登場人物紹介
文字数 4,614文字
第二部から第三部までに半年もかかってしまいましたが、お待ちいただけていたのでしょうか? それでは、今回も第三部の登場人物紹介を実行して参りましょう。
あら、私としたことが、お初の方がいらっしゃる可能性を失念しておりました。
私はレイン。レインボウ・ネットワーク接続者のサポートを目的として開発されたAIメイドです。以後お見知りおきを。すでにご存知の皆様も、改めてよろしくお願いいたします。
必要無いという場合は、このページと次ページを飛ばして本編へお進みください。
・アサヒ/男性/生後五ヶ月
ご存知、生まれたての一七歳です。魔素によって北日本王国の英雄・伊東 旭様の一七歳時点の肉体が再現された存在。旧時代が終焉を迎えた“崩界の日”直後までの記憶しか持っておらず、そのため英雄として戦い続けたオリジナルの戦闘経験も引き継いでおりません。以前も申し上げました通り、これにはれっきとした理由があるのですが、今はまだ秘密といたします。
自身の能力に対する理解の浅さや、戦闘経験の乏しさが最大の弱点でしたが、福島での戦いと地下都市秋田での死闘を経て成長。現在は南日本でトップクラスの術師とも互角以上に渡り合えるようになりました。
また、体内に存在する高密度魔素結晶体は人類の天敵と目されていた赤い巨竜シルバーホーン様のもので、そのためか同じ体の中に人と竜の二つの人格が同居しておられます。かの巨竜は不思議とアサヒ様や人類に対して協力的な態度を貫いており、第三部ではその理由も明かされる予定です。
現在、アサヒ様は朱璃様と婚姻を結ばれ、正式な夫婦と認められました。そのため北日本では王族の一員でもあります。この事実が彼の未来にどのような道を拓いたのか、是非第三部本編をご覧ください。
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一二歳から特異災害対策局で働く、王国きっての才女。北日本王国の王太女でもあり、さらに第二部ではアサヒ様とご結婚なさいました。
とはいえ、お父様の仇を半身とする彼に対する感情は、いまだ複雑なものがあるようです。
アサヒ様の能力を解析したことにより、長年実用化の目処が立たずにいた魔素動力式パワーアシストスーツの実用化に成功。すでに完成していた魔法の杖MWシリーズと合わせ、近い将来には北日本王国の戦力が大幅に増強されると見込まれております。
第三部ではさらに、彼女自身にも新たな力への道が開かれるようです。
・シルバーホーン/男性/???
アサヒ様の体内に同居する、もう一つの人格。赤い巨竜。人類最大の天敵などと呼ばれております。全身を赤い鱗で覆われており、その下の皮膚も赤銅色。鼻先からそびえ立つ鋭角で太い角だけは銀色なので、そのワンポイントを由来に“シルバーホーン”と名付けられました。南日本では“紅銀”と呼ぶそうです。可愛らしい響きですね。
人類に対し奇妙なほど協力的で、第三部ではこれまで以上に彼らの力になってくれます。実は第二部終盤、大阪から来た“彼女”のお顔を見て、かなり驚かれたのだとか。
アサヒ様が毎晩嗜む読書は、彼も楽しみにしています。
・マーカス/男性/四四歳
数年間、朱璃様の育て親をなさっているベテラン調査官の男性。黒人、つまり現在の日本では珍しくなった人種の形質を色濃く残す存在で、強面であることも手伝い、初対面の方には恐れられがち。アサヒ様のように、出会ってから五ヶ月経ってもまだ怖いという方もおられます。ですが、基本的には優しい方だと言えるでしょう。
朱璃様が結婚してしまって心中穏やかではありませんが、アサヒ様のことは徐々に認めつつあります。
・カトリーヌ/
第二部で大暴れなさった金髪碧眼の妙齢の美女。見た目に反して故郷ではフィジカルお化けと呼ばれ、数々の伝説は今も後輩達の語り種となっています。
実は子供好き、かつ世話焼きな性格。しかし素を出すと怖がられてしまい、そんな自分を怖がらない朱璃様とはすぐに友人になりました。
休日の日課は鍛練と危険物の製造・収集。特に銃器に興味があり、MWシリーズもこよなく愛しておられます。
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若くして精鋭と認められ、朱璃様直々にスカウトなされた調査官。とはいえこれまではあまりに相手が悪く、華々しい活躍には恵まれませんでした。
第三部では、幼馴染の小波様共々大幅に見せ場が増えております。
また、恋にも大きな進展があるとか。私も楽しみでございます。
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友之様の幼馴染。他のメンバーに比べると自分は平凡だと嘆いておられます。しかし友之様同様、今回は数多く見せ場があるそうです。
非常に努力家で、第三部では同様に努力家の少女との間で友情が芽生えるようです。また、あることに大きな期待を寄せておられます。
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星海班一無口な巨漢として知られる人物。物言わぬ壁のようだという揶揄と、危ない時には誰よりも頼りになる存在という二つの理由で“ウォール”と呼ばれています。
第三部でもそのいぶし銀な活躍ぶりは健在。さらに意外な事実が続々と判明するかもしれません。
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朱璃様のお母様であり、実の娘に対し恐怖を抱くお方。特異災害対策局の局長も勤めておられます。
第二部ではなんと、クーデターを阻止するために我が子の暗殺依頼を行っていたことが判明。第三部では、それが原因で思わぬ展開になるとのことです。
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北日本王国を統べる女王陛下。剣の達人で長年陸軍にも勤めておられました。訓練教官をしていた時代もあり、その当時、調査官であるマーカス様も特殊な理由で師事されています。
第三部では、とある人物と剣戟さながらの政治的交渉を行います。
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アサヒ様の監視役として王室護衛隊から選ばれた女傑。実は彼の遺伝子を後世に残す確率を少しでも上げるため、機があらば抱かれて来いという命令も受けていました。しかしアサヒ様があの通り朱璃様一筋なので、現在はホッとしたような残念なような複雑な胸のうちのようです。
実は作者の秋谷さんのお気に入りの登場人物で、なるべく死なないで欲しいと多重加護を授かっています。そのせいかはわかりませんが、第三部では意外な才能も発覚。今後さらなる活躍が期待されるでしょう。
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アサヒ様のお世話係としてお側に仕えていた侍女の方。その正体は代々の王以外誰も素性を知らない王室護衛隊の隊長でした。個の武力という点でも優秀な女性ですが、特筆すべきは指揮・統率能力の方で、女王陛下からは王族、そして王国を守る最後の砦と目されています。
アサヒ様のことは内心、慕ってくれる近所の小さな男の子のような感覚で可愛く思っているそうです。
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朱璃様のはとこにあたる人物で、王位継承権を放棄した神木様を除くと三人しか残っていない王族のお一人。朱璃様に瓜二つという女性的な容貌でしたが、第二部にて隻腕隻眼となり、間違われることは無くなりました。
頭脳という点でも朱璃様に次ぐ優秀さで、星海らしい切れ味の持ち主でもあることが判明。第三部での出番は少ないのですが、本編の裏側で“王の補佐”に相応しい実力を得るべく、自ら望んで指導を受け始めました。
また、終盤の時間軸ではとある少女と出会い、生まれて初めての恋に落ちます。
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アサヒ様のオリジナルにして、かつて人類を救った英雄。第三部でも登場しますが、そのお姿は意外な変貌を遂げていて──
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南日本の術師隊を束ねる長であり、全術師の養母でもある女性。黒髪で一○歳前後の幼子の姿をしていますが、すでに四〇〇年以上生きておられます。人の枠を超えた巨大な霊力を有し、多彩な霊術を自在に扱う、南日本最強の英雄。その実力は、かつての北日本王国初代王・伊東 旭様を手玉に取るほど。
最も得意とする術は霊力障壁。そして“見えない糸”だとされています。
第三部では北日本王国に対し意外な提案を投げかけ、物語を大きく動かす存在に。
◆ここからは第三部にて初登場の皆様です。
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南日本の術師隊に所属する最年少の術師様。人懐っこく天真爛漫な性格で、誰も疑わないだろうという理由から北日本に潜伏する工作員に選ばれました。とても声が大きく、室内では音響兵器と化します。
名前の通り風の精霊と相性が良く、彼女の生み出す風の結界は竜ですら容易には突破出来ない強固な砦。霊力の強さでは月花様を除く全術師中の最高峰です。
梅花様と桜花様に対し憧れを抱いており、第三部での初登場時は本当に感極まっていたようです。
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術師隊年少トリオの一角。風花様よりは年上で、最年少の彼女と、まだ正式な術師とは認められていない候補生達から“荒っぽいけど優しい姉様”と慕われています。その評判通り男性的な口調で話し、時に粗野とも思える言動を見せますが、これは荒々しい気性を好む火の精霊の力をより強く強く引き出すためで、元々の霊力の強さと努力が噛み合った結果、最も火の術に長けた術師に授けられる“烈花”の名を受け継ぎました。
しかし、実は女性らしさに憧れる一面もあり、どうしても自分を“オレ”とは言いたくなかった結果、妥協して“ボクっ娘”になりました。黒髪ですが、部分的に赤く染めています。
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烈花様とは三ヶ月しか年齢が離れておらず、実質的には同年齢。そのため候補生時代から仲が良く、今でも姉妹というよりは友人としての付き合いを続けるお方。
霊力は弱く、そのハンデを補うために人一倍の努力を重ねた結果、若くして御髪の色は薄くなってしまいました。ただ、御本人はその髪の色を弛まぬ修練の証として誇っておいでです。
霊力の強い術師のように空を飛んだりすることはできませんが、遠距離の物体を、間の障害物を無視して斬り裂く恐るべき剣技の使い手。これもまた霊術の一種なのですが、彼女が独自に編み出した完全な新術であり、その功績からそれまで存在しなかった“斬花”という名前を新たに用意して与えられました。
・???/女性/???
魔素で満ちた空間からアサヒ様や朱璃様の動向を観察する謎の存在。福島で交戦した“白い大蛇”と協力関係にあり、多大な犠牲を払ってでも自分達の夢を叶えようとしておられます。
頻繁に一本の“杖”が突き立っている場所を訪れては、その杖の本来の名を呼びかけているようです。
・こおろぎ/女性/七歳
とある場面で登場する幼い少女です。実の姉と共に術師になるための訓練を受けています。
・あげは/女性/一一歳
こおろぎ様のお姉さん。過酷な訓練が続く日々の中で、常に自分より妹さんのことを心配しています。
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第三部のどこかで登場される女性。儚げな少女で、ある方を慕っておられます。強い霊力を宿していますが、何も訓練していないので霊術は使えません。
第三部の登場人物紹介は以上となります。引き続き世界観・用語の解説に移行いたしましょう。