解決を目指せ
文字数 2,009文字
カトリの顔を見て剛介は何か言おうとしたが、それを飲み込まざるを得なかった。
そんな剛介の態度を見かねたように志織は剛介に近づき耳元でつぶやいた。
「あんなに熱く語っていた、あなたのカトリへの思いはその程度のものなの? 今は、あなたのプライドなんて何の役にも立たないのが分からないの?」
剛介の耳が熱くなったのは志織の吐息のせいだけではなかった。
“あなたがしっかりしてくれなきゃ、私が困るのよ…”
秘めた思いを胸にいだきつつ、志織は剛介の手を取ると隼人の手に無理やり握手させた。
「何をいつまでもウジウジしているの! サッサと赤城君に謝ってしまいなさいよ!」
ついて来ていた男子生徒は、志織の凛々しい態度に見とれていた。
「剛介は赤城君と早く仲直りしちゃいなさい!」
いきなり剛介と握手させられた隼人は面食らっていたが、志織が二人の握手している手を包み込みながら隼人の目を見て微笑んだので、剛介の顔を見ながら意を決して握った手に力を込めた。剛介もそむけていた顔を隼人の方に向けて、なんとか謝罪しながら手を握り返した。
"志織はどうしてそこまで竜崎を助けるかなぁ… ひょっとして、志織ったら…”エマは志織の気持ちをはかりかねていた。
「エマからの話を聞いて、教室へ行こうと言い始めたのは竜崎なんだよ。あの時は結構必死だったんだぜ」
ニヤニヤしながら男子生徒は軽口をたたいた、その瞬間、
「調子に乗ってんじゃねーぞ、オラ!」
怒りに満ちた表情の剛介が男子生徒を一喝した。
「ス、スミマセン! スミマセン!」
男子生徒は剛介に何度も直角お辞儀をして謝った。
「もう、いい加減にしなさい!」
剛介と男子生徒のイサカイを志織が強制終了させた。
「赤城君とカトリは福本君とは初対面のハズよね。この男子は福本陽二君よ。福本君は学級委員の二人は知っているわね?」
「もちろん知っているよ、二人とは話したことはないけどね。あの印象的な学級委員選挙のことは忘れようもないよ」
"福本は調子に乗ってばかりいると、痛い目にあうわよ”とエマが思った、その時
ガンッ!
剛介が机を蹴ってたてた大きな音を聞いて陽二は文字どおり飛び上がった。
「剛介、福本君がビビリって分かってて大きな音をたてるのは止めなさい。福本君も見境なく軽口ばっかり言うのはやめなさい。二人とも、次には私も本当に怒るわよ…」
志織が本気で怒ろうとして、教室の内の雰囲気が険悪なものとなりつつあった。
「ハイハイみなさん、何をしに学級委員のお二人のところまで来たのだったかしら? お困りのお二人を助けるためにじゃなかったのかしら?」
エマは両手をたたきながら全員の注意を引き、その場の空気を切り替えた。
「そうだった! いったい何を手伝えばいいんだ?」
陽二は何事もなかったかのようにカトリと隼人に問いかけた。
「さっきも言ったけど、合宿での班分けとレクリエーションなんだけど… 私とハヤトだけでは決められなくなって…」
弱り切ったカトリの返事に、黙ったまま隼人もあいづちをうった。
「なんだ、そんなの簡単よ! 私にいい考えがある!」
エマが身を乗り出し、手を上げながら発言した。
「もう入学して数週間たっているから、クラス内には友達関係や人間関係が出来あがってきているわ。だから、学級委員がムリして班を作らなくても、クラスのみんなに好きな人同士で班を作ってもらえばいいのよ!」
「確かに… それはいい考えかも! みんなはどう思う?」
少し考え込んでから志織もエマに賛同して、その場の全員の顔を見た。
「わざわざコッチが苦労しなくても済むなら、それに越したことは無いし…」
腕組みをしていた隼人も同意を表明した。
「それにレクリエーションだって、学級委員が全部考えるんじゃなくって、各班に考えてもらって準備をしてもらえばいいのよ!」
レクリエーションについてもエマが続けてアイデアを出した。
「それなら、一班の数名で一つのレクリエーションを考えればいいから負担も軽くなるしいいかも!」
カトリも乗り気になっていた。
「あとはレクリエーションがカブらないようにすれば良いだけだしな」
剛介も話に加わってきた。
「私たちでクラスのみんなにも話しておくから、学級委員のお二人は響子先生にホームルームでこのことについて提議することを伝えておいてね! みんなもそれでいいわよね!」
話し終わったエマが全員の顔を見まわしたが、みんながうなずいていた。
「私からもみんなに提案したいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
エマに続いて志織もその場の全員にしゃべりかけた。
そんな剛介の態度を見かねたように志織は剛介に近づき耳元でつぶやいた。
「あんなに熱く語っていた、あなたのカトリへの思いはその程度のものなの? 今は、あなたのプライドなんて何の役にも立たないのが分からないの?」
剛介の耳が熱くなったのは志織の吐息のせいだけではなかった。
“あなたがしっかりしてくれなきゃ、私が困るのよ…”
秘めた思いを胸にいだきつつ、志織は剛介の手を取ると隼人の手に無理やり握手させた。
「何をいつまでもウジウジしているの! サッサと赤城君に謝ってしまいなさいよ!」
ついて来ていた男子生徒は、志織の凛々しい態度に見とれていた。
「剛介は赤城君と早く仲直りしちゃいなさい!」
いきなり剛介と握手させられた隼人は面食らっていたが、志織が二人の握手している手を包み込みながら隼人の目を見て微笑んだので、剛介の顔を見ながら意を決して握った手に力を込めた。剛介もそむけていた顔を隼人の方に向けて、なんとか謝罪しながら手を握り返した。
"志織はどうしてそこまで竜崎を助けるかなぁ… ひょっとして、志織ったら…”エマは志織の気持ちをはかりかねていた。
「エマからの話を聞いて、教室へ行こうと言い始めたのは竜崎なんだよ。あの時は結構必死だったんだぜ」
ニヤニヤしながら男子生徒は軽口をたたいた、その瞬間、
「調子に乗ってんじゃねーぞ、オラ!」
怒りに満ちた表情の剛介が男子生徒を一喝した。
「ス、スミマセン! スミマセン!」
男子生徒は剛介に何度も直角お辞儀をして謝った。
「もう、いい加減にしなさい!」
剛介と男子生徒のイサカイを志織が強制終了させた。
「赤城君とカトリは福本君とは初対面のハズよね。この男子は福本陽二君よ。福本君は学級委員の二人は知っているわね?」
「もちろん知っているよ、二人とは話したことはないけどね。あの印象的な学級委員選挙のことは忘れようもないよ」
"福本は調子に乗ってばかりいると、痛い目にあうわよ”とエマが思った、その時
ガンッ!
剛介が机を蹴ってたてた大きな音を聞いて陽二は文字どおり飛び上がった。
「剛介、福本君がビビリって分かってて大きな音をたてるのは止めなさい。福本君も見境なく軽口ばっかり言うのはやめなさい。二人とも、次には私も本当に怒るわよ…」
志織が本気で怒ろうとして、教室の内の雰囲気が険悪なものとなりつつあった。
「ハイハイみなさん、何をしに学級委員のお二人のところまで来たのだったかしら? お困りのお二人を助けるためにじゃなかったのかしら?」
エマは両手をたたきながら全員の注意を引き、その場の空気を切り替えた。
「そうだった! いったい何を手伝えばいいんだ?」
陽二は何事もなかったかのようにカトリと隼人に問いかけた。
「さっきも言ったけど、合宿での班分けとレクリエーションなんだけど… 私とハヤトだけでは決められなくなって…」
弱り切ったカトリの返事に、黙ったまま隼人もあいづちをうった。
「なんだ、そんなの簡単よ! 私にいい考えがある!」
エマが身を乗り出し、手を上げながら発言した。
「もう入学して数週間たっているから、クラス内には友達関係や人間関係が出来あがってきているわ。だから、学級委員がムリして班を作らなくても、クラスのみんなに好きな人同士で班を作ってもらえばいいのよ!」
「確かに… それはいい考えかも! みんなはどう思う?」
少し考え込んでから志織もエマに賛同して、その場の全員の顔を見た。
「わざわざコッチが苦労しなくても済むなら、それに越したことは無いし…」
腕組みをしていた隼人も同意を表明した。
「それにレクリエーションだって、学級委員が全部考えるんじゃなくって、各班に考えてもらって準備をしてもらえばいいのよ!」
レクリエーションについてもエマが続けてアイデアを出した。
「それなら、一班の数名で一つのレクリエーションを考えればいいから負担も軽くなるしいいかも!」
カトリも乗り気になっていた。
「あとはレクリエーションがカブらないようにすれば良いだけだしな」
剛介も話に加わってきた。
「私たちでクラスのみんなにも話しておくから、学級委員のお二人は響子先生にホームルームでこのことについて提議することを伝えておいてね! みんなもそれでいいわよね!」
話し終わったエマが全員の顔を見まわしたが、みんながうなずいていた。
「私からもみんなに提案したいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
エマに続いて志織もその場の全員にしゃべりかけた。