登場人物紹介
文字数 5,883文字
例によって第四部本編のネタバレが若干含まれておりますので、それでもという方のみご覧ください。説明不要という場合には、このページと次のページを飛ばして「序章・因果」まで、お進み下さい。
・アサヒ/男性/一歳
冒頭時点ではまだ一歳未満ですが、第四部の中核となる場面ではおおむね一歳なので、年齢の表記はこのようにさせてください。
第三部において、長年南日本を苦しめていた極大怪異“
大阪より戻られて以来、お二人の熱はいっそう高まり、今や人目も憚らず愛を囁き口付けを交わすほどのおしどり夫婦に。その情熱は時に周囲が辟易するほど。
ただ、それによる弊害も一つございまして。朱璃様への愛情強く、疲れ知らずなものですから、最初の頃はリードされていた彼も今や逆に……え? あ、はい、そのようにいたします。
申し訳ございません、これ以上夜の営みについて語ることは禁じられてしまいました。なので、この話題は以後NGとなります。
元々争い事を好まれるタイプではないので、自分以外でも“竜”を倒せるようになった現在は漁業のお手伝いや、人並外れた力を活かせる工事現場の助っ人などをして働いておいでです。
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第三部の後で誕生日を迎えられ、現在は一六歳に。疑似魔法学を大きく発展させた天才であると同時に、霊術の世界でもずば抜けた才能を発揮。今や北日本の至宝どころか人類の至宝とまで呼ばれるようになられました。
アサヒ様とは非常に仲睦まじく……あ、大丈夫です。NGには触れませんので、落ち着いて下さい。
失礼しました。第三部にて関係が修復されたお母様とも、現在は仲良くしておいでだそうです。また南日本の象徴・月灯様も気に入っておいでで、妹分だと考えておられます。年上のカトリーヌ様と友人になられたことといい、一人っ子なので姉妹に対する憧れがあったのでしょうか?
大阪から戻って以来、とても忙しい日々が続いており、時々それが原因で突拍子も無い行動に出ることがあるようです。
さらに、最近あることに対し、とても悩んでおいでです。
・ライオ/男性/???
ご存知、アサヒ様の体内に同居されている赤き巨竜。私のマスターは“ツンデレドラゴン”と呼んでおられます。基本的に人類に対しては上から目線ですが、相手によってそれにも若干の差があり、朱璃様のことは戦友、アサヒ様のことは父親のような気分で見守っていると、我がマスターは分析されて──ああっ、お逃げ下さいマスター。彼は超音速で飛べます。そうです全速力で。きっと良い運動になりますよ。
こほん。ある意味、第一部から最も変化に乏しいお方でもあります。彼としては最初から一貫してアサヒ様の味方でしたので。
第三部では大活躍でしたが、完結編ではさらに活躍の場が増えることが決まっております。あるいはアサヒ様以上とも……?
よくよく考えると、この方は、あのお二人のキューピッドでもあるのですね。そう考えると可愛らしくも見えてきました。
あら、無駄ですよライオ様。あなたに見えている私の姿は虚像なので、どんなに攻撃してもダメージは受けません。
・マーカス/男性/四五歳
朱璃様の父親になろうとしていて、なりきれない、そんな不器用な男性。しかし生存能力という点ではずば抜けており、実は第一部から通して人斬り燕様に刺された時以外、ほとんど怪我らしい怪我をしていません。カトリーヌ様とは違うタイプの不死性を感じます。九年前に東京へ行かなかったのも、野生の直感によるものだったのかもしれません。
アサヒ様のことはとっくの昔に認めておられるのですが、なかなかそれを素直に口に出して言うことができず、悩んでおられます。二人揃って同じ人物のことで思い悩むあたり、ちゃんと親子になれていると、私はそう思いますよ。
・カトリーヌ/
まだ二七歳。もうすぐ二八歳。女としての幸せも考えたいお年頃。でも南日本最強の術士という立場が許してくれない、だからそのへんの若人をからかって遊び、ストレスを発散する。そういう趣味を持った才媛です。
第三部では、ただ強いだけではなく尋常でない生命力の持ち主であることが判明しました。秋谷さんはあれを、とある人物が密かに覚醒していた能力で治療した結果と考えていたのですが、諸事情あってその設定が無くなったため、本当に自力で生き延びただけのフィジカルモンスターに。
第四部でも、おそらく皆様の想像を超える大暴れをご覧に入れるでしょう。
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第一部からカトリーヌ様に想いを寄せていたはずが、実はそうではなかったと自覚してしまい、そこからあれよあれよと本当の恋を実らせた男性。何故それをもっと早いうちにできなかったのでしょう?
小波様は体格の差でコンプレックスを抱いておいでですが、実は体内の魔素許容量で多少勝っている以外、突出した能力はありません。しかし視野が広く、危機察知能力には優れ、素直に命令に従うことから星海班にスカウトされました。本人は無自覚でしたが小波様との連携にも光るものがあったと言います。
副業で小説家をしており、筆が乗っている時は寝食を忘れることもしばしば。近頃はそんな時、小波様が世話を焼いてくれるそうです。
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友之様の幼馴染。第三部で長年の恋が実り、彼とは恋人同士に。けれど付き合う前に考えていた恋人らしい行為の大半を未だ実行できておらず、悶々とする日々。やむなく仕事に打ち込んで煩悩を忘れるようにしておられます。また南日本の少女達、特に斬花様とは年齢差を超えた友情で結ばれました。
どんな状況でも冷静に、そして堅実に行動できることが長所。努力家で向上心を失わないところも朱璃様に共感されておいでです。
第三部からDAシリーズを使用しており、その扱いの練度においては現在北日本の全戦力中ナンバーワンと目されています。
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星海班一無口で大柄な男性。第三部で既婚者だと判明しました。さらに離婚も経験済。お子さんが三人いらっしゃり、一番上の娘さんは特異災害対策局に入局することが決定。すでに調査官になるための訓練を開始しています。
実は心配性のお父さんなので、そんな娘さんに誤解を招くような気遣いをしてしまい、怒られてしまうことも。また娘さんや息子さんに似た子を見かけると放っておけない性分でもあるようです。別れた元・奥さんは同僚の妹さん。
男性ながら多少の霊術を使える程度の霊力を有しており、霊力障壁で体表を覆い、体の一部分を硬化させる術を身に着けました。
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第三部で、かつて巌倉様の義理の姉だったことが判明した星海班専従医師の女性。この方はマーカス様よりさらに生存能力が高く、現状全くの無傷です。生存能力というより特異な幸運に恵まれているのかもしれません。
霊力もそれなりに強く、治癒術を覚えたことで医師としての能力も上がりました。いつも吸っているタバコは、実は健康に良い松葉タバコと呼ばれるものです。
これまで全く結婚願望が無かったのに、最近アサヒ様と朱璃様にあてられてお見合いを受けようかと考え始めました。
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以前はアサヒ様の監視と護衛を務めておられた護衛隊士の女性。最近は朱璃様の身辺警護を任されています。南日本で霊術を学んだ結果、水を操る系統の術と相性の良いことが判明。大阪からの帰還後も霊術の鍛錬を継続しておられる他、同じ護衛隊の霊力保有者に対する指導の手伝いも行っています。
最近の悩みは寝不足によると肌荒れと、毎日朝夕、朱璃様とアサヒ様のキスシーンを見せられることだそうです。
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第三部にて意外かもしれない正体が判明した女性。初登場時の外見は一〇歳前後でしたが、現在は七歳くらいになっておいでです。時間と空間に干渉する特別な力を有しており、それを使用する際の代償として年齢が退行します。
さらには絶大な霊力を持ち、その最大量と出力、そして回復力は天才と呼ばれる朱璃様でも畏怖するほど。長生きしておられる分、小技も多彩で、一対一の状況でならアサヒ様も朱璃様も、カトリーヌ様も全く歯が立ちません。
自分の養子であり弟子でもある子供達には過酷な訓練を課していますが、冷酷なわけではなく、目的のために必要なことを心を殺して実行できる決断力と忍耐力があるだけだということを、術士隊の皆様も承知しておられます。
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術士の多くは一五歳で成人と認められ、そこから様々な任務に就きます。しかし月華様に次ぐ霊力と高い素養の持ち主だったため、特例で一一歳から任務についている彼女は、南日本の朱璃様と呼べるかもしれません。天才なのです。
ただ性格には難があり、落ち着きに欠け、前線での戦いではすぐに命を落としてしまいかねないため、徹底的に味方を守る防御専門の術士として育て上げられました。唯一、声の大きさを利用した音響破壊霊術は高い殺傷力を誇ります。
特に好きな牛さんはハナコさんだそうです。
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よくよく考えると、唯一アサヒ様の精神年齢と同い年という女性。とはいえ出会った時にはすでに彼は朱璃様と仲睦まじい様子でしたので、恋愛感情は全く芽生えませんでした。それに、どちらかというと年上が好きだそうです。
烈花というお名前は、術士隊において「炎を操ることにかけて右に出る者無し」を意味する称号のようなもので、先代の烈花様から自分以上と認められたことで継承しました。同世代の中の一人をライバル視しており、よく競っておいでです。
第四部ではさらなる成長をお見せすることになるでしょう。
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才能に恵まれず、それでも弛まぬ努力を続けた結果、恐るべき新術を開発して月華様に新たな名を考えさせたお方。その剣技の冴えや一心に鍛錬へ打ち込む姿がとある人物を思い起こさせるため、月華様は当初“蓮花”の名を与えるつもりでした。
今回、彼女自身も大活躍なさいますが、彼女が生み出した刃状障壁の術も遺憾無くその性能を発揮することでしょう。
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第三部では出番も活躍もほとんどありませんでしたが、スピンオフ作品「人竜日記」では日本全体の未来を左右する、とてつもなく重大な行動を選択。線が細いのに「やはり星海」と言われることが一番多い少年。朱璃様からも「頭のネジが何本か飛んでるヤバイやつ」呼ばわりされています。
前述の出来事から、南日本の天皇とは非常に親しい間柄に。なんと「お兄様」と呼ばれておいでです。私のマスターが大変悔しがっておられました。
第四部本編でもあまり出番は無いのですが、朱璃様が義手に仕込んだ機能により大切な人のピンチを救うなど、裏では結構な活躍をなさっておいでです。具体的には手の平から圧縮魔素の光弾を放ったり、強力な魔素障壁を展開したりできます。眼帯の下にも切り札となる超兵器が仕込まれているとかいないとか。
好みのタイプは「お淑やかで、純粋で、笑顔に人を癒す力がある女性」だとのこと。お父様と全く同じで、それに気付いた時、血の繋がりを強く感じました。
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第三部終盤で登場なさった南日本の天皇陛下。今もまだ幼いのですが、さらに幼い時分に先代が崩御なさったため、少女ながらに国家の象徴として気丈に振る舞っておいでです。
スピンオフ作品にて開明様と出会い、意外な関係に。詳しくは「人竜日記」をごらんください。
今回、とても慕っておられる月華様との関係についても詳細が明らかになります。
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朱璃様のお母様とお祖母様。そして王室護衛隊の隊長様。第四部ではほとんど出番がありませんので、このような形に。ですが詳しく語られなかった“二月の大事件”では大いに暗躍。南日本から協力要請を受け派遣されて来た三人の少女とアサヒ様にトラウマを植え付け、えげつない手段で国内の敵を一掃されたそうです。
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アサヒ様のオリジナル・伊東 旭様のお母様。状況証拠的にご子息と同じ“渦巻く者”だった可能性が高く、やはり同様に記憶災害の維持限界を突破する因子を有していたと思われます。
今も彼女は“ドロシー”の体内に囚われており、その能力を利用されたままです。
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アサヒ様をサルベージした南の天才術士。こと精神に干渉する術に関して言えば月華様以上の実力を誇っていました。
一年前、アサヒ様を守るため自ら敵に捕食され命を落としましたが、第四部ではそんな彼女が──これ以上はトップシークレットです。
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アサヒ様のオリジナルにして北日本王国の初代王。第四部では意外な特技を持っていたことが判明。
さらに、実は──すみません、またトップシークレットです。
・???/女性/???
第三部にて登場した謎の女性。魔素に満ちた空間に潜み、そこから様々な場所をリアルタイムで観察。
その正体は今回、意外と早い段階で明かされるでしょう。
◆ここからは第四部にて初登場の方です。
・水無瀬艦長/男性/三九歳
海軍ナンバーツーの偉い人です。ただ、現代の海兵は軍人であると同時に漁師でもあり、この方も気さくで豪快な性格。お酒を嗜まないアサヒ様をしつこく誘って飲ませようとするなど、困った部分も多く見受けられます。
しかし、その指揮能力は海軍随一。現在の世界で最も危険な場所と言われる海で戦うこと二十年弱、彼が率いる艦は乗員の死亡率が極めて低いことで有名。仲間を活かし、なおかつ戦果も挙げる名将として知られておいでです。
主要人物のまとめは以上となります。それでは、引き続き世界観・用語解説へと進みましょう。