XXX.  最終回(仮)

文字数 4,724文字

        ここでいきなり締めくくりの内容を公開させていただきます…。




 上空、遥か彼方に、小さな穴が開いている。

 それは静かにゆっくりと広がってゆく様であった…。

 エノクはこれに気づいてた。

 その穴をただじっと見つめている。

 やがてすぐにその表情は微笑へと変わっていた。


「さすがだ…。」彼はポツリとつぶやいた。


 その瞬間イリヤは彼が何かことを始めようとしていることに気づく。

 こんな状況で、未だやれることがあるというの?。

 何故か急にムクムクと得体のしれない不安が膨らみゆく。

 その思いを押し殺せぬまま、

 彼女は、か細く震える声を、まるで悲鳴をあげるかの如くして、急ぎ尋ねていた。

「敵を本拠まるごと叩く。」

 エノクは静かに、簡略された、その言葉をもって答えていた。

 黄金の毛並みたなびく巨狼を見つめるその眼差しは、
 既に感謝の思いが溢れんばかりとなっている。

 もうー、どうやって〜?!。

「大丈夫。援軍が来てくれている。」

 空に穿(うが)たれた穴は、ある一定の大きさまで広がってからは停止したままだ。

 後は静かにそこに(たたず)んでいる…。

 イリヤはそれを見上げて、そう彼女が来たのね…(つぶや)いた。

 瞬時に一切を悟っていた。

 行くのね、あそこに…。

 もう帰ってはこれない。

 わたしには絶対に行けないトーコーロー!!!。

 断線避け難し…。

 嗚咽が込み上げてきた。


「さらばだイリヤ!。」

 エノクは彼女のその思いを封じるかのようにして声をあげ、即座に背を向けていた。

 ガイアーに進みゆくその背中に向けて、イリヤは叫ぶ。

 わたしはいつもあなたと一緒よー!。





 背を向けて進みゆくままに、その姿勢を保ったまま、

 エノクは右手をあげて手首にはめた黄金のブレスレットを振って見せていた…。


「ガイアーぼくを収納。そしてあの中に向かへ!。」





 ガイアーの額より牽引ビームが発射され、エノクを引き上げはじめる。

 エノクは額奥のコックピットに収まり、ガイアー即座に上昇を開始。

 香ばしい電子音があたり一面、華々しく撒き散らされ始めた。

 それは()ぜるかの如くして、すべての空間を埋めてゆく。

 そしてガイアーは上昇して穴の中に消えた。

 地上には、しばらくの間、音のみが、

 か細くなりながらも、長く長くハッキリと聞こえていた…。


ビーーン・ビーーン・ビーーン・ビーーン……ビーーン………ビーーン………ビーーン…
ビーーン………ビーーン………ビーーン………ビーーン………ビーーン……
ビーーン………ビーーン………ビーーン………ビーーン…
ビーーン………ビーーン………ビーーン……












ガイアーが暗黒の空間を垂直に上昇してゆく。

直立で、その腕を胸に組んで、あのいつもの姿勢のままに…。

その先は、穴の出口は、あの無底が支配するところ。

彼のみと結ばれて在るところの絶対領域。

『ZERO Universe』

上昇の中、改めて次元を跨いでの索敵をエノクは行う。

「レイガン!」(霊眼)

 そして今度こそはハッキリと改めて知ることとなった。

 我らが大宇宙とまったく同じものではないか!。

 サイズにおいては寸分の違いもなかろう…。

 そこではあらゆる空間にて、ホワイト・ノイズが唸り鳴り響いている。

 異常な高まりをもって全空間にそれはみなぎっていた。

 やたらめったら、縦横無尽に、切り裂き()くるかのようにして!。

 まるで、奇妙奇天烈なる倒錯こそが我が本懐とでも(のたま)うかの如くして!。


 もうこちらの接近を察知しているな。思惑も十分分かっている。

 それで威嚇せんがばかりとなっている…。

 だが、お前が如何な存在であったとしても、

「ガイガーの何たるかは絶対に判るはずがないのだ!。」






 そこは、あまりの巨大さがゆえにか、でかさのためにか、

 全体としてはあくまで静謐で、奥深き懐たるものを垣間見せていた。

 あれらノイズの大音響で満たされているにも関わらずもだ。

 なぜか尊厳深き聖なる世界であるとの思いを観るものに抱かせる。

 色とりどりの無数の泡が、浮遊しながら静かに明滅を繰り返している。

 その様はやはり、まるでなにか生き物かの如き電算機の印象を覚えさせる。

 この宇宙のまるごとが、やはり一個のコンピューター…。

 それもとてつもないゴーストを(はら)(むす)(ささ)え持つためのものとしての…。

 いや違う!。

 ここにあるもの全部を超越したところに、彼たるものは存在しているのだ。

 我らの宇宙における神にも等しき存在。

 されど、真逆も真逆なるもの…。

 秩序調和、真善美たるものの、絶対の否定者、破壊者。

 それらの一切を蹂躙(じゅうりん)し、蕩尽(とうじん)しつくすが、その役割、その求め。

 脱落せる魂のブラックホール…。


  これを破壊することは、主の意たるものに、完全に反することになるな。

  それに相違ない…。

  だがそれはいつものことではないか!。

 「我は在る。我はただ我たれと望まれし者なり!!!」




                   granted !
  

                   granted !!


                  You are granted !!!



 もう間もなく出口だ。

 頭上の暗黒道には、先程霊視した宇宙がその姿を合わしつつある。

 すぐに一瞬で世界は変わってしまう。

 ときが迫っていることを自覚して、

 エノクは周囲の暗黒空間に向けて大きく声を上げて問う。


「いけるか?クリスティン!。」


 突如、闇の中からから滲み出すかのようにして、とある存在が現れた。

 二枚の羽根を広げた巨大スフィンクス。

 その正式名称は智天使イオフィエル。





その体は透過性を宿しながら虹色に輝いている。

体表を七色の光が流れるかのように、穏やかに走っていた。

このときを見越して、これまでずっと、ここに待機してくれていたのだ。

暗黒空間そのものが実は彼女の腕の中、もはや彼女そのもの…。


 問題なし。

 我々、宇宙における全惑星が、

 それらの軌道運動が、あなたをサポートいたします。

 溜め込みも十分。既に限界まで為されています。

 稼働制限は一切ありません。

 もはや無限大です。


「ならばもうやるべきことは分かっているな?。」


 もちろん…。


「悪いが、お前にだけは、ぼくに付き合ってもらうこととなる。」

「開始からのシークエンス: 0.00000…00001秒〜2000sec。」

「爆心間の距離:  0.000…000…000…000…0001㌨。」

「入ってからではもう遅い。」

「今、ここで、執行する。」

「ガイアー!!!!!」


 自爆装置が作動を始めた。

 その間約二秒…。


「ありがとう。」


 わたくしは、あなた様の、永遠の従者です…。

















〈エピローグとしてあと一回だけ続く…〉








あとがき:

え〜っと…空間時間移動を行って、その破壊力を無限大に増幅すんの。
でもそれはコピーなんかじゃない…。

ただ一回のみの爆発、その現象過程のすべてを微分化して、それも無制限に分節化して、
それらすべてをランダムにシャッフルして、あちらこちらに空間移動させんの。
更には、とき(時間)も同じくして、ことを移すの、移し続けんの…。
決着の付くまで…。終わらなければ

!…。
*(矛盾を引き起こす時節のみはスキップされる。)

なんかおかしいかもね…。

でも、もしかしたら、ギリギリセーフになるかも?!…。

是非、読者の皆様のお力添えをもって、そう為してやってください。



          「ちょっとくらい協力しなさいよー。あんたちも!」 


                   by イリヤ


まあここにたどり着くまでには何年かかることか?!。七年でしょうね…。

自分は誰かと違って忘れやすいので思いついたアイデアはすぐに公開したくなっちゃうのー。

寄る年波には勝てず。

年取ると堪え性がなくなんのー。

若いときからそうだったけどーーー。

誰かにこのアイデア先に使われちゃったら、まずいじゃん。



この時点ではメタトロン艦の登場もやむ無し。

三つのしもべ、勢揃い。

でもあれは宇宙空間で活躍してんの。

だって設定では地球よりでかいんだもん!。



さあ、みなさん、もうすっきりしたでしょう?。

もうこの作品のことは、ここで見たこと、ものは、全〜部、忘れてやって下さい。

そしてご自宅へとお戻り下さい。そんでもってお勉強でもしてて下さい…。


あとは未来を託するに足りる、まだ幼くいたいけなる稚児たちに向けて、

あんまり難しいこと言わない、その子らにむけて、



引き続き(汗)、

本カミ芝居をやっていこうかな〜?と思っております…。


「バイビー!」










だからー(稲ちゃん)、その、たった一回の爆発のみでー、
あの宇宙のまるごとを、破壊することは、元々できたんだけどー、
でも空間領域があまりに広いんでー、
物理的エネルギーの伝播における時差を考慮してー、
念には念を入れてでー、ことの時空間転移が、
あの様な形で必要だったのー。

全体そのものに均質にダメージを負わせる。

これが選択された作戦だった。

相手がね、ただならぬものだったから…。

ことに対しての対処対応、そして反撃の機会を許すことは、

絶対にあってはならないことだったー!。


You, all see ?



このお話しの真のラスト、それのヴィジョンは、怒りの日、それの開始なんだ……。

エノクはまったくこのことを知らんのだが、実は、この契機を、彼は託されてある。

ガイアーの自爆はあくまでもおまけ。

「御国を今すぐにお送りください」   Send your kingdom soon!

このことを真に、心から願うことは、誰においてもなかなかできないこと。

たとえ地獄としての状況がこの世に出現したとしてもだ。

何故か?。一番の障害は、子等の行く末を案じるがあまり。

なにせ、すべてがご破産になる、それとしての状況を迎えてしまうからだ。

だから、エノクとしての存在が必要になってきてしまう。

ことはのすべては、プロローグにて最初から語られてある……。


ついでに、ガイアーの自爆としてのこのアイデアは、多中心をもってしての爆破となってる。

これはこれで自分にとっては大切なアイデアなので、先に公開を急いだまで。

だから、この最終回はフェイク、仮のもの……。


草々



覚書:

爆発のシーンがもし映像化されるなら、演出において一つこだわりたいことがある。

ことは、ある意味、無限に引き伸ばされた時間内においてのドラマになる。

ストップモーションの連続において、エノクの体は、ゆっくりと焼失していってしまう。

かなりのカット数が使われていい。

そして、その姿、有様を、静かに、淡々と見つめる、見守ってある存在がいる。

これは当然にクリスティンである。

この過程において彼女はどんな反応を見せてあるのか?。なにを心中思っているのか?。

そして、やはり、ことの影響からは彼女も、爆散することからは逃れられず、

やがてにはフェードアウトが余儀なくされる。

無底と、エノクとクリスティン、それぞれの消滅のシーンをどの様に組み合わせるのか?。

カメラの連写音が挟み込まれて、時時、絵が切り替わってゆくのがいいだろう……。





エピローグも‥長々と書いたんだけどもう長すぎる…そんでまた抽象的に過ぎるんだ…。
簡単に構想を言ってしまうならば〜、エノクは新たなる宇宙の支配者になる。
つまりはそれにおいての父なる神に…
その彼に付き従う従者、従者たちとして、
エノクはネフィリムを指名し、すべて生き返らせる。

まっ、そんな落ちにでもせんことには、この話しは終わりとはなるまい…云えまい……。

意外と公開はこれの方が早いのかもね。



            保管庫がわりにここに置いておく….












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