実は同床異夢?
文字数 1,215文字
「私からもみんなに提案したいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
エマに続いて、志織もその場の全員にしゃべりかけた。
「それじゃ、私たちが初めに、このメンバーで班を作りましょうよ!」
「…」 「…」 「…」 「…」 「…」
その場が一瞬にして静まり返って、直前までの熱気がまるで嘘のようだった。
“ビッテ! ハヤトと同じ班になれるなんて! でも、ワタシがあまり喜び過ぎると変に思われるわよね…”
“オレなんかと一緒の班でカトリは迷惑しないかな… それに竜崎や福本と同じっていうのは微妙だな…”
“俺からは言い出せないことをよく言ってくれた! だが、コイツらの前では喜ぶところは見せられない…”
“カトリと剛介を一緒にするなんて、志織は何を考えているのかしら… でも、面白いモノが見られるかも…”
“志織さんと同じ班になるのは嬉しいけど、竜崎と一緒なのは、かなわないな…”
単純に嬉しい気持ちだけではない、志織以外のメンバーたちは自分の気持ちを素直に表に出せなかった。
「エッ!? みんな急に静かになって… どうしたの?」
校庭での運動部活の掛け声が教室内に響き渡るほどの静寂が続き、志織も動揺を隠せなかった。
「…ビッテ、ワタシはうれしいけど、みんなの気持ちがワタシと同じか分からなかったから、すぐ返事ができなくて…」
爆発しそうな喜びを抑えたつもりのカトリの口調は、たどたどしかった。
「俺もそう思っていたんだが、カトリも同じだったんだな!」
珍しく笑顔を見せながら剛介もそれに続いた。
「な~んだ! みんな賛成だったんだ! 誰もすぐに反応しないから、ちょっと様子を見ちゃったわ!」
誰かが口火を切るのを待っていたエマは、返事をしながら志織とカトリの顔を代わる代わるマジマジと見ていた。
「ねえ、赤城君はどうなの?」
安堵した表情の志織が、まだ返事をしない隼人に問いかけた。
「オレはいいけど、みんなはオレなんかが一緒でもいいのか?」
「いいに決まっているじゃない! ねえ、フクモトクンもそうだよね?」
自信なさそうな隼人に、カトリが即座に返事を打ち返しつつ、陽二にも同意を求めた。
「… 僕も賛成するよ…」
うつむきかげんの姿勢で陽二が返答をしたところ、剛介が噛みついた。
「お前、不満があるのか?」
「ゴースケは黙っていなさい! ワタシがフクモトクンと話をしているのよ! それじゃ、フクモトクンも賛成でいいのよね!」
陽二がうなずくとカトリは満面の笑みになった。
「ねえ、みんな聞いてちょうだい! もう一つ提案があるんだけど、いいかな?」
エマがスマホをいじりながら全員に話かけた。
「合宿で泊まるホテルのことを調べていたら、面白いモノが近くにあることを見つけたんだけど…」
エマに続いて、志織もその場の全員にしゃべりかけた。
「それじゃ、私たちが初めに、このメンバーで班を作りましょうよ!」
「…」 「…」 「…」 「…」 「…」
その場が一瞬にして静まり返って、直前までの熱気がまるで嘘のようだった。
“ビッテ! ハヤトと同じ班になれるなんて! でも、ワタシがあまり喜び過ぎると変に思われるわよね…”
“オレなんかと一緒の班でカトリは迷惑しないかな… それに竜崎や福本と同じっていうのは微妙だな…”
“俺からは言い出せないことをよく言ってくれた! だが、コイツらの前では喜ぶところは見せられない…”
“カトリと剛介を一緒にするなんて、志織は何を考えているのかしら… でも、面白いモノが見られるかも…”
“志織さんと同じ班になるのは嬉しいけど、竜崎と一緒なのは、かなわないな…”
単純に嬉しい気持ちだけではない、志織以外のメンバーたちは自分の気持ちを素直に表に出せなかった。
「エッ!? みんな急に静かになって… どうしたの?」
校庭での運動部活の掛け声が教室内に響き渡るほどの静寂が続き、志織も動揺を隠せなかった。
「…ビッテ、ワタシはうれしいけど、みんなの気持ちがワタシと同じか分からなかったから、すぐ返事ができなくて…」
爆発しそうな喜びを抑えたつもりのカトリの口調は、たどたどしかった。
「俺もそう思っていたんだが、カトリも同じだったんだな!」
珍しく笑顔を見せながら剛介もそれに続いた。
「な~んだ! みんな賛成だったんだ! 誰もすぐに反応しないから、ちょっと様子を見ちゃったわ!」
誰かが口火を切るのを待っていたエマは、返事をしながら志織とカトリの顔を代わる代わるマジマジと見ていた。
「ねえ、赤城君はどうなの?」
安堵した表情の志織が、まだ返事をしない隼人に問いかけた。
「オレはいいけど、みんなはオレなんかが一緒でもいいのか?」
「いいに決まっているじゃない! ねえ、フクモトクンもそうだよね?」
自信なさそうな隼人に、カトリが即座に返事を打ち返しつつ、陽二にも同意を求めた。
「… 僕も賛成するよ…」
うつむきかげんの姿勢で陽二が返答をしたところ、剛介が噛みついた。
「お前、不満があるのか?」
「ゴースケは黙っていなさい! ワタシがフクモトクンと話をしているのよ! それじゃ、フクモトクンも賛成でいいのよね!」
陽二がうなずくとカトリは満面の笑みになった。
「ねえ、みんな聞いてちょうだい! もう一つ提案があるんだけど、いいかな?」
エマがスマホをいじりながら全員に話かけた。
「合宿で泊まるホテルのことを調べていたら、面白いモノが近くにあることを見つけたんだけど…」