2.断罪(pt2) 降臨

文字数 5,373文字

前口上:

「 さあ今回も張り切って大法螺をぶちかまそう!」

「 ♡かしこ

♡ 」




 〈超暗転〉



Re: ルーンデルペルゾとアヌリオスの形成にまつわる話。


地球、(エマネーションの)フローから見れば、”ここ”は第六番目の階層にに位置する。
世界48(3+6+12+24+3)、ドレミならば”ミ”の領域。恐ろしく粗野で低振動の、
荒き物質世界となる。ぞんざいにいえば、まったくもって不便この上ない場所なのである。

だが、この星は特別なものと”なる”…なった。
その本質を一言で言えば「生命の過剰増殖とその蕩尽」になる。
バタイユならば『地表における太陽エネルギーの過剰』となるのかも知れない。

氷塊の大彗星「コンドール」の直撃がその直接の原因だ。
あのショックにより地殻は剥き出しとされ、ハガれて宇宙空間へとかなりの部分が
吹っ飛び出た。そしてルーンデルペルゾ(月)とアヌリオスが形成されたのだ。

これは突発的にして、想定外の、まったくもって不測の事故でしかなかった!。

突如、地球の衛星軌道で周回するようになったこれら二つの分離体…。
このことは太陽系にとって大いなる災厄をもたらす可能性があった。
物質交換の連携は大変デリケートなシステムにおいて果たされている。
広大にして遠大なる時間をもって形成されてきたこの緻密にして綿密なる
惑星相互間のこのやりとり…。
これがかき乱され、破綻してしまう可能性さえあったのだ!。

否、……更に切実なる窮状をもたらすことが他にあった。
それらが第七層、最終的なる〈Restricted Boundary〉 に接する領域の存在体として
機能し出していたことなのだ。むしろ問題の核心としてはこっちの方が深刻だ。
未だ非在としての、可能性だけの宇宙から影響を受けてしまう位置にあったことによる。

このことが何を意味するのかは賢い読者にはもうお分かりのことかと思う。
そこを根城にしている超越存在がおるにはおられるのだから…。w。
ことは物理的距離やスケールとは関係しない。構造的秩序にまつわるイレギュラーなのだ。
この太陽系に、地球に紐付けとなって、代行者が割り込んできてしまうことになる…。


当然なことではあるが、この突発的な事態に対しては、
対処の方法はやはり急あしらいのものでしかなかった。

ルーンデルペルゾは地球の分身(子)として、地球の生態系がこれを養うようにした。
過剰なる生命増殖、アスコキンの大量生産そして放出の必要性もここにある。

片やアヌリオスは、最終絶対境界ライン(デッド・エンド)のランドマークとして
向こう側のものとして設定された。これは非在なる絶対者【無底】の注意を引くために。

つまりはだツ、ちびコイやつの方は見捨てられたんだ。
アヌリオスは人身御供みたいにされちゃった。
外に放置して、彼方の所有物みたいに設定されてしまった。
調和を回復すべくの策は即物的な辻褄合わせでしかなかった。
供儀をもっての封印処置だったのさ。ロマンチックに言えば、魔術的儀礼…。

あれは本当に予定外想定外の偶発的事故だったのだろうか?。
結果、地球は、後々、特異なる役割を負うのが定めの星となる。
ザアダムの流刑地と定められたことがそもそも特別な話だった。

何かと、誰かと、似たような話に聞こえないだろうか?。
それ、古来よりの言習わしの通り、以降は類は友を呼ぶの展開になる訳じゃ。
それもあの刻印(コンドール)の所為なのじゃ…。


〈暗転〉






Re: イヴ。


其の実は(くら)うに()く、目に美しく、観賞(なが)むるに(こころよ)かりければ、その実を取りて(くら)い、
己が夫にも(あた)えしかば、彼も(くら)いぬ。” [創世記、ウァルガタ訳にて]


ザアダムらはここ地球の在来種ら、つまりは〈獣〉と同じ体組織をまとわされた。
生存の為には、これは必要な処置でもあった。物理的融合(親和)は完璧になされていた。

だが、彼等の天来性が故にか(これは神が特別な思いと作法もてエデンにて生きるべく
創造されたことを意味しているのだが)、肉としての構成は大いなる物理変化を引き起こす。
格別なる進化を即座に遂げていた。

直立完全二足歩行、大脳新皮質の形成、後頭葉の異常発達などがその端的な例だ。
中身に伴い、器たる肉体もまた変化を起こしていた。この星における唯一無二の
生命種となっていた。

天来性と在来性の両原理からの相互作用が彼らにとっての呪いなのだ。
つまりは〈魂〉と〈獣性〉の間における「せめぎ合い/確執」におけるバランス取りの
ことを言ってる。機械的では始末に負えない。絶えずその時点における最適解を自分で
取捨選択をせねばならないのだから。身を焦がす火をその身に(いこ)すのが務めと
言えよう。


語るべきは「うら若きイヴたち」(において)だ。

伴侶たるを求めるべき時節ともなれば外へと向けて放たれる”チャーム”。
無自覚に、何の苦も労もなくとも、それは自然と立ち現れてくる。
獣らにおける浅ましきサインなどではもうない。〈己がアダム〉を招き呼びよせんと
しての牽引の力。溌剌として無尽蔵のオーラ…。

我ら異種族にとっともそれは効果あるものだった。

その力の源を”天眼”をもって探ってみれば、ガイアの霊性に突き当たった。
ガイアは彼女の『愛』を発露するチャンネルとしてイヴらとダイレクトに繋がっていた。
このことは(後で述べるが)彼女らが空房的存在であるが故に適っていた。

ガイアは地母神として、託されしザアダムらに対する役割と責任を覚える。
同時に不遇なる境遇に落ちた「ヒトの子等」を彼女はとても哀れみそして深く愛する。
彼らを[支え/安らげ/導く]思いもて、彼女の愛をイヴを通して放射していた。
若き日の、瞬く間のことなれど、出来る限り長く『美』の啓示者たるように。

『美』の印象が見る者を引きつける。そして『愛』が掻き立てられる。
この構図こそが、ガイアとしてザアダムに向けての心底のメッセージであった…。



〈暗転〉



Re: 近接。





上空遥か、成層圏まで飛んで、宇宙(ソラ)を備(ツブサ)に観察する。
オリオン座ペテルギウスを越えてこちらへと接近する星四つ。

「四体か…」




霊視すると、こちらを彼方高みより見下ろす巨大な顔が天空にはあった。
冷徹にして非情なる眼差しがこっちをじっと見つめている。
これはパワーズではない。下手すると…。
最上位クラスがこちらに向かっていることを悟る。四体も…。
皆に伝えたところで今さら何の対処ができようや…。
カノ方々ならば明朝には到着されてしまう。
震えて眠ることしかもう我らにできることは残されていない…。



〈暗転〉








Re: 降臨。四騎士。

わたしは、高き天の御座に、主が座しておられるのをもう見ることはできなかったけど
宙の彼方での天使らの詠唱は聞くことができた。彼らはこう歌っていた:

  『昼夜、我らは語ることを決して止めない』
  『聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神』
  『主の栄光は天地を覆い宇宙に満つる』
  『正しき者のみが、主の元に還ることができる』

朝靄にけぶる大地にはみるみる神気が満ち溢れてゆく。
円陣を組んで控えていた我らは身動き一つさえ取れなくなっていた。
威厳という名のあまりに巨大な圧力によって…。

突然湧き出た暗雲が聳え立ち四方を取り囲む。
万もの雷撃がその中を駆け巡る。一切合切を清めんかのように…。





そしてガブリエルの言葉が、静かなれど重々しく皆に届いてきた。


『聖にして聖の極みたる尊き御方。至聖天の命により我ら推参せり。
 今より汝らには断罪が降らん。逆らいは無用と知れ!』


我らを中心に、東に西に南に北に四人の騎士が現れた。
どれも背景には後光が煌めいている。
余りに神々しい出で立ちの騎士達だった。



ミカエル



ラグエル



ウリエル



カマエル




そして上空には蓋をするかのように暗黒が広がっている。

星一つもそこにはなかった...。


〈続く〉



補足説明:

ミカエル
神への固き信頼と絶対的服従。その具現化されしもの。
結果、その振るう力は神に匹敵する。聖なるものたちの総帥、司令官。

ラグエル
易きに流れ、無自覚に偏向していってしまう惰弱性。
また初心を忘れ逸脱しても尚それに気づけもしない無神経さ。
これらの背景に働くダイナミズムに飲み込まれれば逆鱗的に機能する。
結局、オクターブの法則に基づく進展の屈曲は「目覚めるているべきが眠ってしまっている」
のが原因。地上におけるすべてをこの面において監視している。

彼は後に『シン』(掘削)のハンドラーとして登場。
これは『狂気の山脈編』南極がその舞台。

ウリエル
神の炎・光と称される。天上界の叡智、そのもの。全太陽の統括管理者である。
とっ同時に地獄の主ともなるらん。タルタロス(アヌリオス)のチューニングは
彼単独での行い。なんと受肉化で人間界でも活躍してる。豚の胃袋に前居た。

カマエル
クリムゾンより暗き〈ダーザイン・レッド〉。真紅に炎えあがる豹。
峻厳たる裁きの執行者。

の元ハンドラー。



あとがき:

分割した。能書き延々と続けてもね…。
次回はなんとかアクションメインにしたいです。
ガブリエルは声だけ。登場は原典への配慮のみです。




ハイ、ここからはつけたりです。

ただし女性は、ここからを読んではいけません。
厳禁です。

だろうけど念の為。

もう言ったからね!。

「エッフォン…」(咳払い)

まずは原典にあたろう:

単独としてのザアダムは自分の助けとなるコンパニオン的存在を見つけられなかった。
(つまりは色々いたにはいたがしっくりくる相手はいなかった)。
これを確認した主なる神は、ザアダムを深く眠らせ、眠っている間に、
彼のあばら骨の一つを抜きとる。その空いた部分は肉でふさいだ(陽物の形成?)。
主なる神はザアダムからとったあばら骨で一人の女を造り、ヒトのところへと連れてゆく。
すると、これを見て、ヒト(男)は言ったのだ:
「これぞまさしく、(元の)わたしの骨よりの骨。(元の)わたしの肉よりの肉。
 わたしから取り去ったものから造られたので、これを(オンナ)と名づけよう」。
(創世記)(超意訳:byME))


イヴはザアダムの肋骨一本から創造された。
その他の構成要素はほとんど空房になる。
何がこれらを埋めているのかは未だ、(はなは)だ不明である。

注)話者は何言ってるのか全然わかっておりません!。

だがこの空房のおかげで、未知なる(すべての)もの…、
他者を受け入れるのを容易にしているのではないかと思ふ。
よって飛躍すれば、憑依体質、もしくは導体としての働きがイヴ独自の特質となる。

彼方からの、あれやこれやの(正体不明の)力が流入してきているのがイ~ヴ。
それも新たなる生命体を合成する/命を与える存在である所為さ。

(でも一旦、然るべくの男性からの制御を、自ら厭うて離れて切り捨てて、結果それらの
 力が野放しとなったならば〜、我儘の権化となることはもう絶対に避けられないことに
 なる。その流入してくる力に、翻弄されれてあるがままの、まさに怪物と成り果てる。
 それらは自分単独ではコントロールできない類の力なのだから。その行為の選択は決して
 幸せに結びつくことなどない。絶対にない。あり得ない。*器としての人格つまりはエゴ
 としての満足はあり得るのかもしれないが、本質魂良心としての、本当私としての満足は
 あり得ない。あくまで従としてあるのが生来の所定の姿なのだからだ。
 子らがなにより哀れだ。その姿形選択がインプットされていしまうのだから…。)

”その為”と言ったらなんだけど、受け入れたものに、その存在は規定されてしまう。
価値あるものだと認めて受け入れたらば、完全にそれの影響に染まる。
だから何にでもなってしまう…。誰にでもなれてしまう…。
当人らにその気が無くともネー!。

これは実は自分がないから。また自分のことしか考えられない(たち)だから。
陰極としての定めなんだろか?…。

矢張り、彼女らにとって根本の、絶対的課題ってのは、
自分と対になるべく存在しているアダムと結ばれること。

たった一組の鍵と鍵穴の関係。赤い糸でつながれた宿命は間違いなくあるのです。
そうなれば理屈を越えて、すべてが根底から自動的に整う。
そして更には、同時に神様の祝福もがついてくる。

当然に彼には大きな責任が背負わされいる。最初は貴女には分からない。
またそれが如何なる形をもってのものなのか、貴女には遂ぞ分かず仕舞いになる
かも知れないが!。でもこれは間違いのないことなのです…。

そんな彼を支えることが、彼が無事に天与の責任を果たすことができるよう、
補佐することが貴方にとっての生涯における本当のミッションになるのです。
このことが貴方を律し、その存在を根底からやがて変容することとなる。
そして相応しい代価を貴方は手にすることとなる。

言っとくけどアダムとしてもイブとしても魂としては両方とも経験するからね!。
アニマとアニムスに優劣は基本ない。主従の役割としての違いは決定的にあるけれど。

これも念のために言っとく。

最後にガイアの介入によって問題が一つ起こったことを言っておこう!。

  イヴらが、この魅力を自分のみによるものだと、
  自分独自の価値において発しているのだと
  勘違いしてしまったことだ!。

蛇足:長期展望(積分)とか鳥瞰図的把握ってのは彼女らの資質には合わない。
   でも機微なる感受性(微分化)と、(改めて)綾織り(し直し)するは達者。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み