかない。ただ便宜的に、分離を形成する”場”でしかなかった。コップの水はほっときゃ腐る。川は海とは実は一体なんだ…。難儀なことに、この「偽りの主体」となってしまった器の中には、行き場のない悪しき思念体が巣食ってしまうんだ。何故だか、これは避けられないようになっている。囲いが不完全なせいかもしれない。ダダ漏れならぬダダ入り。それらは一種のエネルギー生命体で、憑モノ、悪霊と言った方が通りはいいのだろう…。

①それらはどこから来るのか?
②起源は何なのか?

①ただ単に、血筋を伝い、その中に潜んでいるだけなのかもしれない。
否、(モノによるけど)大元は、おそらくは異次元にある精神界からなんだと思う。何処よりか、然るべく整えられた条件さえあれば、それらは引き寄せられて”テレポテーション”してこれるんだ。

②強烈に体験されて満足が得られたなんらかの”快楽”が刻んだ情動の痕跡。新たに再体験することが志向され、その為に焚べられたエネルギーの貯蔵。切り離されて独立し盲動するその姿が生命活動に似てきてしまう。知性さえ備えてやがる。

これにも二方向あって、そのうちの「安易」で「楽チン」な方が今の話としては中心になる。要は「退縮」「退化」「落下」のことだ。「坂道を転がり落ちるように」の方。存在できる次元を決定するのは、持てる魂の質、つまりは振動数。この質を落としてしまうような行為になる。核融合ならぬ核分裂も表現としては採用できるかな?…。あえて不遇になる状態に移る、堕ちる代わりに、一時、目眩く快感を味わうことができる。破滅主義者の悦楽ってやつさ〜。でもさ~、知ってる? ”アレ”って貴重な”もらいもん””あずかりもん”なんだってことを…。

❸観念にもこれが宿っている場合がある。詭弁家(嘘つき)どもに洗脳されない様に、憑依をうつされない様に気をつけてね。また、ある種のインスピレーションによってもアレらのいる処と繋がることは可能だ。言葉ってのは思っているよりパワフルだかんね。これはもう魔術の一環、一様式と言っていい。扱いには十分慎重にならなくてはいけない。決して名を呼ぶなんて真似はしないでくれよ。経験者は語るだ…。

要点は、「器としての誤った自己」を離れなければならない。捨てなければならない。これは簡単なこと。「器」において”死”ねばいいだけ。その実際は、自己の内に巣食う悪霊どもと格闘し、これに打ち勝つになる。我欲に死んでしまう必要がある。つまりは、これが世に語られる『聖戦』(ジハード)なる言葉の本当の意味。ことそこに至って、初めて、『神』の助け、導きが絶対に必要だと自覚される。叫び求める様になる。真剣にやってこそ初めて分かることだってある。だって、これって不可能なんだもん…。

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Re: エグリゴリ達の犯した罪

天使は純然たる霊性を調和の内にて結晶化させた存在である。
滅ぶことも、朽ちることもない。まず、ありえないのだ…。
もし、あり得るとするならば、
それは御世の代替わりによる必然としての解除によるのみ。

『御使』として永世の身たる存在であった。

また彼らは両性の原理をその身に完全調和にて宿している。
そが故に「嫁ぐ事もなければ娶る事も」必要はなかった…。

ヒトのあり様を監視する為に彼らは送り込まれていた。
この辺境たる物質次元の地球へと。
その任務に惑うこと不満に思うことは一切なかった。
監視は昼夜を問わず委細漏らさず誠実に行われていた。

月日の巡りの中で、ヒトはその数を増してゆく。
また新たな機能としての対外把握に基づく知性、
 人格なるものが急速に発展拡張進化を果たしてゆく。
個として意識が、より明瞭なるものへ、より明晰なるものとして形造られていった。

その性なのだろうか、新たに生まれてきた子らはどれも皆、
見目が少しづつ、かってとは違う様になったきた…。

ある日のこと、天使はヒトの子の娘を可愛いと感じてしまう。

あれは最近の娘ではないか…。

ヒトなる存在には天使とは違った特質が確かにあった。

愛おしいという思いが強くなっていった。

身擦れ合うが如くに寄り添い、我二本の両腕もて抱擁したいと思うようになった。

こういった思いは彼一人だけのものではなかった。

地球へと派遣され、大地に降り立った天使達の多くのにその思いは同じとなっていた。

睦みあいたい、融合したいとゆう欲求が沸き起こってくる。

子を産むための、ヒトの行う男女の交合に関心があったのだ。

我らならば、女の体をコピーして男の肉体を新たに装うことができる。

あの可愛い存在を母体として自分の子を知ることに大いなる興味があった。

しかし、これは違反になることは間違いのないことであった。

またヒトの系統においては分岐を置くことになる…。

新たなる存在は果たしていかなるモノになるのか、これは誰にも分からなかった。

独断による行為は禁則事項になる。

密かに芽生え、膨れ上がった衝動を叶えんがために、
思いを同じくする天使達で集い誓い合った。
皆がこの行いを真っ当することを。
違えれば、呪いが立てられるであろうことを。

ヒトの子の娘の元に夜、男が訪ねてきた。
なぜか一目で娘は男が好きになる。
まぐわいが果たされ、朝、男は何処へかと去っていった。

こうしたことが夜毎に繰り返される。やがて娘は身籠もることとなっていた。
超上位者と分霊を核として抱く下位のものの血がが混ざり合って中位なる新たなモノが
生まれた。それらのほとんどは、まともに肉体を構成することができなかった。

(きら)めきつれて(うごめ)くだけの不定形なる半霊半肉の(かたまり)

二つの目だけで他には何もまともには付いていない。

その眼は悲しげで、なにか訴えかける色があった。

知性と意志を備えているのは確かだった。

これらにこそ、『器』は、必要とされていた…


ED: ” Cité Tango ” Astor Piazzolla (5:38)

https://www.youtube.com/watch?v=sZ4Sl3fRYpg




〈続く〉




補足:

And in regard to the second primordial fundamental cosmic law, and namely, the Sacred-Triamazikamono, common-cosmic objective science also formulates with the words:

根源的宇宙法則の第二、すなわち聖トリアマジカムノの法則について。
客観的宇宙科学は言葉においては次のように定義もしてくれている。

“A new arisen from the previously arisen through the “Harnel-miaznel,” the process of which is actualized thus: the higher blends with the lower in order to actualize the middle and thus becomes either higher for the preceding lower, or lower for the succeeding higher;…

『すでに生じているものから、〈ハーネル・ミヤッツネル〉を通して、新たなものが生成
 される。そのプロセスは次の様に実現される。

 高次のものが、中間のものを生み出すために、低次のものと混ぜ合わされる。
 その結果は、新たに生まれたものは、先行する低次のものにとって高次のものとなるか、
 あるいは先行する高次のものにとって低次のものとなるかのどちらかである』

Beelzebub’s Tales to His Grandson、Book2、The Holly Planet “Purgatory”, pp.468(邦訳)

[直訳:byMe]
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